moving(連想記)

雑文(連想するものを記述してみた)

ライダーを見てたら「男はつらいよ」を思い出した

2005-04-01 | エッセー(雑文)
イケメンライダーを見ていて「男はつらいよ」の寅さんをイメージした。
寅さんの年齢設定は良く分からないが、中学の時に家出し20年ぶりに
柴又に帰郷したとされてるらしい。
公開は69年8月、それから95年12月まで、48作の歩みがあったわけである。
だいたい26年間経てるわけで、登場時が32歳~35歳で、
48作目ではなんと58歳~61歳だったわけである。
(昭和8年生まれと言う説、15年生まれという説もある。)
実際の渥美清さんは1928.3.10生まれ(1996.8.4没68歳だった。)
フーテンの寅さんは41歳頃から演じていたようだ。
時に「男はつらいよ」という映画はありきたりの下町人情喜劇という評価を
くだされているようだ・・・。
寅さんは結構見栄っ張りだし、やせ我慢してる武士のようだし、伊達男の一面もある。
か弱い女性やテキヤ仲間の徒弟にも、気遣い身銭を切ったりする。
そのせいでいつも金欠状態。
そして妹さくらに心配をかけさせたり、全話通してマドンナにボーッとする情けない
一面があったりするが、寅さんと妹さくらは実は異母兄弟という設定があり、
(異母兄弟になる兄もいたらしい。)寅さんはいわゆる妾腹。
こういう生い立ちが、後々寅さんの片思い人生を形造り、
女性を幸せに出来ないから身を引くという寅さんの性格づけに、説得力をもたせている。
自由人の代表のような寅さんであるが、とらや、柴又の隣人に何気ない気づかわれようで、
家族愛にめぐまれた描写があり、根無し草ではないことがわかる。
それで、寅さんがゆきずりの旅人・女性に、思いやることが出来、無理なく情を深め、
恋に発展していくことが理解できるようになる。
そして年齢を重ね、名士のような風格を垣間見せながら、次世代の若者に
男の<粋>なスタイルで、人生を語るのだ。
こういう寅さん流の男のダンディズムが滑稽さの中に隠されていることを、
中身のある男のダンディズムは客観的に見れば滑稽なんだということを・・・
あらためて感じるこの頃である。
「男はつらいよ」はただの下町人情喜劇ではなく、
男のダンディズムを描いていたと解釈するのもいいのではないだろうか?
(また48作DVDで見てみようかな)