脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

Beatles幻想。

2010年11月06日 22時01分48秒 | 音楽
ジョン・レノンは先月で生誕70年、今年没後30年になるようだ。
ここ数日ビートルズの「アンソロジー(1~3)」CDを聴いていた。
若い頃のジョンの歌声を聴くと、気持ちがいきいきしてくる。

私は、今でも部屋にA1サイズのビートルズ・ポスターを張る程に、
彼等のファンなのだけど、ビートルズの魅力とは、楽曲やハーモニー
の上手さやら、ルクス等はさて措いても、この陽性の元気の良さ、
「若さ」と「自由」を体現しているプレゼンスにあると思う。

「アンソロジー」というレコーディングのクズのような演奏を聴いて
いても、彼等の陽気さは相変わらずである。歌の途中にジョンは何度
も笑い出して演奏が止まるし、レコーディングだか遊んでいるのか、
分からない。彼等は、何だか楽しくて仕方がないようだ。

20代の、最も若さとエネルギーがあった頃、ヒトは誰もがビートルズ
のようであった。いや、それはウソ、無理かもしれない。だが、誰も
がそうで有り得た年代なのだ。彼等が特別ではないはずだ。

四人は揃ってイギリスの田舎、リヴァプールという港町の出身である。
さほど裕福な出身でもなければ、50~60年代という、時代もまだまだ
貧しく暗い世相で、今のように華やかで豊かではなかった。

そんな背景と併せて考えてみると、ビートルズという四人の若者の、
自由で快活なプレゼンスが、どこから、どのようにして湧き出てくる
ものか、不思議である。彼等の、人々を熱狂させた、オーラのような
輝きは何によっているのだろうか?


ビートルズは、60年代後半からジョンが内省的、思索的に心変わりし
てから音楽的にも風貌等の外見的にも、大きく変貌したように思う。
初期ビートルズのようなのびのびした陽気さから、落ち着いた重厚感
のあるサウンドやいぶし銀ないでたちへと移行し、またグループとし
てのまとまりよりも、メンバーが各自自分の道を模索し始める。

ところで「アンソロジー」のような、レコーディング風景的なCDは
ビートルズ・ファン以外には魅力はなかろう。昔のバンドのレコーデ
ィングの作業クズような音がCDとなり、商売が成り立つロック・ア
ーティストは、ビートルズと若くして死んだジミヘン位だろうか。


1962年、夜明け前のビートルズ。
デッカ・レコードのオーディションに不合格となり、ジョージ・マー
チンに呼ばれて再度ロンドンへ。6月、アビーロードのスタジオで録
音された「Love Me Do」は、ドラマーがピート・ベストだった。
いまだ明け切らぬ闇にでも響くかのような、ジョンのハーモニカ。

レコード・デビューそして、ヒットチャートを駆け上るビートルズ。
踊るように「抱きしめたい」を歌っていた頃のジョンやポール。

歌声と演奏、彼等に初めて出会い、彼等に熱狂する若者たち。
私にはリアル・タイムの記憶も体験もないのに、どうしてか、
自分の若き日々の出来事かのように、彼等がとても懐かしく、嬉しい。




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