私は薄暗く埃っぽい倉庫だか、洞穴のような場所にいた。辺りを良く見
回すと、そこは駅だった。私は、急いで遠方に旅立たねばならないこと
を思い出し、間に合うかどうか不安になっていた。
改札らしきゲートがあり、昔風の学生服を着て学帽を被った黒縁メガネ
の男が、手に切符切りのハサミを持って立っていた。男は野球マンガの
「巨人の星」に出てくる「左門豊作」によく似ていた。
私は券売機に小銭を投入して、切符を買おうとするのだが、何度やって
もおカネが中に入らず機械の外に転がり出てしまう。隣に女子中学生が
いて、ここの機械は壊れているのです、と教えてくれた。
そこで私は、改札の駅員左門豊作から直接切符を買うことにした。改札
の向こうを覗くと、全く洞穴そのものだった。こんな場所に電車が来る
とは思われないのだが、ここは駅なのだ。
改札の男は、私から小銭を受け取ると、こっちを睨みつけながら切符を
手渡し、ここから乗るで、本当にあなたはそれでいいのか? とメガネ
越しに細い目をきらめかせ、念を押すように尋ねてきた。
私はここから乗らずに何処で電車に乗れるのかと思ったが、その先の洞
窟の、この世のものとは思えない薄気味の悪い、無機質の暗さに、ここ
は「あの世」への改札口ではないかと唐突に合点すると、目が覚めた。
回すと、そこは駅だった。私は、急いで遠方に旅立たねばならないこと
を思い出し、間に合うかどうか不安になっていた。
改札らしきゲートがあり、昔風の学生服を着て学帽を被った黒縁メガネ
の男が、手に切符切りのハサミを持って立っていた。男は野球マンガの
「巨人の星」に出てくる「左門豊作」によく似ていた。
私は券売機に小銭を投入して、切符を買おうとするのだが、何度やって
もおカネが中に入らず機械の外に転がり出てしまう。隣に女子中学生が
いて、ここの機械は壊れているのです、と教えてくれた。
そこで私は、改札の駅員左門豊作から直接切符を買うことにした。改札
の向こうを覗くと、全く洞穴そのものだった。こんな場所に電車が来る
とは思われないのだが、ここは駅なのだ。
改札の男は、私から小銭を受け取ると、こっちを睨みつけながら切符を
手渡し、ここから乗るで、本当にあなたはそれでいいのか? とメガネ
越しに細い目をきらめかせ、念を押すように尋ねてきた。
私はここから乗らずに何処で電車に乗れるのかと思ったが、その先の洞
窟の、この世のものとは思えない薄気味の悪い、無機質の暗さに、ここ
は「あの世」への改札口ではないかと唐突に合点すると、目が覚めた。