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院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

ダリの絵

2007-11-22 08:34:08 | Weblog
 父が美術好きだった関係で、私は幼いころから絵画展、彫刻展によく連れて行かれた。

 私は「うまい」と思うだけで、それ以上のことは分からなかった。とくに抽象画の展覧会はわけがわからず、退屈でしかなかった。

 長じて自分で展覧会に行くようになった。絵や彫刻の良し悪しが分かるようになったのは高校生の時くらいだろうか?

 でも、やっぱりどこか面白くない。父の影響で展覧会に行くようになっただけだからだろう。高校の美術の教師が日展に出品していた。それも見に行ったが、たいして上手いと思わなかった。

 なんだか画家の自己満足のような感じがしてならなかった。しかし、絵画でこれほどまでに精密に描く技術には脱帽せざるをえなかった。

 写実的な絵画展には驚いた。すごいテクニックに感動した。まだ私には抽象画は分からず、ただひたすら写実画の精妙なところに感動していた。(今でも分からないところがある)。

 父は日本画、洋画の画集を買ってくれた。描かれている絵の迫力に圧倒された。だが、1人だけ疑問に思う画家がいた。

 それがダリである。

 ダリの写実のテクニックのすごいことは認めざるをえない。ただ問題は、絵の内容である。有名な「柔らかい時計」。これはなんじゃ。屁理屈ではないか。

 絵画は感性で見るものである。理屈ではない。ところが、ダリの絵はことごとく理屈なのである。

 ダリが現在でもこれほどまでに賞賛される理由が、私には分からない。