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眺めのいい部屋

人、映画、本・・・記憶の小箱の中身を文字に直す作業をしています。

2011年に観た映画 (劇場での外国映画編)

2012-05-13 19:03:12 | 映画1年分の「ひとこと感想」2006~

『彼とわたしの漂流日記』(監督:イ・ヘジュン 2009 韓国)

2011年に初めて観た映画がこれ。ソウル市内の漢江に浮かぶ無人島(ソンナモノがあったんだ~(驚))でのサバイバル男と、それを見下ろすマンションの“引きこもり”女?のラブ・ストーリー。シリアスなのにギャグ満載。テーマはリアル?で、演出はちょっとファンタジー。韓国らしい熱気もあって、とても面白かった1本。(考えついた人、エライ!)

『アンストッパブル』(監督:トニー・スコット)

とにかく猛スピードで突っ走る「爆弾列車」の重量感がモノ凄い!! 先に観てきた家族に勧められて観たのだけれど、メモには「こういう臨場感!は年1回で十分かも~」などと(笑)。
印象的だったのは、人々がごく自然に口にする「あなたなら出来るわ!」という台詞。「あなた」が「君」「パパ」などに替わって、励ましの言葉として何度も出てきて、アメリカだな~とでもいうような感慨が湧いた。(日本人だと、あれほど信じ切ってある種カジュアル?には言えない気がする。だってほんとに命がけなんだよ、本人たちは・・・なんて。)

 『ウォール・ストリート』(監督:オリバー・ストーン) "Wall Street:Money Never Sleeps "

「学者・ゲーマー・ギャンブラー」というタイトルで感想を書こうとして白紙のままになったのが、下書きファイルに残っていた。私には、ゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)というウォール街人種は、その3つの職業を兼ね備えているように見えたのだろう。映画としてはとても面白く、前作『ウォール街』(同監督 1987 Wall Street )が観てみたくなったのを覚えている。
それにしても、こういう人種の家族っていうのはどうしたらいいものなんだろな~。投資家たちが夢中になるゲーム(ギャンブルでもある)の面白さが、なまじ私のようなド素人にもわかるような映画の作りになっているだけに、恋人だの娘だのの「割り込む余地の無さ」?を、ある種当然のことのように感じてしまった。(なんだか「依存症」患者とその家族を見ているような気も。今の時代、世界経済がこういう人種によって大きく影響されるということの異様さ(奇矯さ?)を、先進国の上層部はいつまで放置しておくのかなあ・・・などなど、物語以前のことをあれこれ考えたのも思い出す。)

 『ザ・タウン』(監督:ベン・アフレック)

『ウォール・ストリート』と同じ日にハシゴして観た。(こちらは「“家業”は強盗」というタイトルで感想書こうとしてそのままに~。)メモには「色々な意味で対照的な2本だった。」とあるけれど、物語の細部はほとんど思い出せない。
私が覚えているのは、この映画の舞台であるボストンという街が、全米有数の銀行強盗多発地域であって、(「家業」というのは言い過ぎかもしれないけれど) 「親子代々銀行強盗の手口を磨き上げ、伝えていく」ような人たちがいるというのも、全くの作りごととは言えないらしい・・・と、知ったときの驚きだ。ボストンを、単純に「古くからの上品そう?な街」というイメージでしか知らなかった私は、しばし呆気に取られた。
もう「芸」と呼びたくなるような見事な手順で進行する「銀行強盗」作業を感心しながら見ていたけれど、主演も兼ねるベン・アフレックの葛藤や焦りの滲む表情が妙にリアルで、「家業を継ぐっていうのは、いつの時代も若い人にとっては難儀なモンなんやなあ・・・」などと思った記憶も。(それにしても、ラストはホントにあれでいいのかなあ・・・。)

  『ソーシャル・ネットワーク』(監督:デヴィッド・フィンチャー)

