日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

晩秋の大地を行く 2020 - SHO-RIN

2020-10-25 22:55:10 | B級グルメ
札幌市街へ戻る頃から小雨が降り出し、今なお降り続いています。しかし、時折やや強まることはあるものの、大半の時間は傘も要らない程度の小雨です。すすきのでも傘をさす人々の姿は見当たりません。やがて来る冬のことを思えば、この程度の雨などどうということはないのでしょう。自身も傘は持たずに来ました。そのまま歩いて向かったのはSHO-RINです。
常々語っている通り、自身にとって札幌ではラーメンよりもスープカリーです。すすきのの繁華街にあり、深夜まで開いている当店には長年世話になってきました。連泊なら他の店へ行ってみるのも一興とはいえ、道内最後の夜ならば、慣れ親しんだ店がいい思うのは人情です。よって、当店へ行くことについては一切迷いがなかったものの、注文まで同じではさすがに芸がありません。スープカリーといえば鶏の骨付き肉ですが、肉は先ほどいただいたため、今夜は野菜十種を奢ったベジタブルカリー、スープは自身初見となる海老スープなるものを選びました。
こうして選んだ海老スープ、薄暗い店内の中で見る限り、基本のスープとほぼ変わらない出で立ちで、味わいにも決定的な違いまではありません。ほのかに感じるトマトの風味が、海老の風味に置き換えられた程度でしょうか。もう一つ気付いたのは、海老の出汁によってまろやかさが生まれ、同じ辛さでも体感に違いが出るということです。とはいえ、二日続けていただいたからこそ分かる違いであって、一年ぶりなら分からなかったかもしれません。あえて日参した甲斐はありました。

SHO-RIN
札幌市中央区南5条西3-10 グランド太陽ビル1F
011-522-2622
平日 1700PM-315AM(LO)
日祝日 1700PM-015AM(LO)
月曜定休
ベジタブルカリー1260円
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晩秋の大地を行く 2020 - 夜空のジンギスカン

2020-10-25 21:21:32 | 居酒屋
何から何まで出来過ぎだった去年の旅には敵わないかと思いきや、蓋を開ければ十分以上に健闘し、やり残したことの少ない旅となりました。昨晩振られた「ふらの」を訪ねたことにより、「平次」に寄れなかったことが唯一にして最大のやり残しといっても差し支えありません。日曜のすすきので欲張るつもりもなく、今一度スープカリーだけいただいて締めくくるにもやぶさかではありませんでした。しかしよくよく考えると、もう一つやり残していたことがありました。二軒目に選んだのは「夜空のジンギスカン」です。

自分自身ジンギスカンには頓着がありません。北海道を出る前に一度はいただきたいというだけのことであって、どの店へ行きたいという強い希望はありませんでした。当店を選んだのは、系列店で何度か世話になっており、多少なりとも勝手が分かっていたからです。とはいえ、ジンギスカンの経験値は居酒屋に比べ相当低いといわざるを得ません。それによる誤算がいくつかありました。一つは、最初に目指した支店が閉まっていたことです。代わりに入った、おそらく最近できただろう支店には、カウンター席がありませんでした。しかもビールはまたもやスーパードライです。誤算はなおも続きます。注文を正しく伝えることができず、意図せざるものが運ばれてきたのです。
元々の考えは、味付のジンギスカンを一人前だけいただこうというものでした。当店の名物といえば生ラムジンギスカンですが、自身が考えるジンギスカンとは、スーパーで買った味付け肉を使うものです。ところが、あれに近いものをと考えて「味漬けジンギスカン」を注文したつもりが、店の側には「味付け四点セット」として認識され、二軒目には持て余すほどの代物が出て面食らうという顛末でした。

四枚ある小皿には札が添えられ、それぞれにやわらか、味噌、塩もみ、味漬けの文字があります。生ラムを珍重する向きには、やはりやわらかジンギスカンでしょう。しかし、自身の好みは何といっても味漬けです。タレの違いもさることながら、他の三種と決定的に異なる点は切り方にあります。刺身に近い適度な厚さで切り分けられた三種と違い、こちらは薄く大きく切り分けるのが特徴です。
自身が考えるジンギスカンは、スーパーの味付け肉をもやしとともに鍋の中へ放り込むだけの代物で、タレともやしの水分により、焼くというより煮るに近いのが実態です。しかしそれでは他人様からお金をいただくに値しません。昔ながらの味付けを前提に、生ラム同様鉄板で焼き上げるという前提で考えた場合、この切り分けが最適という結論に達したのでしょう。研究の跡が窺われる一皿でした。

夜空のジンギスカン 45店
札幌市中央区南4条西5丁目 備広札幌すすきのビル2 4階
011-218-4129
1700PM-030AM(LO)
大晦日及び元日休業

千歳鶴
味付け四点セット
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晩秋の大地を行く 2020 - ふらの

