月光院璋子の映画日記

気ままな映画備忘録日記です。

「ワールド・オブ・ライズ」

2008年11月20日 | ■2008年 11月の映画鑑賞

東京から戻ったばかりで予定が立たないため、
試写会に行けなくなりそうですが、
これから見たい映画の1本です。

世の中、連日のように、
ニュースを見れば嫌なことばかり起こっているせいか、
アクション映画&サスペンス映画が好きな一人としては、
こういう映画を見て、
「あ~、面白かった」というひと時を
ぜひ過ごしたいなァと。
レオナルド・ディカプリオ&ラッセル・クロウ主演、
リドリー・スコット監督のアクション・サスペンス。

面白そうでしょ?

こういうことは映画の中だけにしてもらいたいもの。
けれど・・・・・、現実は、時として映画以上に深刻な悲劇を生みます。憂鬱になるばかり。

イラクから撤退してアフガンを主戦場にすると宣言したオバマ次期政権に対して、タリバン&アルカイダのNo2と言われるザワヒリなる人物がインターネット上でイスラム教徒に対して対米攻撃を継続するよう促す声明を出しました。アルカイダにどれだけの対米攻撃力があるのかはなはだ疑問ですけれど・・・・、アメリカがアフガンに主勢力を投入するという宣言は、いったい何を目指してのことでしょう。天然ガスのパイプラインのため?中国を仮想敵国とした将来の可能性を考えての対中国の囲い込み?

いずれにしても、
現実の国際関係は、かなり非情な展開をするので、不安はなくなりませんね・・・テロがなくなるような平和な世界を祈るばかりです
 


★他人の空似・・・・(3)中谷美紀とシシー・スペイセク

2008年11月20日 | ★俳優&他人の空似

拙ブログに新設のカテ≪他人の空似≫(無論、一般人ではなく、あくまで俳優&女優が中心の空似シリーズです)その第三弾。

その三人目は、こちら。



近作では映画『自虐の詩』(堤幸彦監督)、『電車男』そして、アレッサンドロ・バリッコ原作の映画化『シルク』(フランソワ・ジラール監督)ではマイケル・ピット、キーラ・ナイトレイと共演、現在公開中の『しあわせのかおり』(三原尋監督)で主演、


(映画『しあわせのかおり』)
http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/20528/

と、まあ、活躍中の中谷美紀です。
彼女を知ったときに似てるなあ・・・・と思ったのですが、
その後、映画の役柄にもよるけれど、
やっぱり、似てるなァと思うのです。

誰に似ていると思うかと言えば、

彼女です。誰か分かります?

ね、似てるでしょう?

え、誰か分からない!?
では、代表作の名場面を・・・



映画『キャリー』(1976年、デ・パルマ監督)のクライマックスシーンです。そう、このキャリーを演じたシシー・スペイセク。
以前も、『歌え、ロレッタ愛のために』という映画のご紹介のとき
取り上げた気がする彼女ですが、もうじき還暦。

当然、中谷美紀と似ていると思うのは、
このキャリーを演じた頃のシシー・スペイセクですが、
中谷美紀も32歳の現在の彼女ではなく、
映画『りんぐ』(1998年 監督中田秀夫)に出た頃の彼女が
もっとも似ているかなあと。

映画『キャリー』で高校生キャリーを演じていたシシーは、
当時26、7歳。1976年って中谷美紀が生まれた年なんですね。


★ご参考までに。
http://www.imdb.com/media/rm1281792000/nm0000651

★映画『キャリー』をご存知ない方のために。
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD2172/

二人は、いつ見ても似ているというのと違って、
ホラー系のシチュエーションでの表情のとき、
あ、やっぱり似ている・・・・と
感じる私です。

 


「情婦」(原題「Witness for the Prosecution」)

2008年11月16日 | ◆サ行&ザ行

★1957年制作 監督ビリー・ワイルダー

 

随分古い映画で、まさに古典劇を観ているような感じが拭えないけれど、何度見ても騙されてしまう・・・。忘れた頃に観るのですが、今回で3度目か4度目なのに、今回もやっぱり騙されてしまった。法廷サスペンスですが、本作はそういう映画です。
さすがによく出来ているなァと。アガサ・クリスティ原作のミステリーです。


(弁護の依頼に来た男がウソをついているかどうかを探るチャールズ・ロートン扮する著名な弁護士)


(目のところ、写真の汚れではありません。光が当てられているのですが、果たしてこれで依頼人がウソをついているかどうか分かるのか・・・・)

状況的に無罪を得るのは絶望的と思われた被告の弁護を引き受けることになるイギリスの往年(1930年代ー1950年代)の名優チャールズ・ロートンも、この映画が製作された1957年には既にアメリカ市民となっているので、映画に軸足を移して油が乗り切っていたことなのでしょうが、このとき58歳とは思えない老成ぶりには改めて驚愕します。


(本作でのチャールズ・ロートン 58歳だなんて信じがたい老成振り)

