脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

風呂難民。

2014年12月07日 13時04分21秒 | 社会時評
今朝はやけに冷えた。1月並みの寒波か、この冬一番の寒さだった。
駅前にある郵便局のATM・ボックス(1人用)に行ったら、誰もいない
と思ってドアを開けたのだが、小柄なバアさんが一人、隠れるようにし
て居たようで驚いた。どうも暖を取っていたみたいだった。

実はこのバアさん、近所のボロ・アパートに住む顔見知りのヒトだった
のだが、冬の寒さをしのぐに困っているのだろうか。道端ですれ違うと
互いに挨拶程度する顔見知りで、普段元気そうに振舞っているのだが、
生活にそれなり困窮しているのかもしれない。

昨日、自転車で走っていたらまた風呂屋が取り壊されていた。永い間、
御愛顧をありがとうの手書きの張り紙がしてあった。近隣で5軒はあっ
た銭湯は皆絶滅してしまった。先程のバアさんもそうだが、家に風呂の
ないヒトビトは、今後どうするのだろうか?

多分、バスにでも乗って風呂屋に行くのだろうが、行く回数も減らすの
だろうと思う。師走になると歳末助け合いだので、町内会が一戸当たり
500円の募金を強制的に徴収するのだが、困っているヒトの姿をどう捉え
てどう助け合っているのか、さっぱり分からない。

政治もマスコミも、経済の好循環だの株高・円安がどうのと言うが、風
呂なしアパートに住む貧しい年寄りの、生活の実相に少しでも想いを馳
せた言葉を聞くことはかなり少ない。(新聞は時折、このような問題を採
り上げる気はするが。)

我が家では先頃、風呂釜が老朽化したので全面改修して浴室暖房も完備
した。費用は一括現金払いで45万円掛かった。一戸建てに住む年金生
活のお年寄りだって、カネがなければ風呂は壊れたまま使えないだろう
し、風呂難民になる可能性はあるのだ。

今後日本の企業経済は、勝・負に二極化しつつ景気全体はそれほど良く
はならないだろう。賃金はさほど上がらず、それ以上に税と社会保障の
負担が重くのし掛り、生計は苦しくなろう。蓄えは貯まらず、年金も減
らされる方向なので、老後も生活苦とさらに病苦も加わり生活難民化す
る。そんな生活実態が広範化するのではないかとも想像される。

いくらか楽が出来、笑っていられるのは、今のうちである。冒頭の、寒
い冬の朝に、無人のATMで暖を取っていた老婆を、誰も笑えなくなる
日が来るまで、そう遠くはないと思っている。




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