脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

屋根の上の、生命体の話。

2013年05月18日 22時08分42秒 | 近況
父親の古い知り合いが、家の屋根を見てくれるというのでお願いした。
屋根の修理って、大工とか鳶職かと思ったが、この方は、板金屋さん
である。板金業は金属加工業では? どうして屋根修理が出来るのか?
と不思議に思うのは、世間知らずなのかもしれない。

板金業には、「板金加工」と「建築板金」とがありそうで、前者は
金属加工だが、後者では、建物の外装や屋根板の張替えをする、建築
業の仲間らしい。そこで、自宅の屋根に登って貰ったら、ツタが瓦に
張り付いて、繁殖しているという話だった。

表題の生命体とは、ツタのことなのだが、ツタは地面に根を張って家の
壁面を這い上り、屋根にまで達している。それは知っていたが、だから
引っこ抜いたり、茎を切断し枯らしてあるのだが、驚いたことに、屋根
の上で、しっかり自生しているという。

どうやら、根を絶っても、雨樋の残り水に根を付けて、屋根の上で自活
しているらしい。そんな逞しい生き物とは、知らなかった。ツタ如きで
はあるが、不気味な生命力である。屋根の上でもサバイバルできる生き
物なのである。スゴイと思う。私は、ダルマの目が開く思いがした。

屋根のツタは駆除しようにも、屋根瓦にへばりついて取り難いらしく、
板金屋のおじさんも、アイツ等は、暑いときにはジッと我慢していて、
雨が降ると水を蓄えて凌いでいるんだろ、とか言ってた。その口振りは、
まるで、ツタに人格だか意思があるかのようである。

地面から根を絶たれたはずのツタが、実は、屋根の上で生き延びている!
何だか殺しても死なずに人間に襲い掛かる、恐怖の生命体じみていて、
ホラー映画の不気味な、ゾンビ植物めいて、少しゾッとした。

生き残るということは、植物でさえ、このように不逞ぶてしくタフで
したたかな業なのだ。平和ボケした我々の方が、考えが甘いと思った。
身近な小さな自然にさえ、「生きている」という事実の裏側には、
過酷なサバイバルがあることを、改めて思い知らされた。




最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ご無沙汰しています (とちの木)
2013-05-20 20:38:16
どうも、お久しぶりです。久々のコメントです(^_^;)
「屋根の上の生命体」とのことで、もしや高齢のお父上が屋根に上って何か屋根修理でも???と思ったら、ツタのことでしたか(^_^.)
「生きている」だけで素晴らしいと言った方がいますが・・・
「生きている」だけで様々なサバイバルがあるのですね~
どうなんでしょう?「人間」は英語でhuman being ・・・
何かをするのではなく、ただ「在る」だけでいいのだ、というお話を聞いたことがありますが、ただ「在る」だけでも、そこには過酷なサバイバルがあるのでしょうね。。。
でも、「生きている」だけ、というのは何だかさびしい気がします。生きているだけで、それはそれで尊いことなのですが、欲張りな人間はそれ以上のものを求めてしまいます。私もその一人なのですが・・・

なんにせよ、生きていくのはどうあっても大変なことですね。
私も明日また頑張ります。

では、お久しぶりのコメント失礼いたしました。
またお会いしましょう(*^_^*)
返信する
ウン、お久しぶりですね。 (Rondo(ウェブ・ネーム表記変更))
2013-05-20 21:11:43
とちの木 さん。

どうも、ご無沙汰しています。
改めてhuman being という英単語を見て、being って、
在り続けているというよりも、「持続した自意識を持つ」と
いう意味のように思えてきました。
ツタは英語で、ivy ですが、きっと我が家のツタは、
ivy being な不気味なヤツなんです。
一家三人、ツタに喰われる夢でも見そうです。
(Rondo)
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。