19世紀最後の年に生まれていることを思うと、50代後半なのに70代後半くらいに見えるのですから、ああ、時代はそれだけ違っているのだと感慨深かったです。
ところが、一方のマレーネ・ディートリッヒもまた、本作出演時には、何と56歳。それが、30代に見えるのですから、もう何をかいわんや・・・・・


(これぞ、往年のマレーネ・ディートリッヒ)

タイトルが「情婦」とあるのは、そのマレーネ・ディートリッヒを迎えての映画ということで付けられたのでしょうが、今思うと、やはりクセのある邦題だと思います。原題の「Witness for the Prosecution」は、検察側の証人という裁判用語。そのまま日本語にしたタイトルの方がずっとスマートだったように思います。

さて、改めて考えるに、本作の主演は誰か。
弁護を推し進めるチャールズ・ロートンか。



あるいは被告を演じたタイロン・パワーか。



あるいはその妻役のマレーネ・ディートリッヒか。



もっとも、彼女は法律的に被告の妻ではないことが分かるので、愛人もしくは情婦という立場になるのでしょう。
だから、邦題が「妻」ではなく「情婦」であり、被告の無実を唯一証明できるその彼女が検索側の証人となることから、本作は息詰まる緊張感に包まれます。

余談ながら、ご覧のように本作でも黄金の脚線美は健在!


(これが、56歳のディートリッヒの脚線美です♪)

ディートリッヒ演じる妻クリスティーヌは、敗戦後のドイツから逃げ出したくてタイロン・パワーを色仕掛けで落とし、彼と共にイギリスにやってきたドイツ女性。


(この小悪魔的なたくらみの眼差しはどうでしょう・・・56歳!)

そこで二人は宣誓して結婚。けれど、いかに宣誓しての挙式でも郷里のドイツですでに結婚していたままの状態では二重結婚になるか、はたまたその結婚は無効になる。こんなことが裁判で明らかになっていくとき、弁護側は戦略の練り直しを迫られるのですが・・・

当時のハリウッドを代表する色男タイロン・パワーが赴任先の戦地で出会い見初めた女性であり、元女優で歌手というディートリッヒそのままの役柄ですから、この役はマレーネ・ディートリッヒ以外は考えられなかったことでしょう。当時の絶大な人気を考えると、キャスティングはこれ以上ないという布陣だったろうと思います。

富裕の未亡人殺害の容疑で窮地に立たされた被告ヴォール(タイロン・パワー)、この限りなく軽妙で楽天的、かつ純朴な青年を、さて、ロンドン法曹界の長老の敏腕弁護士ウィルフリッド卿(=チャールズ・ロートン)は、裁判でいかに弁護していくのか。
そして、弁護側の証人ではなく検察側の証人として出頭した妻クリスチーネ(=マレーネ・ディートリッ)は、いったいどんな証言をしようとしているのか・・・・

最終論告が迫った前日、裁判をひっくり返すような情報がもたらされるのですが、

ここで今回もすっかり騙されてしまいました。

法廷サスペンスなので、この映画をまだご覧になっていらっしゃらない方達のために結末に繋がる話は一切できないので、本作についてはこのくらいに留めます。ご覧になろうと思われた方は、ネットで映画の「情婦」を検索なさらずにご覧くださいね。本作でもラストでは「この結末は話さないでください」というメッセージが表示されますので、映画を愛する一人としてそのメッセージにはちゃんと応えたいと思いましたゆえ、ご紹介はここまで。m(__)m
 


「ザ・フー/ライヴ・アット・キルバーン」・・・幻の映像【ライヴ・アット・キルバーン】

2008年11月15日 | ◆サ行&ザ行

http://www.thewho-movie.com/


***  ** 以下、本作の口上 ** ***

注目すべきは、発表前の『フー・アー・ユー』が試験的に演奏されているところ。また、『無法の世界』のレーザー・ライトを使ったステージ演出やメンバーの衣装、ステージ・パフォーマンスなど『キッズ・アー・オールライト』のスタジオ・ライヴの片鱗を窺える要素が数多く見られ、この2作を比較してみるのも興味深いだろう。
観客は当時1年ぶりのザ・フーのステージ・パフォーマンスに熱狂したが、1年間のブランクとキース・ムーンの体調不良を理由にバンドはライヴの再撮影を決定、映画『キッズ・アー・オールライト』には翌年のシェパートン・スタジオでのスタジオ・ライブ映像が使用されることとなり、キルバーン・ライヴのパフォーマンス映像はファンの目に触れることなく封印されることとなった。
そしてキースはこのキルバーン・ライヴの9ヵ月後の1978年9月7日、薬物の過剰摂取が原因で永眠。
オリジナル・メンバーの4人によって一般観客の前で行なわれたザ・フーのライヴは、キルバーンが最後になってしまった。

