昨年1月の立法委員選挙時に買収などを働いたとして李乙廷(中国国民党)に対する当選無効判決が確定してことを受けて3月14日、苗栗県一区立法委員補欠選挙が実施された。寒波の再来で冷たい雨がときおり降る中で、投票率も42.1%と低かったが、民進党も支持する無所属の康世儒氏(現・竹南鎮長)が1600票差で当選した。
苗栗県は国民党の強力な地盤で、元々国民党員とはいえ、事実上民進党候補といえる康氏が当選するとはほとんど予測されていなかった。
国民党政権が成立してわずか10ヶ月弱で、国民党公認候補が地盤で敗北したことで、国民党政権は早くに危機に直面している。
ただし、「台湾の声」がうれしそうに「今回、与党・国民党は李乙廷氏の当選無効の重みを反省することなく、李乙廷氏の妻である陳鑾英氏を公認候補としたことが世論の反発を招いた。」というのは、言いすぎだ。
というのも、康氏が地盤の大票田竹南鎮で1万3000票差と大きく引き離したのと、民進党が比較的強い苑裡などで票を伸ばしたことが勝因となったわけだが、勝ち幅は千票台と接戦でしかなく、逆にいえば竹南がなければ大きく負けていたわけで、これを見ても決して台湾人がちゃんと自覚して国民党に反発したとはいえない。反発はあるが、まだまだ強くはなく、台湾人は相変わらず自らの誤った選択を反省することなく、愚鈍のままでいるということだ。
だから、この結果がそのまま3月28日にある台北市大安区立法委員補欠選挙に反映されるかは私自身は懐疑的だ。もちろん長年の友人である民進党公認の周柏雅氏が当選するに越したことはないが、苗栗県と違って都会で外省人比率が高い大安区は、新自由主義政策でも資源が優先的に投入され、国民党の失政に気づきにくいどうしょうもないアホな地区だからである。
日本でもそうだが、ネオリベ保守の失政のツケは、田舎ほど、下層ほど強くのしかかり、都会や富裕層はむしろネオリベを歓迎する気風が強い。日本でもいまだに自民党支持が多いのは、むしろ東京であって、田舎では民主党への交代を期待する気風が強まっている。
日本でも現れているネオリベ保守に対する庶民の批判が、苗栗のような田舎だから、少しは出てきただけだ。
28日の大安区では民進党が勝つことは難しい。しかし、そのかわり、12月5日に予定されている県市長選挙では、国民党が大敗しそうだ。というのも、現在国民党が握る県市のうち8県市で国民党の跡目争いが激化して、国民党分裂選挙となる気配が濃厚だからだ。
とはいえ、このブログで前から指摘しているとおり、私は年末に県市長選挙が実施されることそのものに懐疑的だ。それは国民党が共産党を引き入れて台湾が中国になってしまうというのではなく、秋ごろまでに台湾で失業者が400万人くらいになって、食えなくなった民衆による暴動が発生する可能性が高いからだ。暴動になれば、馬英九は何も打つ手がなく、、南ベトナムのグエンバンチューのように米国に逃亡、しかしもしそれまでに民進党が強力なリーダーをいただくことなく、今のような弱体を続けていたら、民衆を組織する求心力がなく、暴動が継続して(幕末のときに受け皿の新政府が登場したために、「ええじゃないか」が終息したようにならず)、そうなると、台湾が完全に無政府状態になって(北斗の拳や今のソマリアのように)、選挙どころじゃなくなるからだ。(そして最終的には戦略観がない日本が国力だけはあるばかりに不承不承、無政府台湾を引き受けざるを得なくなる)
苗栗県は国民党の強力な地盤で、元々国民党員とはいえ、事実上民進党候補といえる康氏が当選するとはほとんど予測されていなかった。
国民党政権が成立してわずか10ヶ月弱で、国民党公認候補が地盤で敗北したことで、国民党政権は早くに危機に直面している。
ただし、「台湾の声」がうれしそうに「今回、与党・国民党は李乙廷氏の当選無効の重みを反省することなく、李乙廷氏の妻である陳鑾英氏を公認候補としたことが世論の反発を招いた。」というのは、言いすぎだ。
というのも、康氏が地盤の大票田竹南鎮で1万3000票差と大きく引き離したのと、民進党が比較的強い苑裡などで票を伸ばしたことが勝因となったわけだが、勝ち幅は千票台と接戦でしかなく、逆にいえば竹南がなければ大きく負けていたわけで、これを見ても決して台湾人がちゃんと自覚して国民党に反発したとはいえない。反発はあるが、まだまだ強くはなく、台湾人は相変わらず自らの誤った選択を反省することなく、愚鈍のままでいるということだ。
だから、この結果がそのまま3月28日にある台北市大安区立法委員補欠選挙に反映されるかは私自身は懐疑的だ。もちろん長年の友人である民進党公認の周柏雅氏が当選するに越したことはないが、苗栗県と違って都会で外省人比率が高い大安区は、新自由主義政策でも資源が優先的に投入され、国民党の失政に気づきにくいどうしょうもないアホな地区だからである。
日本でもそうだが、ネオリベ保守の失政のツケは、田舎ほど、下層ほど強くのしかかり、都会や富裕層はむしろネオリベを歓迎する気風が強い。日本でもいまだに自民党支持が多いのは、むしろ東京であって、田舎では民主党への交代を期待する気風が強まっている。
日本でも現れているネオリベ保守に対する庶民の批判が、苗栗のような田舎だから、少しは出てきただけだ。
28日の大安区では民進党が勝つことは難しい。しかし、そのかわり、12月5日に予定されている県市長選挙では、国民党が大敗しそうだ。というのも、現在国民党が握る県市のうち8県市で国民党の跡目争いが激化して、国民党分裂選挙となる気配が濃厚だからだ。
とはいえ、このブログで前から指摘しているとおり、私は年末に県市長選挙が実施されることそのものに懐疑的だ。それは国民党が共産党を引き入れて台湾が中国になってしまうというのではなく、秋ごろまでに台湾で失業者が400万人くらいになって、食えなくなった民衆による暴動が発生する可能性が高いからだ。暴動になれば、馬英九は何も打つ手がなく、、南ベトナムのグエンバンチューのように米国に逃亡、しかしもしそれまでに民進党が強力なリーダーをいただくことなく、今のような弱体を続けていたら、民衆を組織する求心力がなく、暴動が継続して(幕末のときに受け皿の新政府が登場したために、「ええじゃないか」が終息したようにならず)、そうなると、台湾が完全に無政府状態になって(北斗の拳や今のソマリアのように)、選挙どころじゃなくなるからだ。(そして最終的には戦略観がない日本が国力だけはあるばかりに不承不承、無政府台湾を引き受けざるを得なくなる)