
賑やかな『ビンクスの酒』の大合唱が終わり、ブルックが言った。
「かつて仲間と共に命いっぱいに唄ったこの唄・・・ルンバー海賊団”最期の大合唱”。
暗い暗い霧の中を一人彷徨った50年間、何度聴いたことでしょうか・・・、一人ぼっちの大きな船で、この唄は、唯一、私以外の命を感じさせてくれたのです。
しかし、今日限り、新たな決意を胸に封印します!!



ラブーンが元気だとわかった、影も戻った、魔の海域も抜けた、これはもう私一人が昔を懐かしむ為の唄ではなく、ラブーンに届ける為の唄!!
辛くない日などなかった・・・希望なんて正直見えもしなかった・・、でもねルフィさん、私!!!生きててよかったァ!!!!
本当に生きててよかった!!!今日という日が!!やって来たから!!!」

「あ、私仲間になっていいですか?」
「おういいぞ」

また、ブルック歓迎の大宴会が再会された。
ブルックは改めて自己紹介をした。
「通称”鼻唄のブルック”、懸賞金3千300万ベリー!!昔、とある王国の護衛戦団の団長を務め、その後、ルンバーか遺族団船長代理”音楽家兼剣士”。
今日より麦わらのルフィ船長にこの命!!お預かりいただきます!!骨身を惜しまず頑張りますっ!!ヨホホホホホー!!」
その頃、双子岬のラブーンは、なぜかいつもと違ってゾクゾクとした感じでルンバー海賊団の事を思い出して上機嫌だった。
ラブーンは、あの唄を唄った。
ブオオオオオ!!!ブオオオオオ!!!と声いっぱいに唄って、ブルック達の帰りをクロッカスさんと一緒に、今日も待ち続けた。


2日後。ブルックは船に積んであった仲間達の墓を、フランキーとウソップに作ってもらって満足していた。
スリラーバークは、ブルック達の故郷”西の海”からやって来た島であるのも、気に入った理由だった。

ブルックは墓に向かって一人、音楽を供えていると、ゾロがやって来て名刀『雪走』の供養をすると手を合わせた。
ブルックはゾロとくまとの事を知っていたが、あえて何も言わなかった。
「あの・・・そうだ私、一味に入れて貰いました」
ゾロは「へぇそりゃ運が悪かったな、この一味は手を焼くぞ?」と言ってブルックに笑いかけた。

別れの日、ローラは親友ナミに私達は姉妹分だからと、『ローラ母のビブルカード』を千切って手渡してくれた。
ローラは「新世界」生まれで、『ビブルカード』は新世界にしかない物で、自分の爪を練りこんで造られた特殊な紙で、別名『命の紙』とも呼ばれる。
それを、離れていく家族や恋人に破った一部を持たせると、離れたカード同士は世界中どこに居ても引き合うから、相手のいる方角がわかる、というものだった。
ローラの母親は新世界で名を馳せた大海賊らしく、きっと今後何かの役に立つはず、とローラはその紙に自分のサインをしてくれた。

ルフィはそれを見て、エースから渡された紙を思い出して取り出してみると、エースのビブルカードは燃えたかのように縮んでいっていた。
それを見たローラは叫んだ。
「気の毒だけど、この人の命はもう・・・!!消えかけてるわよ!!!」

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