先に取り上げた英エコノミスト系のEIUがこのほど発表したDemocracy Index 2006)についてだが、これをながめていると面白いことに気づく。
(参照:全体の表はPDFファイルで、 http://www.economist.com/media/pdf/DEMOCRACY_TABLE_2007_v3.pdf
)
政治的自由では、総合評価で最下位の北朝鮮だけが、市民的自由度でもなんと0.00という評価を受けていた。ほかの全体主義独裁体制では、おそらく最近では金正日将軍様を上回り、ぶっちぎりのデンパを流しつづけているニヤゾフ君のトルクメニスタンですらウズベキスタンとともに0.59、ミャンマーでも0.88と「ほんの少しの自由がある」とされたのに。やっぱり、北朝鮮は完全に自由がないのか。
ちなみに、ほかの項目も含めて、ゼロスコアとして目立つのは、イラクの政府の機能。チャドもそうなっている。これもやっぱり。でも、調査対象には、ソマリアはないから、イラクだけが唯一になったのか。ソマリアは評価できんからな。それとも、政府機能はマイナスになるのだろうか。
選挙過程では、中国、UAE、シリア、リビアなども、一党独裁もしくは君主独裁のためゼロスコアになっている。ところが、選挙過程では北朝鮮は0.83になっている(!?)。どうしてだろう?
あと面白いのは、米国の市民的自由度が先進国の中では最低の8.53だったのは、むべなるかな。やっぱり米国はブッシュになってから異常だ。
それから、項目ごとに、評価がちぐはぐなところがある。フィリピンとレバノンだ。
フィリピンの場合、総合評価では6.48で順位も63位ながら、選挙過程が9.17、市民的自由が9.12ときわめて高いのに、政治文化が3.75、政府の機能が5.36、政治参加が5.00。
レバノンも選挙過程が7.92と高く、市民的自由6.47、政治参加が6.11もそこそこ良いのに、政府の機能がなんと2.36と低すぎて、総合評価が5.82、85位と低くなっている。よりによって私が台湾以外では最も好きな二カ国とも、ちぐはぐなのは、トホホというか、そういうちぐはぐさがあるからこそ面白いというべきか。
ただ、ちょっと納得できないのは、イランの評価が低すぎるところだ。総合点数は2.93、順位は139位で、中国よりも低いのは絶対おかしい。項目別では選挙過程0.08、政府の機能3.57、政治参加3.89、政治文化5.63(台湾と同じ)、市民的自由1.47となっている。ところが、イランは複数の異なる意見を代表する派閥が選挙で競い、討論するシステムがあるので、選挙過程と多元性と政治参加と市民的自由は過小評価されすぎである。もちろん、レバノンを上回ることはありえないが、順位でいえば、「混合体制」のロシアとかマラウィ程度が妥当だろう。ハタミとアフマディネジャドという、対照的ともいえる思想の持ち主が、前後して大統領に選ばれているのを考えれば、少なくともチベット虐殺の下手人しか指導者に選ばれない中国より低いのは絶対におかしい。西欧人のイランへの偏見がにじみ出ているようだ。
(参照:全体の表はPDFファイルで、 http://www.economist.com/media/pdf/DEMOCRACY_TABLE_2007_v3.pdf
)
政治的自由では、総合評価で最下位の北朝鮮だけが、市民的自由度でもなんと0.00という評価を受けていた。ほかの全体主義独裁体制では、おそらく最近では金正日将軍様を上回り、ぶっちぎりのデンパを流しつづけているニヤゾフ君のトルクメニスタンですらウズベキスタンとともに0.59、ミャンマーでも0.88と「ほんの少しの自由がある」とされたのに。やっぱり、北朝鮮は完全に自由がないのか。
ちなみに、ほかの項目も含めて、ゼロスコアとして目立つのは、イラクの政府の機能。チャドもそうなっている。これもやっぱり。でも、調査対象には、ソマリアはないから、イラクだけが唯一になったのか。ソマリアは評価できんからな。それとも、政府機能はマイナスになるのだろうか。
選挙過程では、中国、UAE、シリア、リビアなども、一党独裁もしくは君主独裁のためゼロスコアになっている。ところが、選挙過程では北朝鮮は0.83になっている(!?)。どうしてだろう?
あと面白いのは、米国の市民的自由度が先進国の中では最低の8.53だったのは、むべなるかな。やっぱり米国はブッシュになってから異常だ。
それから、項目ごとに、評価がちぐはぐなところがある。フィリピンとレバノンだ。
フィリピンの場合、総合評価では6.48で順位も63位ながら、選挙過程が9.17、市民的自由が9.12ときわめて高いのに、政治文化が3.75、政府の機能が5.36、政治参加が5.00。
レバノンも選挙過程が7.92と高く、市民的自由6.47、政治参加が6.11もそこそこ良いのに、政府の機能がなんと2.36と低すぎて、総合評価が5.82、85位と低くなっている。よりによって私が台湾以外では最も好きな二カ国とも、ちぐはぐなのは、トホホというか、そういうちぐはぐさがあるからこそ面白いというべきか。
ただ、ちょっと納得できないのは、イランの評価が低すぎるところだ。総合点数は2.93、順位は139位で、中国よりも低いのは絶対おかしい。項目別では選挙過程0.08、政府の機能3.57、政治参加3.89、政治文化5.63(台湾と同じ)、市民的自由1.47となっている。ところが、イランは複数の異なる意見を代表する派閥が選挙で競い、討論するシステムがあるので、選挙過程と多元性と政治参加と市民的自由は過小評価されすぎである。もちろん、レバノンを上回ることはありえないが、順位でいえば、「混合体制」のロシアとかマラウィ程度が妥当だろう。ハタミとアフマディネジャドという、対照的ともいえる思想の持ち主が、前後して大統領に選ばれているのを考えれば、少なくともチベット虐殺の下手人しか指導者に選ばれない中国より低いのは絶対におかしい。西欧人のイランへの偏見がにじみ出ているようだ。