そして30年の時を経て、
幻の映像【ライヴ・アット・キルバーン】の全貌が、デジタル・レストアを施され遂に初公開となる・・・。

1. I Can't Explain
2. Substitute
3. Baba O'Riley
4. My Wife (by John Entwhistle)
5. Behind Blue Eyes
6. Dreaming From The Waist
7. Pinball Wizard
8. I'm Free
9. Tommy's Holiday Camp (by Keith Moon)
10.Summertime Blues
11.Shaking All Over
12.My Generation
13.Join Together
14.Who Are You
15.Won't Get Fooled Again

となっていますが・・・・、
んなこと、ファンにはよく分かっていて、ファンじゃない方達にどういうメッセージを送れるかが口上なのではないかと。

★ちなみに私が持っているのは以下の二つですが、よろしければ、どうぞ。ザ・フーを聴いてみたいという方にはおススメのDVDですが、You Tube でも聞けます。



「忍 SHINOBI」

2008年11月15日 | ◆サ行&ザ行



★http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=3896

山田風太郎原作のの「忍(しのび)もの」というから忍者映画を期したのですが、すっかり裏切られてしまいました。キャスティングをちゃんと見ておくべきでした。

やっぱり、この配役では無理だなァと思います。
主演だというこの仲間由紀江、もそも殺陣がやれるとは思われない。
そんな彼女の役どころは伊賀忍者集団の後継者。

立ち回り一つできない九の一役の
彼女の必殺の武器は・・・・(秘)・・・なんです。
殺陣など、そうなると最初から必要ないんですよね。



この朧(おぼろ)のお相手役が、
こちら、オダギリジョー。

甲賀忍者の若き後継者弦之助(げんのすけ)という役です。
≪愛し合う運命。殺し合う宿命≫というキャッチコピーでもお分かりのように、つまりは、そう、忍者という立場を借りての二人のラブロマンス。つまらないわけです。

時代は、関が原の戦いの後。
映画『あずみ』ですっかり知られるようになった天海和尚。
彼の策略で平和な世に諜報活動&暗殺を旨とする忍者は戦後は不要ということで伊賀と甲賀の相撃ちが仕掛けられるというストーリー。この二人は敵同士になるのですが、忍者が相手の忍者を「弦之助さま~」と呼ぶ台詞には驚きました。
九の一が同じ忍者という身分の相手を「様」で呼ぶのかどうかは不明ですが、違和感が拭えなかったですね・・・、

そんな彼女を愛するがゆえに、『あずみ』と違って、
好きな女の子のためにわざと殺ラレルオダギリ弦之助。

こんな展開でおもしろい忍者映画になるわけがない。
鬱憤が溜まりました。

山田風太郎の「甲賀忍法帖」も形無しですね。
監督は誰だァ? ⇒下山天。
監督は北村龍平の方がまだしも忍者映画になったのではないかしらん。

忍者役で出演していたのもおそらくはこれから売り出し予定のタレントなのでしょうが、昔の誰か・・・に似ている女の子。誰だったかなあ・・・誰かに似ているこの顔、名前が出てこない。ネットで調べたら、沢尻エリカとあったので、この子かしら。
人気先行のお手軽なキャスティングは無残です。

こちらの女優(↓)も名前が分からないけれど・・・・、
黒谷友香というのでしょうか。



こちらも昔の誰かに似ているなあと。
彼女によく似たTVタレント(女優だったか)が昔いました。
誰だったか・・・

まあ、こうして伊賀仲間の忍者たちが次々に殺られていくわけですが、それは甲賀側も同じ。なぜって、相撃ちなので。

おいおい、と言いたくなったのは、
椎名桔平!

彼も出ていたのですが、
似合わないので笑えました。



つまりは、この映画、
徹頭徹尾、彼女のため(↓)の映画だったのでしょう。

そんな映画に出演してご苦労様だわね・・・
と思ってしまったのは、こちらのお三人。
   ↓


隠居した家康に仕えているので、駿府にいた武将ということになるのでしょうが、
家康の腹心の武将にしては、年齢が・・・・

二人目はこちらの石橋蓮司。
この格好は、いかにも天海和尚役・・・、
この映画では嫌われ役ですが、似合わなかったですね~。



いかに引退後の家康だからって、
北村和夫まで・・・

けれど、この北村演じる家康、どうも狸親父の老獪さがなく、
とても軽い家康でした。

もったいなかったのは、
せっかくの柳生宗矩の役ながら、
この永澤俊矢かなと。

映画『スパイ ゾルゲ』以来、気になる役者です。
こういう映画ではもったいないですね・・・・


そして、こちら「りりィ?」と思ったら、

やはりりりィでした。
こういう映画で引き立て役をやらなくてもよかったのに。

ということで、
せっかくコミックで大人気になっているというのに、
どうしてこういう駄作映画になったのか残念です。


お口直しに。。。。
  ↓
★http://www.pia.co.jp/pff/park/

 


「イーグル・アイ」(「Eagle Eye」)

2008年11月15日 | ◆ア行

★2008年 監督 D・J・カルーソー

製作総指揮が スティーヴン・ スピルバーグ というだけあって、
主演のシャイア・ラブーフ は、スピルバーグが製作を指揮した映画『トランスフォーマー』(監督にはマイケル・ベイ)でブレイクし、超人気シリーズの完結編でも『インディ・ジョーンズ、クリスタル・スカルの王国』ではインディ・ジョーンズの息子としてハリソン・フォードやケイト・ブランシェットらに混じって奮闘。この一連の抜擢をモノにしていまやすっかりブレイクした感じがしますけれど、

スティーヴン・スピルバーグ監督はこの青年のどこにほれ込んだのでしょうね・・・・普通の青年ぽさ?頭の良さ?

