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第44回「松浪先生のお言葉」女性の地位が社会的に認められない国は、本当の文明国とはいかないからね。 

2020年06月11日 | 「はね駒」松浪先生のお言葉

トロトロ、マイペースでやっております。「松浪先生のお言葉」

第44回 5月12日

松浪先生、おりんに願い事をする

(松)ちょっと頼みたいことがあるんだ、こっちの仕事がすんだら、あとで来てくれるかい?礼拝堂にいる。

(り)ハイ!行きます!(ウキウキ)

(松)学校の用事で明日、東京へ行く事になっているんだ。これをあの三人(学校を退学になった女学生)に渡してもらいたいんだ、いいかな?(手紙を差しだす)これからもあの三人との連絡は君に頼むことになると思うが・・


(り)ハイ!なんでもさせて下さい。先生やあの方たちにお役に立つことなら、何でもします!(先生に頼まれて大喜び)

(松)有難う、頼むよ(先生も笑顔)

封筒にはもしあの三人が希望すれば、東京のミッション系の女学校に入れるように私が話をしてもいいと書いてあるんだ。
もちろん、あの三人が希望しての話しだし、女学校がうんと言わないかもしれない。私はあの三人が中途半端に学問を辞めてしまう事が、実に残念でね。彼女たちのように物事をきちんと考えられる女性が、この日本には必要なんだよ。彼女たちにはもっと勉強しもっと自分を高めて欲しいんだ。そして、女の可能性を社会に示して欲しいんだ。女性の地位が社会的に認められない国は、本当の文明国とはいかないからね。
あの三人をこのまま放り出してしまうことは、教師としての責任放棄だと思うし、私としてできうる限りのことをしたいと思っているんだ。

(り)してあげて下さい。先生が相談亜一相手になって下されば、あの三人もどれだけ嬉しいか。あの方たちも誰かの助けが欲しいんです。

(松)とにかく明日 私は東京に行く。これを読んで今日中に私に連絡をくれるように伝えてくれたまえ。私は自宅にいる。

(り)はい、今からすぐ行ってきます。

(松)頼んだよ。(といいながら、思わずクラっとする先生。)

(り)先生!どうなすったんですか!

(松)いや、大丈夫だ・・なんでもない。ここのところ、あまり眠ってないから。さ、早く行きたまえ。

(り)はい、あのー こんな大事な事私に話してくださって、私でいいんですか?

優しく笑顔で頷く松浪先生に、おりんは嬉しそうに、


行ってきます!

それを見送る松浪先生、教会の椅子に崩れるように座りこんでしまう。


三人の女学生は、松浪先生の心遣いが心から嬉しく、とても喜んでいる。松浪先生にお任せすれば、きっと良いようにして下さると力説するおりん。

母のやえが、相馬から中河鶴次と一緒に学校に来ていた。母に久し振りに逢って、大喜びのおりん。

久しぶりの母とおりんは、叔父(ガッツ石松)の家に一緒に、一晩泊る事にした。おりんと寄宿舎で相部屋の節子は、一人で寝ることになる。
(り)御免な、一人にして。
(節子)大丈夫よ、一晩くらい。
(舎監の田島ぎん)節子さん、あたしの部屋で一晩一緒に寝てもいいですよ。寝ますか?
(節子)結構でございます!(きっぱり断る)

それを見て、思わず笑いをこらえるおりんと、母のやえ。

 




クラ~っと優雅に椅子に崩れおれる松浪先生、大丈夫ですかっ!

松浪先生のお言葉「女性の地位が社会的に認められない国は、本当の文明国とはいかないからね。」はいこの明治時代から100数十年(※この時は1890年代の後半辺り)、いまだに日本は文明国とは言い切れないようです。

ところで舎監の田島先生は真面目な先生ですが、どっかピントがズレている感じで、暗くなる場面でも、クスリとした笑いを与える役回りです。演じている白川由美さんはとても美しい女優さんでしたが、晩年は意外にコミカルな役柄も演じていました。もちろん二谷友里恵さんの実の母です。

この「私と一緒に寝ますか?」に、即座に「結構でございます」と答える場面は、松浪先生の登場シーン以外では、とてもよく記憶に残っているシーンです。もちろん、白川さんが二谷友里恵さんの実の母であると知っているからこそ、笑えるのです。

私が小学生時代、本棚に母の買ってきた都会のセレブのマダムが見るような、グラビアたっぷりの女性月刊誌がありました。もちろん母は間違ってもセレブじゃないけど、私もその雑誌の美味しそうなケーキや料理のページを、どんな味だろう?と何度見返したことか、憧れた事か✨ 月刊誌には、マロン・ショートケーキの作り方が載っていましたが、まだ昭和の40年代、近所に生クリームなんぞ売ってません、オーブンもない、まさにショートケーキは垂涎と羨望の味、絵にかいた餅でした。田舎じゃバタークリームのケーキしか売ってなかったのよ・・

その雑誌のグラビアに載っていたのが、生まれて間もない二谷友里恵さんでした。ページをめくるたびに何度も見たのが、美しい女優の母と、映画スターの父の両親に見守られた、生まれて1歳になるかならないかの乳幼児の友里恵さん。

という訳で、産まれた時から知っていた二谷友里恵さんと母の白川さん、この親子の芝居「一緒に寝ますか?」「結構でございます!」のやり取りが、いっそう笑えたのでした。この後間もなく郷さんと結婚した友里恵さん「愛されるわけ」あの当時読んだわ~(なかなかカッコイイ女性だと思いました) 今はTVCMをバンバン流している、学習塾のトライの代表取締役なんだそうです。

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