写楽 役者は揃った。

歌麿と同等に世界でもっともよく知られた日本人絵師、写楽。浮世絵の制作期間はわずか10か月足らずで忽然と姿を消した謎の絵師としても有名です。役者絵の見栄をきった表情のポートレイト。大首絵といわれて絶大の人気を誇りました。
掲載作品は、「三代目大谷鬼次江戸兵衛」　寛政6年（1794年）大判錦絵　アメリカ・メトロポリタン美術館蔵
写楽の版画は海外に流出した作品が多く、本展では世界各国の美術館の協力のもと、百七十点以上、それ以外にも同時代の関連する浮世絵の作品、資料などを展覧、空前絶後の内容となっています。極端にデフォルメされた顔の表情と手の動き、省略化された線と明快な色彩の配置、世界でも人気の高い日本の現代のアニメの元祖のような勢いのあるインパクトは、当時の西洋の人々も驚いたことでしょう。
歌麿とは違って鷲鼻が特徴で、美人画も女形を意識したような骨格で対象の特徴をつかんでいます。
当初は、4月5日～の会期を予定していましたが、東日本大震災により、会期が変更になりました。

◆特別展「写楽」／開催中～6月12日／東京国立博物館　ハローダイヤル03-5777-8600