若干22歳の若手ながら、本作は、D・J・カルーソーと組んで二作目のようで、『ディスタービア』は未見ですが、ここではシリアスな役をノンストップアクションにも関わらずとても伸び伸びと演じていたように思います。

さて、『イーグルス・アイ』・・・・

映画冒頭では、これって戦争映画?と思ってしまう場面が出てきますが、それはそこで終わって、場面は一転どこにでもいるような青年の勤務先のプレイルーム。ここはこの主人公シャイア・ラブーフは頭が良さそうだと推測させるカードゲームの場面らしく、シャイア・ラブーフはコピー機屋さんで働く青年。
アルバイトかパートタイマーか不明なれど、彼は「頭はいいのに大学には行かず自分探しをしている青年」らしいと葬儀での父親の言葉でさらに彼のキャラの説明が付加されます。この辺り、シャイア・ラブーフの経歴とだぶるかもしれませんね。

そんな彼の元に双子の兄の訃報が届きます。
国防総省(だったか・・)の管轄するさる研究所で天才的な頭脳を駆使して仕事をしていた双子の兄の突然の死・・・・葬儀で父親と口論して沈鬱な思いでアパートに帰った彼に「荷物が届いていますよ。部屋に運び入れてもらいましたからね」という大家の話。


(見知らぬ女性の声でいきなり、「今すぐそこから離れなさい。あと●●秒でFBIがそこに踏み込んできます」と告げられて、何のイタズラかと思う主人公ですが・・・・)

映画は、ここでドアを開けた次の瞬間から、ノンストップアクションというか、ジェットコースターに載せられて主人公同様に度肝を抜かれる唖然とし思考停止状態となるかもしれませんね。
な、なんなんだ、こ、これは!
おかしな電話の相手がカウントダウン始めるや、その部屋にまさかのFBIが踏み込んでくるで、まさに『トランスフォーマー』の来襲のような状態になりわけも分からず逃げ出す主人公ですが、指示通りに動かなかったためにFBIに捕まり何とテロリストにされてしまいます。無論、冤罪で、けれどその証明ができないことが怖ろしい・・・

そこに、「今度こそ私の命令に従いなさい」と女性からの指示の電話。「そうすれば、そこから逃がしてやります」次の瞬間、警察署をクレーン車(だったかな?)がいきなり襲撃!しかも無人のクレーン車!こうなると『トランスフォーマー』とかなりダブってしまいますが・・・



以後はもうほとんど走りっぱなしのような彼・・・・
どこに逃げてもどこに向かって走っても携帯が鳴り電光掲示板には次にどうしろと言う指示が流れるので、もうほとんど≪有り得な~い状況≫にシャイア・ラブーフは唖然&思考停止。
けれど、指示通りに動いたお陰で警察やFBIの追撃から逃げおおせてまずはここ地下鉄乗り場にいるわけで・・・



名乗らない相手の言うままに動いていいのか。
いったい何が起こっているんだ!?

彼じゃなくても普通は誰でも考えます。
でも、考えたところで分からない。
そういう普通の青年、一般の市民感覚をもった青年が主人公。
そういう意味では、シャイア・ラブーフは適役。

乗った地下鉄でも車窓の外に見える電光掲示板にも指示が彼宛に流れるという徹底振りに、疑心暗鬼と不安は最高潮に。そんな指示に従わず自分の意志で動こうとする主人公ですが、電話の主は何から何まで先を読み込んでいく、そんな存在。
車内の乗客の携帯電話が一斉に鳴り「シャイア・ラブーフはテロリストである」とのメッセージが流れる場面で、ネタが分かってしまいそうになりますが、もう指示に従うしかないと思って駅に飛び降りると、待っていた車に女性。



お互いに、「どういうつもりなんだ」と相手を責め立て合う二人ですが、彼女もまた彼と同じように有無を言わさず命じられた行動を取った結果、そこに来たわけで、彼女の方はさらに深刻。従わないと息子の命がないのだから。
ワシントンの議場コンサートで演奏するために乗った列車が爆破されるという脅しに彼女は慄いているわけです。
しかも、なぜか携帯電話は繋がらない・・・・


(母子家庭で息子に対して愛情深いキャリアガールながら、訳も分からないままに警察やFBIの追撃から逃げることになるレイチャルを演じているのはミッシェル・モナハン)

こうして次々に正体不明の相手から繰り出される指示通りに走り続け街中で凄まじいカーチェイスをする羽目になるレイチェルを演じているのが、ミシェル・モナハン。そんな彼らをテロリストとして指名手配を描け総動員でどこまでも追ってくるFBI捜査官!


