【ストーリー】
「弟の仇である半兵衛と政吉を殺してくれ」と島帰りの亥之吉が嶋屋を訪ねる。
おせいは亥之吉を軽くあしらうが、程なくおせいこそが仕事屋の元締であると気付いた亥之吉は彼女を襲撃し、利助はおせいを守るため命を落としてしまう。
亥之吉は火盗改の熊谷に全てを話し、熊谷は仕事屋を潰すために動き出す。
争いに巻き込まれおまきも死に、政吉は熊谷に捕えられ容赦ない拷問の末、自らの口を封じるためおせいの目の前で自害した。
追い詰められたおせいは半兵衛に最後の仕事を依頼する。
【知ってるゲスト】
大木実、島米八
【名シーン】
①利助の最期
利助「おかみさん、お出かけですか?」
おせい「ええ、ちょっとそこまで」
利助「こんな時分に一人でお出かけになるのは物騒でございます。御用でしたらあたしが」
おせい「どうしてもあの子に会っておきたいのです」
利助「あの子って誰です?」
おせい「…あ、ええ、政吉さん」
利助「おかみさん、政吉さんのことをそんな風に思ってらしたんですか。
政吉さんを自分の子供のように…いやぁ、政吉さんは幸せな人だなぁ。
そう言えばおかみさんが昔亡くされた子供も生きていれば、ちょうど政吉さんと同じくらいの年恰好ですね」
↑おせいとの付き合いは半兵衛たちよりずっと長い利助。
彼にとってもおせいは母親のようなものだったのだろう。
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夜道で亥之吉たちの襲撃を受けるおせいと利助。
利助「おかみさん、逃げてください!!」
利助は必死に戦うが、ついに刃をその身に受けてしまう。
↑おせいを必死で守る利助。
↑おせい限定とは言え、その忠誠心はシリーズでも最高レベルでした。
よく戦ったぞ、利助。
②政吉の告白
政吉「半兵衛さん、俺以前からずーっと気になってたことがあんだよ…。
嶋屋のおかみさんは俺のお袋じゃねえかってな」
半兵衛「…」
政吉「一度聞いてみようと思ったけど、どうしても聞けなかったよ。
なぁ、半兵衛さんどう思う?」
半兵衛「どう思うたって、分からねえよ、そんなこと」
政吉「俺はおかみさんに初めて会った時、おかみさんが俺に言った言葉、なんだか今でも覚えてんだよ」
おせい「政吉さんと言いましたね、あなたが地獄へ落ちる時は私も一緒です」
半兵衛「よしんばおかみさんがお袋だとしても、俺たちの稼業じゃどうにもなんねぇけどな」
政吉「やめろよ、湿っぽい話は。お前らしくないよ」
↑なんと政吉も気付いていたとは…。
③おまきの最期
↑おまきは政吉をかばって命を落とす。
おまきってちょっと可哀想なポジションだよね。25話では政吉はおしのと引っ付きそうになるし。
もう少し大切にしてやればよかったのに…ここだけは政吉に不満がある。
④政吉の最期
おせい「あたしの身がどのようになったって構わない、ただ政吉さんの命だけは助けたい。
ねえ半兵衛さん、何とか助ける手立てはないもんでしょうか?」
半兵衛「ありませんね」
おせい「半兵衛さん…」
半兵衛「火盗改じゃ相手が悪い。たとえ助ける手立てがあったにしろ、それは奴らが仕掛けた罠だ。
仕事屋の掟は守らなきゃならない…掟を守るためにゃ、政吉にゃ死んでもらうんですね」
おせい「あたしには政吉さんを見殺しにはできません…あの人はあたしの子供なんです!」
半兵衛「政吉を助けるか、掟を守るか、返事のしようによっては…
おかみさん、お前さんの命はあたしが頂くかもしれませんよ」
おせい「…今、親としてあの子に何にもしてやれないのですか…一目でいいから政吉に会いたい…会って…
半兵衛さん、今度だけはあたしのわがままを通してください!
