眺めのいい部屋

人、映画、本・・・記憶の小箱の中身を文字に直す作業をしています。

『サマーウォーズ』

2010-02-26 13:08:46 | 映画・本
長すぎる「ひとこと感想」その13。


メモには「その昔"男の子"だった人が作ったアニメーションだと、つくづく思った。『時をかける少女』と同じ監督さんらしいけど、主人公が女の子よりも、"元"(或いは"現"?)男の子集団の方が、私には好感が持てるのかもしれない。」などと書いてある。

以前『時をかける少女』を観た際、「面白いんだけど、どうしてこんなに"オジサン感覚"なんだろう・・・」と、不思議に思った記憶があったけれど、今回はあまりソレを感じずに済んだということでもある。

この監督さんは[万人向け]というか、「誰でも観られて、誰が観ても面白い」を、はっきり意識して追いかけている人のように見える。そのこと自体は、作風の明るさに繋がっているようで、決して嫌いじゃあないんだけれど、一方でそれを、私はある種の「オジサン感覚」として感じてしまうのだと思う。(この感覚の説明は、自分でも上手くできない。「オヤジ臭」などという悪い意味ではないつもりなので余計に。)

物語について。

人間がアバターを使って行動するデジタル仮想空間・・・といったことは、私にはかなり遠い感覚だ。この映画では世界がそれで繋がっているという設定なのだけれど、これをリアルと感じる人たちが相当数いるのは理解出来ても、地球全体の規模としては、携帯やPC、こういったデジタル空間からは遠い人たちが、やはり相当数存在するのでは・・・などと、私などはやはり思ってしまう。(ファンタジーとして観るには、この映画は私の眼には、同時代的な雰囲気が強すぎるのかもしれない。)

一方で、もう一つの舞台である長野の旧家での風景については、別の違和感がある。

実は、私は日本の「旧家」なるものが苦手だ。この映画だと、当主のオバアサンも「ホントに苦手」な人種に入る(笑)。こういう人を中心にした「人間同士の繋がり」を、手放しで賞賛する気には、やっぱりなれない。(むしろ、ひとりスネてる非嫡出?の息子の描き方を、もうちょっと丁寧にして欲しかったなあ・・・なあんて方に、目が向いてしまうのだ。)

それでも、作り手の意図するものはちゃんと伝わってくるし、何より明るい雰囲気と美しい画面に見とれた。信州上田?の風景とそこにある旧家の佇まいは所謂2Dで、デジタル仮想都市空間は3Dの雰囲気で描かれているけれど、とにかく日本のアニメーション(特に2D)は本当に美しいと思った。

この監督さんの次の作品を観る機会があったら、私はやっぱり観に行くと思う。(高知では、上映されるかどうか・・・が、いつも問題だけれど。)




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