(国家の安全保障のために命を賭ける捜査官をビリー・ボブ・ソーントンが好演)

危険なテロリストの計画を阻止すべく、彼も職務に必死。かくして、
どこまでもどこまでも逃亡するしかない二人・・・・

ここまでは、ホント、何だか『トランスフォーマー』の続きを観ているような妙な既視感がありましたね。ちょっと、いただけないなァと。

その頃、国家安全保障局だかの女性捜査官が、双子の兄のやっていた研究と仕事を洗い始めます。


(事件の真相への追求に信念を見せる捜査官を演じるロザリオ・ドーソン)

そして事件の核心に近づいていったとき、あるプロジェクトの部署に彼女は招かれます。その極秘プロジェクトこそ「イーグル・アイ」とネーミングされたもの。ここで茶々を入れるつもりはないのですが、アメリカって、こういうものにイーグルだのホークだのって名前を本気で付けたりするので、その感性には閉口させられますね。

現実は映画より奇なり・・・・そういう面がアメリカの政治や軍事作戦には多々ありそうで、何だかそれって漫画みたいな感性だと思ってしまう私。
話を戻すと、彼女の有能さを買い、問題の解決を図ろうとする国防総省だかの統括責任者を演じていたのがこちら。
マイケル・チクリス。


(軍人姿が様になっていたマイケル・チクリス、なかなか良かったですね。これは新発見でした!)

この画像と違って軍服姿できりりと引きしまった寡黙な上官役、
意外と良かったですね。映画『ファンタスティック フォー』で実直なベン役のイメージが大きいかもしれないマイケルですが、警察官や軍人といった役柄が似合う俳優だろうと思いますね。

こうして映画では皆がやがて思いがけないところで合流することになるのですが、



この場面になると、映画はすでにSFに突入か!?という印象が大きくなるのは、全ての情報を一元的に管理するマザーコンピューターと存在というテーマはSF近未来の定番の一つだからでしょうか。他の映画の二番煎じという感を否めなかったですし、ラスト10分くらいで映画がいきなりワシントンモノの映画が様変わりして、正直、違和感が拭えなかったですね。

アクション映画+SF映画+ワシントン物の映画+市民の個人的幸せ+そうした市民の自由と尊厳とプライバシーを破壊する権力の行使というものを問うSF映画・・・・まるで中華料理とフランス料理と日本料理とイタリア料理とメキシコ料理やインド料理を次々と食べたような感じ。こうした映画の作り方って、≪映画のテイスト≫としては如何なものかと思ってしまいました。
観終えて感じたことは、スティーヴン・スピルバーグ監督はそろそろクリエイターとしては隠居かもしれないぞと。

映画にいかなるテーマがあろうと、またそのテーマを、エンターテイメントのアクション映画というコスチュームでいかに華々しく包んで表現しようとしたとしても、その結果、映画全体として生じる≪テイスト≫というものが混合味の大味になってしまっては、やはりそのテーマは観客の心に響かない。つまり、映画の持つパワーは散漫となり、概してそういう映画はツマラナイものになる。
映画って、そういうものだと思うので、そういう意味で本作はイマイチだったなァと感じました。

★ご参考までに。
http://www.eagleeyemovie.com/intl/jp/




 


「Revelation」(邦題「ゴッド・クローン」)

2008年11月14日 | ◆ラ行

イエス・キリストを題材とした映画は多々あれど、その中でも特異なジャンルなのはキリスト教や聖書を題材としたオカルト映画だと個人的には位置づけています。ホラー系のオカルト映画は意外と見逃されるけれども、物議をかもすのは何といってもイエスを巡るバチカンの公式見解から外れる異端とされる流れを汲んだストーリーもの。非キリスト教圏の日本ではあまり問題視されませんが、キリスト教圏ではそうもいかないようで、ミステリー映画『ダ・ヴィンチ・コード』の映画化のときでさえ、制作関係者の広報宣伝の折には≪釈明≫とも取れるコメントが多かったことは記憶に新しい。


(しびれるほど僧衣が似合う反キリストの司教を演じるウド・キァ)

本作は、その『ダ・ヴィンチ・コード』とは比べ物にならないほど、スリリングでオカルティックで、映画としてはこちらの方が数段面白い。上映禁止となったというのも頷けます。
イエスやマグダラのマリアに関するミステリアスな解釈というより、クリスチャンにとってはヴァチカンそのものを、ある意味冒涜するストーリーになっているので、司教の暗殺といった内容を扱った『ゴッド・ファーザー』よりもリスキーです。
そういう意味でも、本作のような映画に出演する主演俳優はちょっと覚悟が要る。だからこそ、スチュアート・アーバン監督を始めとする製作関係者は、この二人を得たことをどれほど幸いと思ったか。彼らは主演俳優がどういう映画に出ている俳優かを説明しさえすれば、敬虔なキリスト教徒はそれだけで本作を糾弾することを諦めるに違いない。製作者は案外そういう計算があったのではないでしょうか。そんな感想を持ちました。なぜなら、その二人を鮮烈に記憶させた映画は、ホラーですもん。

