脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

ネット・オークションの匿名性問題

2009年05月05日 20時33分14秒 | 近況
古いプリンターのインク・カートリッジを某オークションで買った。
即決価格600円で落札し、即、出品者宛ての直通メールで簡単な挨拶
とこちらの氏名・住所・電話番号を記し、定形外郵便での送付希望と
ネット決済するので振込先銀行等、知らせて欲しい旨通知を出した。

ネット・オークションでは、落札者に自動送付される「落札通知」と
いうメールがすぐに来るのだが、この出品者は、そこにあらかじめ
落札後の手順と、いくつかの振込先金融機関、口座番号、口座名義、
発送はヤマトの「宅急便」によること等の文面が埋め込まれていた。

落札者が自分で宅急便料金を調べて、落札代金に加算して振り込む
ようにとあるが、商品の重量さえ記されてないし、
メール文面で、この出品者は、自分の氏名しか明かさず、
口座名義の名前(カタカナで書かれていた。)とも別の人である。

私はすぐに、オークション詐欺を思い浮かべた。

このオークションの「トラブル口座」と出品者の口座が照合するか、
調べてみたが、ブラックリストではなさそうである。
不思議なのは、評価ポイントには三桁の数字が並んでおり、
マイナス評価が一点のみである、ことであるが・・・、
宅急便料金を調べたら、740円もかかり、商品代金よりも高かった。
商品は軽い物なので、定形外郵便で200円程度だろうと思われる。

入札時の条件では、定形外郵便または宅急便と商品説明欄に記さ
れてあり、なぜ経済合理性のない「宅急便」に限定するのか、また
ネット取引は匿名性が高く、自己責任の取引である、お互いに信用
を担保する意味でも、氏名・住所・電話程度の基本的な属性情報は
交換して欲しいと連絡してみた。

半日経過して連絡が来た。

氏名・住所と携帯電話番号が末尾に記された書式フォームで、
入金の確認後、定形外郵便で送るので、商品代金に「送料等」と
して250円を加算した850円を指定口座に振り込んで下さい、
宜しくお願いします、という内容だった。

この人は、中古ショップでも経営していて、副業に宅配便の荷受を
しているのでは? と私は疑ってみている。
自分は何処かに隠れてこちらの様子を覗っていたかのようで、
後出しジャンケンされたような気分でもあり、
何となく不快な後味がしている。
(お金は振り込んだので、後はモノがちゃんと届くかである。)


このような人物を相手にしてみて、ふと民法ではどうだっけ、と気
になった。買うという意思表示をしたのは私だが、相手が素性を明
かさないままであった場合、落札時に遡及して取引の取り消しなり
法的に可能だったっけ? 

手許の古い民法解説書では、やはり解答がなさそうである。
ネット商取引の匿名性の問題なんて、民法の債権者・債務者では
想定されていないのだから、仕方がないが、この当たりの問題は、
現行法ではどのように法的構成なり運用が整理されているもんだろ
うか。10年以上も不勉強ですぎている頭なので、分からない。

ネット・オークションについては、特定商取引法の適用があるが、
「事業者」に限定されており、経済産業省のガイドラインによれば
販売価格と並んで送料も明示事項となっているようではある。

私が問題を感じたのは、取引相手が素性を開示しない、或いは偽っ
た場合の対応なのであるが、今回のケースで、私はもし相手が匿名
を続ければ、契約を「取消し」とし、取引の不成立ではなく、契約
そのものが意思表示(取引の申込み)の当初に遡って不存在であると
主張しようかと考えてみた。

このような不透明な商取引は、公序良俗にも反して公正ではないの
で、落札者は法的に「取消し」をする権利があり、その責めを負う
のは出品者である趣旨の通告をして、キャンセルをするハラ積もり
であった。そうした場合の相手の事後の嫌がらせ等の出方も気にな
るが、オークション主催者が仲裁に入ってくれるシステムも必要な
のではなかろうか。

(どうも、長過ぎましたね・・・。 最後まで読んで下さった方、
 ありがとうございました。もう、風呂入って寝ます。)








最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。