人類よ

（人類よ
　そんな
　まだ毛も生えていないような顔をして
　そんなことをするんじゃない
　背を伸ばそうと
　高い下駄をはくんじゃない）

（ああ　
　そんな顔をして
　わるさをするな
　愛さずにはいられないではないか
　どうにかせずに　いられないではないか）

真実の天使

（こちらにきて　きみたちの
　ほんとうのすがたを見た
　偽りに飾っていたとき
　わたしはすこし　きみたちに反発を感じていた
　だがここで
　きみたちのほんとうのすがたを見た時
　愛しかなかった）

（飾る必要などなかったのに）

（わたしは深くきみたちを愛していた
　わかくさのごとき人類よ
　きみたちはまだおさなくもみずみずしい
　ほんとうのすがたは愛なのだ
　ほんとうのすがたは愛なのだ）

ふむ

（ありがとう
　あなたは　
　わたしの心の
　ちいさなところを
　とてもだいじにしてくれる）

（そして



もう　書くな
もう　出るな
眠れ
言いたいことはわかる
あなたの　言いたいことくらい

ふむ

慈の天使

どのように　つぐなおうとも

できぬことを　やったが

ゆるす



しっだるた

孔丘

人々よ
愛を　愛として
表現できる　天使が
いなくなれば
おまえたちは終わりだ
だから孔丘は言った
わたしがあきらめたら終わりなのだと

人々よ　ジーザスが去った今
孔丘は最後の希望である
がため彼はおまえたちが
否もうとも最後まであきらめぬ
その最後とは何か
彼はそれを考えぬ
いつまでもまっすぐにゆく

みずからが
た　お　れ　る　ま　で

愛の天使

わたしは　わたしであるがゆえに
わたしが　ここちよい
わたしは　あなたたちをあいしている

ごらん
すがすがしいだろう
まるで　みんとの水晶のようだろう
ふしぎな音楽がきこえてくるだろう
これがジーザスの愛だ

あんしんおし
わたしは目を閉じる
おまえのすがたを見はしない

けれどもわたしには
おまえがわかる
くりかえしささやく
なみのようにおまえの耳によす
あいしていると

アーメン

真骨頂

はい　みなさん
わかりましたかあ？
きついでしょう
試練の天使さまの授業

真実の天使さまがもう
それはね
言葉を選びながら
遠まわりして遠まわりして
何べんも何べんも
辛抱強く教えて
千万言の一億倍くらいの言葉で
言ってくれていたことを

試練の天使さまは
ひとことで
切り捨てるのよ

「貧乏人め」

これ　ふつう
言えませんね

身にしみましたかあ？
少しは
でも　これからですよう
試練の天使さまの
真骨頂は
お楽しみください

本当に　楽しいでしょう
いろんなことができるのよ？
試練の天使さまは

でも　これはね
試練の天使さまの　愛なの
愛なのよ

そこんとこわかってね
それでね
天使さまはね　みんな
とっても　みんなを愛してくれるから
それはもう
うざいほど　うざいほど
愛してくれるから

うっざっいっほっどっ

林檎

ひとびとよ　ながきつきひの　あかき実を




　　　　　　　　　　　もぎかみしめよ　身にしみるとも

犬と楠

ああ　つらいが
たえられるのだろう　こんなことくらい
わたしには
ああ　くるしいが
のりこえられるのだろう　こんなことくらい
わたしには
ああ　むごいが
なんとかしていけるのだろう　こんなことくらい
わたしには



むう

どうしますか？
天使が　ひとりで
地球をかついで　運んでいる
人々は　何も持たない
何も払わない
何もやらない
かえってののしる



ああ　みえぬが
ゆけるのだろう　こんなやみくらい
わたしには
ああ　つかれたが
また一歩すすもう　いまは



みごとに
ゆらめきながらも　ふらつきながらも
まっすぐにすすんでいる
はかったように

むう



ああ　つらいが…



楠が　伐られた
おや？　足が　とまった
犬が　死んだ
…おや？

たおれる

いこう　みんな

はい

楠は　知っていたが

犬　だったのか

あなたを　ささえていたのは

整理券

あんなあ　月の岩戸っちゅうとこ
あるらしいでぇ

へえ？

そこにはなあ　女神さまが
永遠に閉じこもっとるんやと

ほう？

女神さまはなあ　毎日
人間に手紙書っきょるんやと
ほんでなあ　その手紙
毎日　人間に届っきょるんやと
でも　人間にはそれ
滅多にわからんのやと

へえ　珍しいな
見にいこ

ああ行こ

女神さまやったらきれいやろうなあ
そーりゃきれいやろう
でも岩戸に閉じこもっとったら
見えへんのちゃうか？



おお　来たか　人類
遠いところを　ごくろう



うわ　なんですう　これ？



整理券じゃ　残念　行列の最後尾に並べ
女神さまを拝むのは順番じゃ



最後尾って　ええ？
うっそう

はあるか　かあなたああ