脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

モノへの時代精神。

2019年05月24日 21時48分56秒 | 近況
親の遺品・残置物の整理中である。母の着物や帯がようやく処分出来
た。親類のおばさんが着物を見立て売れそうな品をタンスに残して、
バイヤーを手配してくれた。ついでに私の記念切手やテレホンカード
も売った。掛け軸や置き物等もあったが、値が付かないという。

結果、帯・着物が4000円、切手・テレカが3000円で、総額7
千円にしかならなかった。帯は選良して20本以上はあったろうか。
切手は額面の2割、テレカは1割程度の買値である。つまり、500円
の未使用テレカ1枚の買取価格は50円である。切手にしても額面
価格で使用出来るのにカネに換えると、2割弱の価値でしかない。

古物の売払いって、全くカネにならないことが分かった。小学生の頃、
趣味で切手収集をしていたのを、中学生になって切手商に記念切手を
持ち込んで売ったことがある。買取価格は額面の8割位だった。子供
だった私は、切手の買値は当然最低額は額面金額であると思い込んで
いて、額面割れすることに驚いた。だって記念切手は価値が付いて額
面以上の値段を付けて切手商は売っている。私はそれらを通販等で買
っていた訳である。

一般素人がモノを売るとき、余程珍しいレア物以外は、捨て値でしか
プロは買ってくれない。いや値が付いて買ってくれるのなら良い方で
ある。過日に母の三味線と私の生ギターを売ろうと、私が招じた楽器
系の古物屋は、どちらも値が付かないと、手ぶらで帰って行った。

3年前に亡くなった父の机の引出しに、やや大量の小銭が眠っていた。
皆1円・5円.10円である。数えるのも面倒なので、信金に電話で金
額不明でも窓口で入金出来るか尋ねたら、出来るという。早速に持ち
込んだ処、3790円あった。多分小銭を持ち歩くのが面倒なだけで、
父が残した小銭が、買うに数百万(もしかしたら、1千万以上)も支払
ったであろう、母の帯・着物を売って得た金額と大差ないのである。

(カネとか、モノの価値って、一体何だろう。この現実感!)

親の遺品・残置物整理で、モノを売ろうとするのは、労ばかりで益が
ないので、もう止めようと思う。一般庶民の財力で買った家財や趣味
のモノなど、売ってもたいしたカネにならないのが、常識らしい。
時間の無駄、くたびれ儲けである。モノなど出来るだけ買わないに限
る。捨てる・売る労力と費用、手間や時間も考えて最低限を買う、買
い替えることが、処世であり時代精神なのかなと、つくづく思った。

追伸:所詮は「庶民の財力で買った家財」であるが、今日、某買取サ
   イトにエレキギター(グレコ・80年代モノ)とエフェクター2点
   と、マンガ本2箱を買取依頼したら、3万円近い値で買取って
   くれた。ギターは昔5~6万で買ったような気がするが、
   良い値がついたレアなケースだろうか。


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