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院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

小田実氏に対する違和感

2007-08-01 08:15:46 | Weblog
 小田実氏が死去した。ご冥福をお祈りする。

 小田実の名前が世に出たのは、1961年「何でも見てやろう」という本だった。当時、私は中学生だった。少年のころからベストセラーは読まないというツムジ曲がりの私は、このベストセラーを読んでいない。

 本の内容は、一日1ドルで世界中を放浪した旅行記であるらしい。当時は海外旅行は自由化されておらず、私たちはTVの「兼高かおる世界の旅」くらいで海外の巷を見るしかなかった。

 その時代の海外放浪記が「何でも見てやろう」である。海外旅行と言うよりも、ほとんど冒険である。

 それはそれで、青年の挑戦魂が感じられてよかったのだが、私が怪訝に思ったのは小田氏が「ベトナムに平和を市民連合」(通称・ベ平連)に関与してきたことである。

 そのころは学生運動が盛んで、私も大学生になっていた。ただ、学生運動や「ベ平連」の活動に疑問を感じていた。要するに安全なところから平和を唱えているだけではないか。そんなことは誰でもできる。

 なぜ、世界放浪青年が平和活動なのだろう。小田氏のそこが私には分からなかった。「ベ平連」という週刊誌まで創刊された。私は読まなかった。いずれ廃刊になると思っていたら、すぐに廃刊になった。

 その時の私の小田氏に対する評価は、ファッションに敏感な人だなということである。自己愛が強い人である。

 死者へのたむけの言葉としてはいささか不謹慎かもしれないが、「一時代が去ったというよりも、うるさいのが去った」という感じである。小田氏は少なくとも私には何の影響も与えなかった。