ジョン・ウエイン主演の「駅馬車」という映画を何度も見た。モノクロだった。名画と言われていた。映画評論家の故江戸川長治さんのお気に入りの映画だった。
じじつ面白かった。だが「駅馬車」は、アメリカ・インディアンを徹底的に悪者に仕立て上げた極めてタチの悪い映画だと今は思う。インディアンに対する悪意に満ち満ちている。
アメリカはこんな映画を世界中に配信して、巨額の利を得た。また、世界中に反インディアン思想を広めた。
同じような輸入TV映画に「名犬リンチンチン」というのがある。アメリカ騎兵隊を賛美するTV映画だけれども、TV黎明期に生きていた人は十分ご存じだと思うので、くだくだしいから詳細は省く。
わが国も、支那事変のころに生きていた人は、中国人を「チャンコロ」と呼んで差別していた。中国人を人間と見なさなかった。そうでなければ、中国侵略なぞできはしないだろう。異論はあろうが、私は日中戦争を侵略戦争と見ている。中国が日本を恨む気持ちが分からないではない。
私が子供のころは、在日朝鮮人も差別されていた。ひどい生活を強いられている朝鮮人がたくさんいた。ただ、朝鮮半島にかんしては、日本の植民地政策にも一定の理がある。それがなければ、別の国の植民地になっていただけだと思うからである。だから、朝鮮人が日本を恨む気持ちは分からぬではないが、日本が植民地にしなければ、他の国を恨むことだろう。少なくとも日本は朝鮮半島のインフラを充実させた。
朝鮮での日本語化や氏名の日本語化がいけないと言う人がある。それなら、ブラジルのポルトガル化はどうなのか。ペルーやメキシコのスペイン語化はどうなのか。
完全に支配してしまえば、宗主国は言語の変換の罪を問われない。日本は中途半端だったから言語変換の罪を問われている。言語変換は確かに罪である。だから、ブラジルやペルーも言語変換の罪をもっと追及して欲しい。
北海道の友人によれば、いまだにアイヌ系の人は差別されていると言う。アイヌ語はもはや絶滅した。いまだにアイヌ差別とはイヤな話だ。
でも、わが国はアイヌを悪役にした映画を作らなかった。中国人や朝鮮人を悪役にした映画は、あったのかも知れないが私は知らない。少なくとも外国人や先住民族を悪役にした日本映画を私は見たことがない。
それに比べて「駅馬車」どうだ。先住民族差別を娯楽にしてしまったのである。人口密集地に原爆を落とした国だもの、差別なぞ軽いものなのかもしれない。
オーストラリアにはアボリジニ差別の問題があるけれども、よく知らないので多くを語れない。
アメリカは差別の国だと思う。アメリカ留学をした友人がみな感じていることだ。名ジャズ・トランペッターの日野テルマサさんもアメリカで「お前は上手いがイエローだから出演させられない」とやさしい言葉で差別されたと言う。
故山本夏彦さんの言葉を借りて、「人間とはイヤなものだなぁ」と嘆息するしかない。
じじつ面白かった。だが「駅馬車」は、アメリカ・インディアンを徹底的に悪者に仕立て上げた極めてタチの悪い映画だと今は思う。インディアンに対する悪意に満ち満ちている。
アメリカはこんな映画を世界中に配信して、巨額の利を得た。また、世界中に反インディアン思想を広めた。
同じような輸入TV映画に「名犬リンチンチン」というのがある。アメリカ騎兵隊を賛美するTV映画だけれども、TV黎明期に生きていた人は十分ご存じだと思うので、くだくだしいから詳細は省く。
わが国も、支那事変のころに生きていた人は、中国人を「チャンコロ」と呼んで差別していた。中国人を人間と見なさなかった。そうでなければ、中国侵略なぞできはしないだろう。異論はあろうが、私は日中戦争を侵略戦争と見ている。中国が日本を恨む気持ちが分からないではない。
私が子供のころは、在日朝鮮人も差別されていた。ひどい生活を強いられている朝鮮人がたくさんいた。ただ、朝鮮半島にかんしては、日本の植民地政策にも一定の理がある。それがなければ、別の国の植民地になっていただけだと思うからである。だから、朝鮮人が日本を恨む気持ちは分からぬではないが、日本が植民地にしなければ、他の国を恨むことだろう。少なくとも日本は朝鮮半島のインフラを充実させた。
朝鮮での日本語化や氏名の日本語化がいけないと言う人がある。それなら、ブラジルのポルトガル化はどうなのか。ペルーやメキシコのスペイン語化はどうなのか。
完全に支配してしまえば、宗主国は言語の変換の罪を問われない。日本は中途半端だったから言語変換の罪を問われている。言語変換は確かに罪である。だから、ブラジルやペルーも言語変換の罪をもっと追及して欲しい。
北海道の友人によれば、いまだにアイヌ系の人は差別されていると言う。アイヌ語はもはや絶滅した。いまだにアイヌ差別とはイヤな話だ。
でも、わが国はアイヌを悪役にした映画を作らなかった。中国人や朝鮮人を悪役にした映画は、あったのかも知れないが私は知らない。少なくとも外国人や先住民族を悪役にした日本映画を私は見たことがない。
それに比べて「駅馬車」どうだ。先住民族差別を娯楽にしてしまったのである。人口密集地に原爆を落とした国だもの、差別なぞ軽いものなのかもしれない。
オーストラリアにはアボリジニ差別の問題があるけれども、よく知らないので多くを語れない。
アメリカは差別の国だと思う。アメリカ留学をした友人がみな感じていることだ。名ジャズ・トランペッターの日野テルマサさんもアメリカで「お前は上手いがイエローだから出演させられない」とやさしい言葉で差別されたと言う。
故山本夏彦さんの言葉を借りて、「人間とはイヤなものだなぁ」と嘆息するしかない。