一人は、こちら。映画ファンにはしびれるに違いない俳優の一人、ウド・キァです。


(出てきただけでぞくりとする俳優のウド・キァ)

いろいろな映画に出演していますけれど、何といっても悪魔との戦いを題材にしたオカルティック映画が束になっても歯が立たない『悪魔のはらわた』だの『残酷!女刑罰史』だの『ドイツチェーンソー大量虐殺』だのといった映画や『0嬢の物語』だのといった映画のイメージが強烈だから、映画をあまり見ないキリスト教徒の方達なら、恐らくそうした紹介だけで、「そんな映画に出ているような俳優なら影響力も少ないだろうと思うに違いない」と。

もう一人は、こちら。

(年齢を重ねぞくぞくするほど魅力的になった俳優のテレンス・スタンプ。本作では世界の名だたる研究者を一同に集めて「ロンギュスの箱」に秘められた謎の研究を指揮する富裕な貴族として登場)

同じく、映画が好きな方達にとっては忘れることが出来ない俳優の一人に違いないテレンス・スタンプ。言うまでもなく、こちらは、あの『コレクター』で鮮烈な印象を永久に映画史に留めた俳優。

けれど、ヴァチカン崇拝者にとっては本作は「けしからん」となったのでしょう。凶弾でよく死ななかったと改めて思います。

こうした二人が「ロキュラスの箱」という謎の箱を巡って死闘を繰り広げるのですから、わくわくしないでいられる方がおかしい。ロキュロスの箱というのは、2008年前に磔刑で死んだイエスの、その十字架で作った箱。


(十字架上のイエスのわき腹を刺しぬくよう兵士に命じた百人隊長の役を演じ、その数十年後のキリスト教徒弾圧の指揮官をも演じ、以後の歴史において科学を奉じる反キリスト者の代表として秘密結社の総裁というポジションの人物を演じていきます)

その箱を巡ってキリスト教徒と彼らを弾圧する側(時の為政者や権力者サイド)との死闘が歴史の暗闇で続けられてきた・・・・ということで、本作は冒頭、イエスの磔刑の場面から始まり、その数十年後のキリスト者への弾圧、そしてアイザック・ニュートンの時代と現代(近未来ということならSF映画になる)に至るまでの、実に壮大な時間が流れるので、それも魅力の一つでしょうか。


(古代の暗号を解き目的の場所にたどり着いた主人公たち)

暗号解読が趣味でEUの政府機関のセキュリティを破って侵入するハッカーである青年と西洋占星術と錬金術が専門の女性。ある組織からの襲撃で生き残ったこの二人が、その謎を解くべく行動するというアドヴェンチャー映画でもあります。


(暗号解読が専門の青年役ジェイムズ・ダーシーと錬金術師の役のナターシャ・ワイトマン)

これが本作のいわゆる主人公の二人になりますが、この二人が生き残ったのにも神の意思があると思わせる内容になっているので、その謎解きもまたなかなか唸らせるようなものになっていました。
錬金術が専門の女性を演じた女優は、ナターシャ・ワイトマン。


(ナターシャ・ワイトマン)

そして、ネットのハッキング犯罪で服役し出所したばかりの青年で、テレンス・スタンプの遺志を継ぐ息子役を演じていたのがこちら。
似た様な映画に出ていた顔だなあと思ったら、映画『エクソシスト ビギニング』で神父をやっていた若手俳優ですね。

このジェイムズ・ダーシーというイギリスの俳優、意外とこの先、化けるかもしれない若手(1975年生まれなので33歳)かなと。要チェックですね。

他にも、おやっと思った俳優が何人か出ていました。
彼らを助ける神父で元軍人という男を、ヒースコート・ウィリアムズという俳優が演じていますが、この人、デレク・ジャーマン監督の『テンペスト』にも出ていて、思いがけない映画で結構見かけます。他にもディラン・メグルブリアンというなかなか味わいのある俳優が弾圧される初期キリスト教信者の役で出ていたように思いましたが、この人、ピアース・ブロスナンの007でも司祭役で出ていて、意外とそっち系御用達の俳優なのかなあと勝手に想像したりしています。

本作は、邦題では「ゴッド・クローン」という映画になっているので、ラストまで見たときに初めてその意味が分かる原題の「Revelation」のタイトルのままの方がいいと思われましたが、邦題を考える人にはそういったことを是非熟考していただきたいものです。

ただ、英語で「Revelation 、movie」で検索すると、この映画に関する情報はほとんど得られません。さすがに上映禁止となったといういわくつきの映画のせいでしょうか。
Terence Stamp と Udo Kier で検索してやっと、この映画の情報を若干得ることができたという次第でした。

