これは、北辰制の一つの目標とするべき成果をなした天使である。
日本史には、大化の改新をはじめ、様々なことをなした強い人物像が伝えられているが、それらはすべて真実ではない。彼はお人よしを進化させたような天使だった。だから人の頼みを断ることができず、来るものは拒まずですべて受けいれてしまったら、あらゆる責任を押し付けられて、他人がしでかしたことを全部自分のしたことにされてしまったのだ。
このころの歴史は、何もかもを天智のせいにするために、当時の人間が作りまくっているんだよ。
本当の彼は、それほど大きなことをしたわけではなかった。際立って美しいわけでも、きつい個性があったわけでもなかった。
ただ真実の愛のみによって、誠実に皆の幸福のために働く、そういうことを素直にやってくれたという天使なのだ。
高い愛とは、実にこういう姿をしているものなのだ。
ごく普通の、当たり前の人間の姿をしている。だが、その人がいると皆が幸福を感じる。
その人は、人が嫌がることはしない。自然に、みんながよいことになる方向に、すべてを運んでくれる。その人がいる。ただそれだけで、皆はほっとして、何にも不安がる必要はないような気がする。それが、本当の愛の姿というものなのだ。
北辰制は、この天皇の実像を、一つの道標として、考えていこう。