
元神ガン・フォールが神であった頃、彼はいつも悩んでいた。
悪は、我々ではないのか、と。

「スカイピア」と「シャンディア」は、400年前の”ある時”から因縁の戦いを続けていたが、シャンディアの者達は、スカイピアの人々に”奪われた”故郷を取り返そうとしているだけのこと。
だが、現在のスカイピアの暮らしには、シャンディアから奪った「神の島アッパーヤード」の大地の恵みをなくしては暮らしていけなくなっていた。
現在のスカイピアの者達は、自分達の先祖から引き継いだ恵みを守っていくことが使命となっている・・・。
互いに敗北を認めるには、400年の月日は長過ぎたのかもしれない・・・・。
戦いの正義とは何で、悪とは何なのか、月日はそれをかき消した。
神が交替して6年、現在のスカイピアの正義は、"神・エネル"の意志であり、それに従うことであった。
"神・エネル"に逆らう者が悪。
マッキンリー大佐率いる神兵隊の一つ「ホワイト・ベレー部隊」は、"神・エネル"を信じる事で保障される平和を守るのが任務であった。
今のスカイピアの人々にとって、神を冒涜したガン・フォールとパガヤ・コニス親子が”悪”であった。
"神・エネル"はサバイバルゲームで唯一残ったナミを連れて、遺跡の奥へと歩いて行く。
ナミは万が一の事態に備えて、古代ウェイバーを引きずりながら、エネルについて行った。
着いた先でナミの見たものは巨大な空飛ぶ船であり、その規模の大きさに、ナミは愕然とし絶望を感じた。

エネルはナミの絶望に構うことなく、楽しそうに船を紹介した。
「方舟マクシム!!!この船で我々は"限りない大地"へ到達する!!!!ヤハハハハハハ!!!」
エネルは、シャンドラの黄金を見つけた事で、有り余る電気エネルギーを物質に伝達できる手段を得たのだった。
黄金を媒体とし、エネルの発する"雷"を動力として空を飛ぶ船である。
その頃、遺跡で倒れていた大蛇から、やっとの事でルフィとアイサ、そして鳥馬ピエールが脱出を果たした。
大蛇の中は【心綱マントラ】も、雷も通さない為、中の3人は無事であるも外で何が起こっているのかは、さっぱりわからなかった。

やっとの事で外に出たルフィは喜びの第一声を発したが、目に入ってきたのは、真っ黒こげになって意識をなくしたゾロとロビン、チョッパーと変な騎士の姿だった。

アイサの方も、真っ黒こげで意識なく倒れているワイパーを見つけて泣き叫んだ。
ルフィの声に気付いたロビンが、かろうじて意識を取り戻してルフィに告げた。
「・・・航海士さん・・連れて行かれたわ・・・。このままだとこの国は・・スカイピアは消滅してしまう・・・。
空にいる全ての人々を地上に還すとエネルは言っていた。そして、エネルは必ず"黄金の鐘"のある場所に現れるわ・・・」
泣き止んだアイサが言った。
「あたいわかる!!!この島で"声"が二つ動いている。きっとナミとエネルだ!!!」

ルフィはアイサに「おれをそこに連れてけ!!!」と言ったその目は、本気だった。

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