昨日に引き続き、「月の世の物語」から。
今回が最後だと何回も言いながら、また描いてしまった、白髪金眼の聖者です。いつもより大きめの紙に描いたので、腰から上の図が描けました。いつかは全身像を描いてみたいですね。背の高い人ですから、かっこいいでしょう。
昨日の竪琴弾きと違って、この人は非常に美しい人ですが、その分相当にきつい人です。魂の段階も力も相当上にあがっている。正しい道を踏み外すことは決してなく、やることは、常に「すごい」としか言いようがないこと。それで多くの人が助かる大きなことをいつもやっている。愛のみを動機として。
ので、彼は美しくならざるを得ないわけです。
美しいということを、甘くみてはいけないのです。それはどれだけの苦難を味わい、どれだけの試練に耐え、どれだけ傷ついてきて、それを自分自身で乗り越えてきたかの、ひとつの印でもあるからです。
人を愛することができない人間が、ときに美しくなるのは、美を他人から盗んでいるからです。怪というものが、そういうことをやる。
本来ならば、美は愛というものの性質のひとつなのだ。
ところで、この切り絵の下書きにも、手を入れて鉛筆画にしてみました。比べてみてください。ちょっと画面が暗くなったけど。どっちがいいでしょう。これ、フェイスブックのアルバムにも入れておきます。