本作は、テレンス・スタンプやウド・キァという俳優に興味をお持ちの方は無論、ミステリーが好きな方、ホラーサスペンス、スリラーなどがお好きな方、そしてキリスト教のオカルトや占星術に興味がある方なら間違いなく楽しめる映画だと思います。だからといって、そちら方面の知識がなければ楽しめないかというとそんなことはなく、キリスト教の異端やオカルトの知識などなくてもOK。そこは『ダ・ヴィンチ・コード』と同様で、≪それでも楽しめる≫のではなく、≪だからこそ愉しめる≫、そういう作りの映画になっています。
なので、おススメの1本ですね。

 

 


11月初旬の映画鑑賞(4)

2008年11月13日 | ■2008年 11月の映画鑑賞

●「忍SHINOBI」(2005年 監督 下山 天)
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=3896

●「陸軍中野学校 密命」(1967年 監督井上昭)
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD22189/

●「In the Name of the King
ブログで別立てでご紹介しています。
★・・・http://blog.goo.ne.jp/ms-gekkouinn/e/28b24d78f0853ff7758b54473e6344ed

●「Saw 5」・・・http://saw5.asmik-ace.co.jp/

先行上映で観て参りました。今後も続編が作られそうな雰囲気ですが、このシリーズ、3あたりで終わっていた方が良かったかもしれませんね。ジグソーの過去だのSawのテーマの種明かしがご丁寧にすでに前作で為されているので、いかに鈍い観客でも、いい加減飽きたのではないかと。

●「イーグル アイ」・・・http://www.eagleeyemovie.com/intl/jp/

あっと驚く展開でしたが、終わってみれば、真新しいテーマではありません。見所は、ノンストップの顛末ですね。

●「Revelation」(2001年 監督スチュアート・アーバン)

映画『ダヴィンチ・コード』などよりずっとスリリング。キリスト教圏でこうした映画が制作されるのだから、感心してしまう。こういう映画には、トム・ハンクスのような日向街道を歩く俳優は出ないだろうなあ。ブログで別立てで取り上げますね。


「In the Name of the King・A Dungeon Siege Tale」

2008年11月13日 | ◆ア行

2007年 ドイツ映画 監督はウーヴェ・ボルという監督です。

知らないなァ・・・という方でも、意外とご覧になっていらっしゃるかもしれません。私も最初、この監督、誰だっけと思って検索したら、何と『ザ ハウス オブ ザ デッド』も『アローン イン ザ ダーク』も見たし、『ポスタル』も見ているし、『SEED』も見ていました。

ゲームには全く関心がないせいか、前作同様に本作もゲームビデオの映画化作品だということには関心がないので、ゲームの「ダンジョン シージ」についてまるで知りません。あくまで、映画『イン ザ ネーム オブ ザ キング ダンジョン シージ テイル』についての備忘録です。



主演がジェイソン・ステイサム。
なので、間違いなく彼のアクションを楽しめる映画なのですが、
『トランスポーター』シリーズのようなスタイリッシュなアクションを期待してはいけない。何といっても古代ギリシャローマ時代にバーバリアンと称されたケルトやゲルマン民族の神話時代の延長の中世初期といったイメージの時代。
冒頭からして『ロード オブ ザ リング』風のまさに「王の帰還」となった内容のファンタジーだからです。

ジェイソン・ステイサムの役どころは痩せた土地で細々と農耕が始められた時代に農夫として生きる主人公ファーマー。
蛮族が王国に攻めてくるため王国を守る兵士が募集されるという場面で、『ヘル・ボーイ』のロン・パールマンがいきなりノリックという役柄で登場するので、アクション映画ファンは期待値が高くなりますよね。

何だかこの二人が並んだ時点で、現代からワープした中世に現代の特殊部隊の元仲間が訪ねてきたような錯覚を持ってしまいますが、ファーマーとは家族同様の間柄の男。
往々にしてこういう役柄の男は主人公の頼もしい味方なれど、戦いで死ぬか悪役に殺されてしまうと相場が決まっているので、「どっちかなァ」と思って見てしまいますが・・・・

順当な展開として早々と蛮族に襲撃される場面になり、ここでファーマーと名乗るジェイソン・ステイサムの農夫像、鋤を持っているが実は剣の腕前は相当なものなんだぞというキャラ紹介。そういう見せ場ですが、まあ、体つきと雰囲気からしてジェイソン・ステイサムは農夫というイメージではないので、ファンはここで「待ってました」と掛け声をしたくなるかもしれませんが、そんな腕前でもいざというときにそこにいなければどうしようもない。

市場に農作物を売りに出かけた先で蛮族に襲撃される妻子を救うことが出来ず、可愛い盛りの息子も妻の両親も皆殺され、愛する妻は奴隷として連れ去られてしまい後を追うことに。



妻を演じていたのは『ジョーブラックによろしく』で魅力全開だったクレア・フォラーニでしたが、農婦役で、しかも土にまみれるようなシーンが多かったせいか、小さな息子のいる女性としては皺がかなり目立っていて老け顔に見えました。

