
大型ライオンにはじき飛ばされたルフィが、傷一つなくぴんぴんで生きていることに町長とナミは驚愕した。
プードルさんが「お前ら、この町に来た目的は何だ、なぜあんな海賊と関わる?」と聞いた時、ルフィはつい先ほど決めた目的を答えた。
「グランドラインの海図と、航海士を得るためだ!!」
元々は、鳥にくわえられてこの町に落ちてきただけだった。
ルフィを弾き飛ばした後、ライオンはペットフード屋を見つけて店を襲撃し、シュシュは、その獰猛なライオンと闘っていた。
ライオンの狂暴な爪に何度はじきとばされても、体が傷つき血が流れようとも決して諦めることなく、シュシュはライオンに立ち向かい続けた。

シュシュは、戦いながら思い出していた、この店が開店した日の事を。
商品が売れずに二人で悩んだ日のこと。
商売が軌道にのり、二人で喜んだ日のこと。
そして入院の日に、この店の店番を頼まれたこと・・・・、シュシュの愛するもの全てはこの店に詰まっていたし、"約束"はこの店がある限り、生き続けているのだ。
だが、どんなにシュシュの思いが強くとも、ライオンとの力量差は歴然としていた。
ルフィが、プードルさんと別れて表通りに来たとき、犬の悲しい鳴き声が聞こえてきた。
シュシュが、燃え盛るペットフード屋の前で泣いていたのだ。

シュシュの宝は、今、目の前で灰になろうとしていた。
守りきれなかった形見を、守り切れなかった約束に、シュシュは泣いていた。
そのシュシュの悲痛な泣き声を、ルフィは黙って聞いていた。

そして・・・怒りを全員にまとったルフィは一人、モージの前に立ちはだかった。
その迫力にびびったモージは、あっさり「ごめん!」と謝ったが、ルフィの怒りは解けない。
「もう謝んなくていいよ、今更何しようと、あの犬の宝は戻らねェんだから・・・。だから、おれはお前を ぶっ飛ばしに来たんだ!!!」怒れるルフィの拳に、モージは一撃で沈んだ。


ルフィがシュシュの店に戻ってきた時、火は消え、店は跡形もなく灰になっていた。
ナミは、燃え崩れた店の前で、海賊に対する怒りに震えていた。
「どいつもこいつも、海賊なんてみんな同じよ・・・・!!!人の大切なものを平気で奪って!!!」ナミの怒りは、ルフィにも向いた。
「あんたが海賊の仲間集めて町を襲いだす前に、ここで殺してやろうか!!」
今にもルフィに殴りかかろうとするナミを、プードルさんが必死で抑えた。
ルフィは無言でナミの横を通り過ぎると、シュシュの前にペットフードを1つ、置いた。
「これしか取り返せなかった!あと全部食っちまいやがってよ、よくやったよ、お前は!よく戦った。まぁ見ちゃいねぇけど、だいたいわかる!」

そこでようやくナミは、ルフィがシュシュの為にライオン使いと戦ってきた事を悟って黙った。
シュシュは、最後のペットフードを口にくわえると、避難所の方へと歩き出した。
途中、振り返ってルフィに「ワン!!」と元気に吠えた。
ルフィは笑顔で「おう!!お前も頑張れよ!!」と応えた。
だが、脅威はまだ残っている。
モージの敗北を知ったバギーは、"特製バギー玉"をありったけ集めて、この町ごと吹き飛ばすと言い出した。
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