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「キネマの神様」二度見ましょう

2021年08月08日 | キネマの神様、2021年公開

志村けん主演は叶わなかった『キネマの神様』、賛否両論呼びそうだが必見の一作

昨日、三宮の国際松竹で「キネマの神様」を鑑賞してきました。

すでに7月6日の豊中の先行上映会で見ての2度目。あれから一ヶ月もたち、全く新たな気分で神戸国際会館にある、国際松竹で見てきました。残念ですが、ポスターなどの展示はすでに無く、画像はもう3週間も前に、国際松竹の入り口のアプローチで写したポスターの展示

ジュリーほどのキャリアでも、この役を引き受けることは賭けだったんでしょうか。演じるにあたり、志村さんの代役という重圧はあったのでしょうか。

映画が始まると、亡き志村けんさんなら、ギャンブル好きのダメ親父のゴウを、どう演じたのだろうか?志村さんがいつものように軽く、飄々と、でもどこかに影を潜めて、ゴウを演じる様子を想像してしまいます。ジュリー、そこの台詞はもっと抑えた方がいい。そこの台詞はもっとユックリ・・なんて、まるで私は山田洋次監督か!ジュリーの演技につい、ダメ出しなどしてしまいましたわ(^^; ジュリーの声って、いつもながらよく通って、いい声なのよね。ああ、老けてもジュリーや~(^^; なんちゃって。

初めは志村さんを意識し、いつものジュリーも意識し。でも次第にジュリーとダメ親父のゴウが重なっていって、監督を目指し意気揚々としたゴウと、落ちぶれ歳をとったゴウ、かつての華やかに美しいジュリーと、今の古希を過ぎ老いたジュリーが役柄と二重写しに重なって、この役は初めからジュリーの為にあったように思えました。

見るのは二度めなのに、映画愛に溢れた過去パートの些細なシーンや台詞の数々に、あれ こんな素敵なシーンがあったっけ?覚えていなかった(・・;) 心を動かされるシーンを忘れているなんて、前に私は何を見ていたのだろう? 映画が伝えたい事、見せたい事はこれだったのかと、やっと気がつかされたり、半分も過ぎないうちからジーンと心が震えてきました。いつの間にか、涙がにじんでしまいました。最期のシーンは切なかった、ゴウは本望だったのかな。

一度目に見た時には、今の時代に山田監督の人情劇は、ヌルいと感じないでもない・・、という感想も持ちました。ところが今回見て、登場人物それぞれの心の動き、夢、愛情、後悔、友情。それらが、じんわりと心に迫ってきました。映画を一回見ただけでは、まだ見えていないものがある、気がつかないものがあると、つくづく思いました。

一度観た皆様にも、二度目の鑑賞を是非おすすめしたいです!
エンドロールに一番最初に現れる「沢田研二」の名前に心が湧きました、何よりもファンとして とても誇らしく嬉しい✨ 「志村けんさん有難う」の文字には、最後に静かに黙とうをしました。

山田監督がかつての名監督、全ての映画人に贈るオマージュ。見終って盛大な拍手をジュリーや出演者、スタッフの皆様に送りたかった。けれど、静かに音をたてないように、スクリーンに向けて拍手をしました。

金曜日の朝日新聞、夕刊

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