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身体に悪い食品

2013-12-20 | 管理者の小言


野菜ジュースはむしろ健康に悪い・・・?!
知るほど恐ろしい加工食品や飲料の製造工程
安部司×大西睦子 対談【後編】


安全性に疑問符がつく人工甘味料を用いた「カロリーゼロ」の飲料や、副産物として発がん性物質が発生する着色料を用いたトクホ(特定保健用食品)認定製品など、衝撃的な話がいくつも飛び出した当対談の前編。後編においても、ベストセラー『食品の裏側――みんな大好きな食品添加物』の著者であるジャーナリストの安部司さんと、『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』を上梓した医師の大西睦子さんが、食全般に関わる恐るべき真実について語り合います!
健康を求めて毎日飲むと
むしろ不健康になる?!野菜ジュースの怖さ

安部 抗生物質づけの食肉もさることながら、もっと気になるのは野菜の水耕栽培ですね。水耕で抵抗力がないので抗生物質と似た化学化合物を投与していますし、超多毛作なので植物ホルモンも与えています。しかも、葉っぱを大きく育てるために窒素肥料を大量に投与しがちですが、その結果として硝酸態窒素が残り、それを人間が大量に摂取するとチアノーゼ(メトヘモグロビン血症)を起こす可能性があるのです。

 欧州では、野菜への硝酸態窒素系の残存量に非常に厳しいので、同地域の基準値に照らすと2~3倍もの残留が検出される日本の野菜は輸入禁止になる場合もあります。硝酸態窒素の含有量の基準そのものが日本にはないんですよね。
大西睦子(おおにし・むつこ) 医学博士。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて、造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月より、ハーバード大学にて、食事や遺伝子と病気に関する基礎研究を進めている。

 それに、日本では野菜そのものだけでなく、加工製品も要注意です。そのひとつが野菜ジュースで、ある製品では水道水基準値の10倍もの硝酸態窒素の残留が検出されたといいます。原料の野菜の多くは海外複数国で濃縮(低温沸騰させて6分の1程度に煮詰めたケチャップ状にして輸入し、国内で水で戻して“還元”して使われる)される際に、ビタミンCや酵素は壊れてしまう。その証拠に、ビタミンCを含む市販の野菜ジュースはほとんどないはずです。もし栄養成分にビタミンCが含まれているなら、それは栄養強化と変色防止のためにビタミンCが後から添加されているのです。

大西 私は今回出版した著書で、「野菜ジュースはフルーツジュースより低カロリーながら、塩分多く含むこともあるので注意したい」という趣旨の指摘をしましたが、さらに注意すべきポイントも存在したわけですね。

安部 飲料業界においては、1冊の本が書けてしまうほど怪しげな製品が多いのが実情です。要は液体の混ぜ物ですから、同じ製造ラインでさまざまな製品を作ることができることも、その一因でしょう。

 一例が、お父さんたちが毎晩飲んでいるビール風味飲料です。「新ジャンル」と呼ばれる製品は、非常に大まかに言うと、1本の発泡酒から3本分作ることができます。麦芽やホップを直接使用しなければ酒税が安くなるので、発泡酒を大麦スピリッツ(大麦を用いた蒸留酒。酒税上はリキュールに分類)などで割って伸ばして製造しているからです。ほとんどがリキュールですから、言わばビール風味の缶酎ハイですね。

大西 それに、「カロリーゼロ」や「カロリーフリー」をセールスポイントにした一部の発泡酒や「第3のビール」には、甘味料のアセスルファムカリウムやカラメル色素が添加されていることも気掛かりですね(どちらも対談の前編参照)。

安部 本当に、飲料に関しては話が尽きませんよ。あるオレンジ色の清涼飲料にしても、ウリにしている植物繊維は人工的に合成されたものですし、コチニールという昆虫のメスの内臓を乾燥させたものから抽出したコチニール色素で着色しているわけですが、天然由来とはいえこの物質は曲者なのです。

 ハムやソーセージ、カマボコなどの着色にも用いられていて、10年程前からこの物質が原因と見られる子どものアレルギー報告が出ていたのですが、国はずっと無視し続けてきました。ようやく昨年になって新聞に関連記事が掲載されて話題になりましたが、現時点で使用規制はまだ設けられていません。


「天然素材」という言葉にも
意外な落とし穴が…?