老け顔のステイサムと夫婦役ということで、
同年代の彼女が起用されたのかもしれませんが、
違和感があったのは彼女より10歳以上も若いリーリ・ソビエスキーの存在ゆえかもしれませんね。役柄ゆえか、リーリ・ソビエスキーの出番の多さは準主役級でした。監督の好みかなァ・・・

王国の司祭の娘で後に黒魔術と戦うことになる未来の女祭司。
剣術にも優れ王に仕え戦場にも出たいという願望を持った現代女性が共感するキャラクターのためか、妻役のクレア・フォラーニよりもずっと出番が多かったです。つりんつるんの美肌がとても目立っていました。

同じく、森に住む妖精、じゃなく、反戦平和主義者の女たちを代表してアップの出番が多かったのが、こちら、

ローアングルから撮影した森の高木からターザンのように降りてくる女の子たちのリーダー格です。このクリスタナ・ローケン、どこかで見た顔だわと思ったら、あの評判倒れとなった『ターミネーター3』で女ターミネーターをやった彼女です。
アクション映画に準主役級で出演出来るというのは、いまや若手女優の必須要件みたいになっていますけれど、この手の顔立ちはアクションでブレイクするタイプじゃないと思うので、もしかするとこういうアクション映画に出ることでソンをしているかも。

こうした若い子達の出番が多かった印象のせいか、妻役を演じたクレア・フォラーニが存在感を示すには、国王の妃役かうば役に年配の存在感のある女優さんを配しても良かったかも。何といっても、活劇ファンタジーなのだから。

本作を盛り上げたのは、
こうした女優陣以上に、男優たち。
その1と2は、前掲の主役とその相棒のロン・パールマンですが、家庭を持った以上国よりも個人の幸せが大事だと語るジェイソン・ステイサムと彼に従う友人と義弟=農夫という身分、
そういう彼らと違って、国のために国王に忠誠を誓う司祭や兵士たちの代表として、こちら。

国王の一番の理解者であり、ジェイソン・ステイサムが実は王の息子であることを見抜く千里眼の司祭を、



なかなかの存在感を見せてくれたいたのが、
このジョン・リス・デイヴィス。
★多くの画像がこちらでご覧になれます。
http://www.imdb.com/name/nm0722636/

映画では脇役ながら主人公の身近で存在感のある心憎い役を演じることが多い印象ですが、もっと活用してもらいたい俳優の一人ですね。

そして、兵士たちを束ねる勇敢で精悍な司令官に、



ブライアン・J・ホワイトという黒人俳優が起用されていて、
なかなかのはまり役でした。この画像だと温厚ですが、本作では戦闘シーンが多く蛮族との戦争シーンでは剣を振るう姿がなかなか様になっていました。

司祭の娘であり、将来この国を担っていくことになる女祭司のリーリ・ソビエスキーとなかなかいい感じでしたよ。この二人で「オセロ」をやったら面白いかもしれないなァと思えたほど。

こうした家来たちを持った国王が、
こちらのバート・レイノルズです。

なかなか味わいのある王様で人望もあるのですが、バカな甥っ子のバカさ加減に気づきながら、息子代わりに思って甘やかしてきたツケで、その甥っ子に射殺されてしまうのですよね。
けれど、やはり王様は王様ということで、
死の床で、何故か気になりながらも自分に反抗的な姿勢を示す生意気な農夫が、実は死んだとばかり思っていた息子だったことを知り、王としての心得を語って死んでいきます。

この王様殺しの甥が最高にイカレテいるので笑えます。



この笑顔で、ある時は卑屈なまでに王に媚びて許しを請い、ある時は王位継承を狙い続ける野心のあまり気が狂いそうになるおバカを演じているのですが、相手によってカメレオンのように態度を変えるこの男、司令官とは水と油。
その司令官との決戦では、なかなかの剣の腕前を見せてくれますので、楽しみに事欠かない活劇です。
何といっても、このおバカな男ではジェイソン・ステイサムの相手にはならないので、悪役の真打に登場してもらうと、

そう、B級映画の常連であり、サスペンスの帝王というお顔の彼、レイ・リオッタ。
国王のおバカな甥っ子と組んで権力奪取を狙う黒魔術の使い手に堕した元司祭という役柄で、画面いっぱいにアップで映し出される彼の青い瞳とニキビ痕だらけのお顔が微妙にマッチングしていて、何とも言い様がありません。レイ・リオッタのこのお顔は、ホント、サイコサスペンスの帝王と言っていい感じですね。
彼の魔術が泥まみれの蛮族を命知らずの兵士に変えるのですが、その威力たるや相当なもの、それに苦戦するジェイソン・ステイサムたちの戦いぶりが見所ですが、思えば、悪は強しですね。泥人形を最強の兵士にしてたった一人で正規軍と戦うのですもん。

ということで、以上、本作の面白さは、何といってもキャスティングの妙でした。その意外性、独創性のキャスティングで最後まで楽しませてくれた歴史ファンタジー風アクション映画でした。
(チャンバラ&忍者起用の活劇シーンの映像がフォルダから探せず、残念でした)

http://inthenameoftheking.com/