メモには何も書いてなくて、「ヒトがモノ?に見える人」というタイトルだけが、やはり下書きファイルに残っていた(笑)。主人公マーク・ザッカーバーグ(フェイスブック創始者)を見ていて付けたタイトルだったけど、別に貶している訳ではなくて、むしろ彼以外のハーバード学生たちの方が私自身は苦手。
こういう映画を見ていると、世の中のヘンテコリンさ(実際は私自身のヘンテコさと言われそう)?に、私などはため息が出てくる。きれいにサル山構造を形成しているかのようなエリート学生たち、彼らの回りに群がってくるという?名門女子大生たち、「合法的」に利益が吸い上げられるなら何をしても構わないかのようなビジネス上の人間関係、そもそもそれを許容しているのであろうアメリカ社会(どこも同じかな?)自体、私にはある種異様な風景に見えてしまう・・・。
でも、富裕層出身じゃない者が「成功」しようと思ったら、これくらいじゃないとダメなんだろな~とも思うので、ナマケモノでボンヤリな私は余計にため息が出るのかも。(映画の冒頭、主人公が大学構内を走っていく夜のシーンが好き。あとはただ・・・人の顔ばかり眺めていたと思う。IT関係に疎くても、それで十分見飽きなかった。)

『ヒアアフター』(監督:クリント・イーストウッド)

この映画を観たのは2011年2月のこと。まだ東日本大震災の前だったので、あくまでフィクション(ファンタジーに近い?)として観ていたのを思い出す。死者と対話できる「霊能者」の話でもあるので、私自身はそれほど興味を持って観に行った訳ではなかったけれど、この監督の手にかかるとどんな設定の脚本も「人生の深淵」を垣間見させる、しかも「観て面白い」作品になるんだな~と感心した。(料理教室でのワインの実習場面とか、単純で悪気のない主人公の兄貴とか、笑いを誘う場面もあって、しかもテーマのシリアスさとちゃんとマッチして見えた。帰宅してから調べてみたら、「ヒアアフター」は「これから先」といった意味の言葉だけれど、今の場合はそのものずばりで「来世」の意とか。ちょっと 驚いたのも覚えている。)

 『英国王のスピーチ』( 監督:トム・フーパー)

アカデミー賞を主要部門(作品・脚本・監督・主演男優)で受賞したというのがなんだか不思議な気がした。この王様は確かにとてもチャーミングな人だとは思うけれど、(国民をナチスとの戦争に駆り立てる)スピーチが上手くできるかどうかに、私はそこまで注目する気になれなかったのかも。
私は(演説下手で有名?な)日本人で、そもそもスピーチというものの重要性をあまり意識していないということもあるのかな。「言葉」というのは、「その内容と誠実さが問われるもの」であって、むしろスピーチの「上手さ」に対する警戒感の方は強いのかもしれない。(「内気な王」を演じるコリン・ファースの台詞が英国流ユーモアに富んでいて、少しでも聞き取ろうと「一生懸命耳で追いかけた」自分としては、王様の吃音は味方?だった気も(笑)。)

『ツーリスト』(監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク)

メモには、「アンジーさん、ちょっと痩せすぎ~。ジョニ-・デップはどうしてあんなに表情が無いのかなあ。疲れてたのかしら・・・などなど、どうでもいいようなことばかり眼についたけど、それでもヴェニスの風景を旅行気分でぼ~~~っと見ているのは気持ち良かった(笑)。」などと。(『ナイト&デイ』とはまた違った、もっとゆっくりでレトロ感あふれる「スター映画」で、ラストのどんでん返し(なんて言葉が似合う感じ(笑))が鮮やか!)

『闇の列車、光の旅』(監督・脚本:キャリー・ジョージ・フクナガ 2009 アメリカ・メキシコ)

若き日系アメリカ人監督の才能はよくわかるんだけど・・・(受け止める器量もエネルギーも足りない自分~なのかな?結局)。

http://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/2aa0817c919380a173ab4b753367c9a9

『塔の上のラプンツェル』通常版 "Tangled"

映画好きの知人曰く「ディズニーは不滅!!」。スタジオ第50作記念作品とのことで、『白雪姫』以来のディズニーの「王道」ってやっぱりこれなんだな~なんて思いながら、美しい映像をもう陶然として眺めていた。(無数の灯籠が空へ上がっていくシーンが素晴らしい! 3Dで観られなかったのは今も残念だけれど、2Dでも十分美しかったから良しとする。物語としては、彼女が自分で決断実行すると私が勝手に想像していたことを、ラスト近くで彼が判断・決断・実行したのに、ちょっと驚いた。でも、それがディズニー流ロマンチックっていうものなのかな~(笑)。)