あなたに決してご迷惑はかけません。ね、お願いです!」
半兵衛「…」
おせい「半兵衛さん、殺されるのならこの目であの子の死に様を見届けに参ります…」
↑我が子の最期を見届ける覚悟のおせい。その覚悟を半兵衛はもはや止めようもない。
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おせいとの関係を吐かせるため、彼女の目の前で拷問を受ける政吉。
政吉「言う…言う…言うから離してくれ…」
熊谷「そうか、やっと言う気になったか。おい、楽にしてやれ」
縄を解かれた政吉は倒れこむ。
熊谷「おかみ、いいんだな?喋らせても」
政吉はそばにいた拷問官の刀を奪うと口封じのため自らの腹を刺した。
政吉「あのおかみさんは知らねぇ…」
↑掟を守るため虫の息になりながら拷問に耐える。
↑おせいも掟を守り、政吉の拷問を黙って見つめる。
↑おせいが母親か確かめることなく、政吉は自害する。
↑我が子を失い、見る影もないおせい。
⑤半兵衛、最後の仕事へ
政吉と利助の仇を討つため最後の仕事に出かけようとする半兵衛。
お春は半兵衛の羽織を奪い、それを止めようとする。
半兵衛「貸せ」
お春「行かないで…いやよ…」
半兵衛「最後だよ、これっきりなんだから」
お春「だめ…。死んじゃえ!そんなに死にたいんだったら、死んじゃえばいいんだ!」
半兵衛はお春から羽織を取り上げる。
お春「いや、いやだ!」
お春は後からすがり付き、泣きながら言う。
お春「死なないで…死んじゃ嫌だ!」
お春を引き離し、半兵衛は出て行った。
↑憎まれ口を叩いても、最後は本音を言ってしまうお春。
⑥おせいとの別れ、お春との別れ
半兵衛とおせいは、亥之吉と熊谷を討ち恨みは晴らした。
逃げ込んだあばら屋で政吉の短刀をおせいに渡す半兵衛。
半兵衛「政吉は…お袋だってことは知ってましたよ…ずーっと前から」
おせいは短刀を握りしめると、自害しようとする。
半兵衛はおせいを押さえつけ、それを止める。
おせい「死にたい!政吉のそばへ行きたい!死なせてぇ!」
半兵衛「おかみさん、俺たちは無様に生き残ったんだ!人間生きるため死ぬため大義名分を欲しがる。
そんなものはどうでもいいんだ!明日のない俺たちは無様に生き続けるしかないんですよ!
おかみさん、いや、おせいさん!無様に生き続けましょうよ…」
自害を諦め、泣き伏すおせい。
いつの間にかあばら屋の周りには大勢の捕り手が集まっていた。
半兵衛「死んじゃいけませんぜ」
おせい「半兵衛さん!」
半兵衛「じゃあ、これで」
半兵衛は捕り手にわざと見つかり、夜の町を駆ける。
坊主そばに戻った半兵衛はお春に別れを告げることもなく、お金を戸に挟み再び駆けて行く。
半兵衛の気配を感じ戸を開けるお春。
お春「…あんた!」
落ちてくる小判…しかしそこに半兵衛はいなかった。
↑おせいの気持ちも分かるが、無駄死をさせることもできない半兵衛。
↑半兵衛だってお春に絶対会いたいはず。
その気持ちを断ち切るように勢いよく走り去る半兵衛。
⑦ラスト
↑お墓参りをするおせい。
↑お春は二度と戻ることのない亭主を待ち続ける…。
↑半兵衛は生きていた。お尋ね者になってしまったが、強い精神力を持った彼ならば逃げ切れるだろう。
【感想】
必殺の最終回らしくハードな内容でした(名シーンも多くまとめもちょっと大変でした)。
半兵衛やおせいはともかく、一般人であるお春はただ一人取り残され流石にかわいそう…。
でも、ラストでお春が口ずさんでいる歌(歌詞でググったら南部牛追唄という歌だそうです)を、半兵衛も歌っているんだよね。
遠く離れていても、二人の心はどこかで繋がっているのかもしれません。
おせいと政吉も親子であることを分かっていながら、結局最後まで親子の名乗りをできず仕舞い…。
二人は悲劇的な別れを迎えたけど、お互いが役人に正体を明かさず、最後まで仕事屋としての掟を守った意志の強さはすごいと思います。
無様に生き残ってしまった半兵衛とおせい…二人の行く末は果たして??
【おまけ】
↑半兵衛さん、生存確認しました。
↑半兵衛&秀。こうやって見るとすごい豪華な組み合わせだなぁ。
リアルタイムで見たら鼻血が出るほど興奮したかも!
↑一方、おせいさんは主水にえらくご立腹の様子です。
うらごろし、仕事屋と視聴してきましたが、おせい繋がりで次はこれに決まりですね!