大西 とかく消費者は、「天然」という言葉に惑わされがちですね。新刊でも触れたように、「ぶどう糖果糖液糖」や「果糖ぶどう糖液糖」などの「異性化糖」といった天然甘味料を用いた飲料や食品も数多く出回っていますが、これらは高フルクトース・コーンシロップの別名で、肥満や糖尿病などの原因として私たちの健康を脅かしかねません(本連載第3回参照)。アメリカでは警鐘が鳴らされている同甘味料の使用について、日本ではほとんど意識せず摂取してしまっていて驚きます。

安部 トウモロコシなどのでんぷんを酵素処理して製造するため、砂糖よりもはるかに低コストだから、飲料のみならず焼肉のたれなどにも、やたらと使用されていますね。砂糖と比べてさわやかな味覚で、子どもも好むことからついつい過剰に摂取しがちです。しかし、その結果として永久歯の育成に影響が出た子どもまでいると言われています。

大西 「果糖ぶどう糖液糖」と一括りにされていますが、そもそも「果糖」と「ぶどう糖」では、私たちの身体に及ぼす作用が大きく異なってきます。「果糖」が果物や蜂蜜に多く含まれているのに対し、「ぶどう糖」はご飯やパン、麺類、芋類などに多く含まれ、脳の唯一のエネルギー源となります。「ぶどう糖」摂取後は満腹感が増加しますが、「果糖」の場合はそのような反応が起こりません。つまり、気をつけていないと、必要以上に摂りすぎる可能性があるわけです。

安部 「塩分、糖分、油分」を、現代人の“摂りすぎ三兄弟”と私は命名していますが(笑)、これらはたくさん加えられるほど味が濃くなるので、消費者もその味に慣らされてきていて、たっぷりと含まれている濃い味の商品を選びがちですね。
安部司(あべ・つかさ)福岡県生まれ。山口大学文理学部化学科卒。添加物商社勤務後、無添加食品・自然海塩の開発・推進に携わり、現在に至る。処女作『食品の裏側 みんな大好きな食品添加物』(東洋経済新報社、2005年)は60万部を超えるベストセラーとなり、年内に続編を発売予定。有機農業JAS判定員。水質第1種公害防止管理者。工業所有権 食品製造特許4件取得。

 その象徴がカップ麺でしょう。スープに含まれている成分はもちろんですが、実は麺にも注意が必要です。日本では「油揚げ麺」とだけ表示されることがほとんどですが、米国に輸出販売しているものには、トランス脂肪酸の含有量も明記されています。油揚げ麺のほかファストフードのフライドポテトなどに多用されている水素添加したパーム油には、心疾患などのリスクを高めるトランス脂肪酸が含まれているからです。

 日本では表示されないので意識されにくいのですが、知っていればその商品を選ばないかもしれません。ともかく、無意識のうちにお母さんたちはわが子が幼い頃から添加物の味を教え込み、それらが入っていないと物足りなく感じるような味覚に育ててしまっているわけです。

大西 お母さんたちはそういった子どもが小さいうちからの“食育”のみならず、子どもが生まれる前の段階でも注意が必要ですね。妊娠中の女性が「カロリーゼロ」の食品ばかりを摂り続けると、胎児に必要な栄養素が行き渡らず、出生後に栄養状態がよくなってから肥満や糖尿病、高血圧、メタボリック症候群になるリスクが高まります。


安部 他にも、成分や原材料などの表示のトリックに注意すべきですね。たとえば、「100%国産茶葉使用」とうたっていても、生茶抽出物が外国産のケースもあります。また、ウナギの蒲焼きは原産国の表示が必要ですが、弁当として販売される鰻丼には明記されていません。なぜなら、ご飯が占める割合のほうがウナギより多いので、表示の義務がなくなるからです。

大西 本当に油断大敵で、恐ろしいですね(笑)。とにかく、表示が不明瞭で少しでも怪しいと感じたものは避けたほうが無難かもしれません。

安部 私は決して、真っ向から添加物を否定しているわけではありません。そのメリットとデメリットを同時に考えたうえで、口にするかどうかを判断することが大切だと思っています。たとえば、飛行機に乗れば鉄道よりも圧倒的に早く遠方に到着できますが、事故が発生した場合に命を失うリスクも高くなります。食においても、カロリーがゼロというメリットが得られる反面、まだ十分に安全性が検証されていない化学物質を摂取するリスクをとっているんだ、と認識しておくべきです。さらに、あくまでその飲料や食品を選んだのは自分自身であって、すべては自己責任であることも意識していただきたいですね。

大西 私は米ハーバード大学で食事や遺伝子と病気に関する基礎研究を続けているのですが、化学をご専門とし添加物をビジネスとして扱ってこられた安部さんの現場からの視点が伺えて、本日の対談はビジネス、プライベートともに大いに参考になりました。貴重なお時間、本当にありがとうございました。

安部 私も、医師として基礎研究をされている大西さんの視点は多いに新鮮で、勉強になりました。ありがとうございました。
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