『エンジェル・ウォーズ』(監督・原案・共同脚本:ザック・スナイダー) "Sucker Punch"

メモには「思ったより切れ味鮮やか!だったり、考えさせられたりするところがあって面白かった。『300』の監督さんと聞いて納得。原題は“不意打ち”の意。」などと。
物語全体の構造が、私は最後までよく掴めていなかった気がするけれど、それでもラスト間近のヒロインの決断は、その強い意志と潔さに胸が痛くなった。数々の(まるでゲームの中のような)バトル・シーンも、私にはネコに小判~だったのだけれど、それでも5人の少女達の真剣さ!に惹かれて退屈とは思わなかった。(ラストは想像を膨らませる余地が残されているので、観た後いろいろ考えながら家に帰ったのを覚えている。)

『トゥルー・グリット』 (監督・脚本:ジョエル&イーサン・コーエン) "True Grit"

メモには、「この監督さんたちの作品で、これほどスッキリ面白いのは初めて。相変わらず人はバタバタ死ぬけど。」などと。一方、下書きファイルのタイトルは、「“フロンティア”での自立とは」。
とにかく、今思いだしても少女マティ(ヘイリー・スタインフェルド、14歳)が魅力的だった。 凛々しくて、気丈。男物のぶ厚いコートの上からゴツいベルトをしっかりしめて・・・でも14歳のあどけなさ、覚束無さの見える瞬間もあって、表情がとても初々しい。
その後BSで、オリジナルの『勇気ある追跡』(1969)を観る機会があり、映画としては、私はオリジナルの方がバランスが取れていて自然だな・・・と感じた。マティの人物造形も、オリジナルの少女の方が、いかにも「西部劇」に出てくるしっかり者の小婦人という感じで、『トゥルー・グリット』のマティの魅力というのは、ある種現代的?なものだったんだ・・・と初めて気づいた。
(『勇気ある追跡』のジョン・ウェインと悪役を演じたロバート・デュヴァルがとても魅力的で、そのせいでこちらがちょっと色褪せたのかも。ゴメンね。)

『ザ・ファイター』 (監督:デヴィッド・O・ラッセル) "The Fighter"

映画はキャストがとても良くて、そのひとりひとりが最上級の演技をしている・・・と感じた。クリスチャン・ベール(兄)とメリッサ・レオ(母)が、アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞の助演男優・助演女優賞を、それぞれW受賞しているけれど、それ以外の俳優さんたちもみんな精一杯の演技でドラマを盛り上げているのが伝わって来た。(今ちょっと調べたら、この映画はキャストのアンサンブルについての賞もいくつか受けていて、納得。)

http://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/69f48d655ff262e429fd522e13de3f85

『義兄弟 Secret Reunion』(監督:チャン・フン)「

下書きファイルのタイトルは、「“北のスパイ”の描き方」。
メモには、「ソン・ガンホ最高!! もうひとり(カン・ドンウォン、北のスパイ役)もとっても魅力的~♪。『クロッシング』(韓)の時も思ったけれど、作り手(韓国の人たち)から見た“北” の人々のイメージ(純粋で真面目・・・といった印象?)が感じられ、主役二人の人物造形もストーリーも私には新鮮だった。」。
私などの知らない北と南のシリアスな話も出てくるけれど、政治的な事柄は注意深く避けて深入りせず、誰が見ても楽しめる娯楽作品になっていて、ラストの明るさも含めて「とても面白かった!」と、(私としては珍しくも?)人に勧められる1本。

『トランスフォーマー/ダークサイドムーン』3D版 (監督:マイケル・ベイ)  "Transformers:Dark of the Moon"

