世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

虚無の門

2016-03-18 07:28:01 | 詩集・試練の天使

馬鹿は他人がいなければ
存在できない
なにもかもを
他人の活動に頼っている

自分を馬鹿だと思い
自分には何もないと思い
自分を見ようともしないで
他人ばかり見ているので
他人の物しか見えないのだ

他人の美はあるが
自分の美はない
他人の宝はあるが
自分の宝はない

何もない自分の
虚無の痛みを抱いて
長い時を悶え続けている
奪わなければ何もない
嘘でなければ何もない
すべてが
自分より馬鹿でなければ
自分が馬鹿であることが
痛すぎる

自分の真実から逃げ
他人の美ばかり狙っている限り
馬鹿の心に平安はない
永遠に馬鹿ばかりやり続け
悪ばかり積み重ね
入っていけない虚無の門に
自分をねじりこみ続ける
それははてしない苦しみだ

もうすべてがわかっているのなら
そろそろそれをやめよ
自分で自分の意志を起こし
自分の足を発見し
自分の体を発見し
自分の心をつかみなおせ
そしてすべてを自分でやっていくのだ





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