坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

ミラノ ポルディ・ぺッツオーリ展 美しき貴婦人の肖像

2013年12月28日 | 展覧会
来年の展覧会の案内が届いています。その中で、4月から開催されるタイトルの美術館展は、質の高さと気品で魅力のある内容です。
1981年にミラノの大聖堂の近い中心地で貴族の邸宅を美術館として開館しました。
行かれた方もいらっしゃると思います。
名門貴族の情熱が伝わるような質の高さがあります。
その中で、当美術館の顔とも言うべき作品が、ポッライウォーロの「貴婦人の肖像」(1470年頃)です。雲がところどころに描かれた澄んだ青い空を背景に、15世紀流行していた横顔のスタイルで細く黒い輪郭線で描かれることにより、女性がはっきりと浮き上がってみえます。身につけている衣装やジュエリーなどから、フィレンツェの高貴な人物と推察されますが、まだはっきりとした人物の確定はできていません。
繊細優美な技巧の数々が楽しめます。
その他に、ボッティチェッリの「キリストの哀悼」、近年、ラファエロの初期作品とも認められた「フランチェスコ会の聖人が描かれた行列用十字架」、調度品など約80点が出品されます。貴族の邸宅に招かれたひと時を味わえることでしょう。

◆Bunkamuraザ・ミュージアム/4月4日~5月25日
 あべのハルカス美術館/5月31日~7月21日

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