実写映画版のシリーズ第3作で完結編とのこと。メモには「3D用メガネが改良されて、とても見やすくなった。でも、とにかく寒さ(冷房)がコタエた。外は今日は34度だったらしい。」などなど、映画のことは全く書いてない(呆)。
まあ、無理もないか。私は『トランスフォーマー』(2007年の第1作)の予告編を見て気に入ったのが最初。彼らの(図体の大きいが故の)不器用さ、人間言語の不自由さ、そんな可愛げ~♪に魅了されてしまっただけで、SFにも「メカ」にも特に興味がある訳じゃないし・・・などなど負け惜しみを言ってみる。
実際、それくらいトランスフォーマーたちの構造の複雑さ(笑)も、3次元・大音響でのバトル・シーンも、もう行くところまで行ってる?感じ(溜め息)。ここまで来ると、私にはゴチャゴチャし過ぎて(動体視力なんかも追いつかなくて?)「どーして素朴に可愛いままで置いてくれないの!?」。(映画がシリーズ化されると、いつも「第1作が好き!」と思う自分が、なんだかツマラナイ・・・?。)

『ツリー・オブ・ライフ』(監督・脚本:テレンス・マリック) "The Tree Oof Life"

メモには「2時間ちょっとの上映時間を長く感じた。映像がとても美しいという噂は嘘ではなかったけれど、映像の「心地よさ」という意味では私は『ニューワールド』の方が好きだと思った。観た後で、この作品は“キリスト教”と“南部”にある程度の関心がないと、響いてこないのかな・・・などと考えたりもした。登場人物(特に子ども)たちの表情や行動はよくわかる(と思う)し、はっとするくらいリアルな瞬間もある。でも、私としては正直ちょっと退屈だった作品。この監督さんの映画がとても好きだったので、がっかりしたのを思い出す。(『トランスフォーマー3』の時と同じく、冷房で体調が悪くなったこともあるけれど、そもそも冒頭の映像を心底「美しい~(呆然)」と感じられなかったのが残念。)

☆『くまのプーさん』(制作総指揮:ジョン・ラセター 監督:スティーブン・アンダーソン、ドン・ホール 原作:A・A・ミルン)

メモには、「もう最高!!! ディズニーは今でもこんなアニメーション(3歳児が十分楽しめると思う)が作れるんだ・・・と、そのこと自体にも感動してしまった。」。
実は、子どもの頃からあまり「プーさん」とは縁がなかった私にとっては、これが「プーさん」事始め♪ でも、「100エーカーの森」に展開するこの世界にいると、私は本当に外の世界(現実)の存在を忘れてしまう。今の世の現実が、あまりにこういう平和さ、正直さ、率直さ(或いはたわいなさ~?)から遠いので、余計にこういうモノに飢えているのかもしれないけれど。(もちろん、今の自分にはこれくらいの規模・スピードが、アタマの回転やエネルギー・レベルに合っているということもある(笑)。)
ウォルト・ディズニー生誕110周年記念作品という、ディズニーの伝統的な手描きスタイルで作られたこういうアニメーションを観ていると、自分の細胞の一つ一つにまで、この美しさ、楽しさが染みわたっていく気がする。私(の世代?)は、ディズニーのアニメーションを食べて育ったんだ・・・と、つくづくその幸福感に浸った映画。

『カーズ2』(監督:ジョン・ラセター、ブラッド・ルイス)

楽しんで観ていた記憶はあるのだけれど、ストーリーは既にオボロ~。(第1作の方をよく覚えているのは、作り手の「哲学」とか伝えたいことがあるかどうかの違いなのかなあ。)それでも、世界のあちこちを旅して回る(日本の東京も出てくる)のは楽しくて、なんだか「アマルフィ~」な気分を味わった(笑)。





(続きは別の記事になります。)

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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同感です~! (お茶屋)
2012-05-13 22:26:07
>映像の「心地よさ」という意味では私は『ニューワールド』の方が好きだと思った。

美しかったですよね~。
『天国の日々』、観たいです~。

プーさん、観ればよかった・・・・。
返信する
プーさん、いいですよ~♪ (ムーマ)
2012-05-14 00:21:26
>お茶屋さ~ん

『天国の日々』、私もスクリーンで観たいですぅ。DVDだと暗い?せいか、「美しさ」がよくわからないんですよね。

あ、でもね、『くまのプーさん』のアニメーションとしての美しさは、どこか『ニューワールド』の映像の心地よさに通じるものがある・・・と、私は思いました(本当)。

それに、英語(というか「子どもの」英語(笑))の面白さ、楽しさもあって、画面の隅々までユーモアが散りばめられてるの。
ぜ~んぶに眼が届かない自分が、すごーく歯痒かった。
いつかもう一度観たいな~。
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