2020-10-25 19:41:04 | 居酒屋
「ふらの」は九時で早仕舞いすると聞かされていました。お客が帰ればさらなる早仕舞いもあり得ます。そうなることも見越した上で、風呂には入らず直ちに出てきたわけなのですが、この判断はどうやら正解だったようです。一人だけいた先客はすぐ帰り、その後に来た一見客は断られました。このことから窺われるのは、八時を過ぎたところで明かりを消している可能性です。悠長に風呂など浴びれば八時を回る可能性は少なからずありました。そうなれば、またしても明かりの消えた店先で立ち尽くしたかもしれません。最後の夜がその始末では台無しになるところでした。
飲食店を生殺しにする強硬策がひとまず緩和された後も、慎重な姿勢を維持する店主は散見されます。こちらの店主もその一人なのでしょう。早仕舞いするだけでなく席数も減らされ、カウンターは中程の三席分しか使われていません。一連の騒動が表面化してからというもの、特定の繁華街を目の敵にするような風潮を、お上が是正するどころか助長するというあるまじき事態が横行しています。道内においてはすすきのがまさしくそれです。風評被害で人出が減り、営業時間は切り詰められ、あまつさえ席数まで減らさざるを得ないとなれば、苦境のほどは推して知るべしです。しかし、店主からはこのような事態が数年単位で続くことを覚悟しているかのような発言がありました。一過性の出来事ではないからこそ、下らぬ噂に一喜一憂することなく、大局観を持って冷静に対処しようということでしょうか。共感できる姿勢です。
居酒屋の心当たりは一軒限り、次のことを気にする必要もありません。せめてもの支援を兼ね、おまかせの肴を初めてお願いし、酒を四杯飲み干してから席を立ちました。

ふらの
札幌市中央区南5条西4
011-521-6611
1700PM-2100PM
不定休

サッポロクラシック
男山
法螺吹
大法螺
いか三升漬
自家製トーフ
お造り三品
キングサーモン焼
青粒貝煮
自家製うにみそ
お新香
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晩秋の大地を行く 2020 - 最後の夜

2020-10-25 19:10:43 | 北海道
給油を済ませて再び車を走らせると、今夜も月が雲間から顔を出しました。ほぼ真正面の上空でした。その月を仰ぎつつ、さらに走って市街に帰還。札幌に終日滞在したことにより、本日の走行距離は上陸以来最少の50kmにとどまりました。出発からの走行距離は3500kmを超えたところです。
次へ行くつもりが舞い戻るという顛末は上陸二日目以来ですが、実をいうともう一つの選択肢がありました。そのときも世話になった萱野駅のライダーハウスです。わざわざ逆へ走ろうと考えたのは、札幌の呑み屋事情の貧弱さに起因します。ただでさえめぼしい店が少ない上に、なけなしの店の大半も日曜が定休で、心当たりのある店が極限にまで絞られるのです。「ふらの」が開いているのを確かめたことにより、連泊という形で決着したものの、そうでなければ萱野に戻っていたでしょう。しかし昨日、これが最後と挨拶したにもかかわらず、いけしゃあしゃあと舞い戻るのも小恥ずかしいものがあります。結果としてこれでよかったのではないでしょうか。
再開後は今一度北海道に戻ることにはなるものの、ひとまず今日が最後の夜です。現在の気温は10度、昨日にも増して暖かい夜になりました。薄手の雨合羽だけ羽織ってすすきのへ繰り出します。
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晩秋の大地を行く 2020 - 四度目の給油

2020-10-25 18:13:23 | 北海道
モエレ沼から一本道を西へ進むと篠路に至ります。釧路からオホーツクを経て旭川に戻り、鶴居で入れた燃料の大半を消費していましたが、昨日も今日も天候が思った以上の健闘を見せ、補給をする時間がありませんでした。ホクレンの給油所が現れたため、こちらで道内四度目の給油を済ませます。
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晩秋の大地を行く 2020 - 二日遅れ

2020-10-25 17:34:07 | 北海道
かねがね興味があったのは、三角錐に設置された照明が、暗くなると灯されるのかということです。その可能性に賭けてしばらく待ったものの、五時半になっても灯る様子はありません。催し物のあるときにでも点灯するだけなのでしょう。事実を確かめたところで切り上げます。
札幌に終日滞在したことからもお分かりの通り、今日中に函館へ行くという選択肢はなくなりました。結論から申しますと札幌に連泊します。元々の構想では一昨日に一泊だけして函館へ向かうつもりだったため、今の時点で二日遅れということです。そのうち一日については、道南での活動を切ったことにより取り戻したわけなのですが、残る一日を取り戻す手段としては、今のところ北海道新幹線を考えています。
北海道新幹線の開業は、北海道へ列車で行くという選択肢を事実上奪いました。不相当に高額な料金以上に痛かったのは、道内での滞在が実質一日削られることです。それまでは「はまなす」と始発の新幹線を乗り継ぐことにより、道内を各地を夜に出ても翌朝帰着することができました。それが今では、新幹線でその日のうちに帰る以外の選択肢がなく、最終日の大半が新函館北斗までの移動に費やされてしまうのです。そのような事情もあり、開業以来ただの一度も乗ったことはなかったわけなのですが、今回に関する限りは道内にいられる期間が一日延びるという正反対の効果があります。よほど寄り道しない限り、札幌を明朝に出ても最終の新幹線には間に合うため、車を置いて列車に乗れば予定通りに帰京できるという寸法です。
青森を拠点に一旦帰京するはずたった当初の予定に比べると、運賃、料金を合わせて往復一万円もの出費が加わります。しかし当初の予定によると、本日は函館までの移動に終日費やされるはずでした。しかも日曜の晩だけに、あちらへ着いても呑み屋の心当たりがありません。翌日も実質的に使えるのは昼頃までに限られます。つまり、今日と明日は青森まで車を回送するだけの活動になっていたということです。ところが修正案により、道央にもう一日滞在することができ、再開後も限られた時間とはいえ函館に滞在できるという違いが生まれます。そのための代償としては高くないと考えている次第です。
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晩秋の大地を行く 2020 - モエレ沼公園

2020-10-25 16:55:51 | 北海道
あえて一日踏みとどまった甲斐はありました。モエレ沼公園で日が沈むのを見届けたところです。
一昨年の花見のとき、ここで印象的な光景に出会いました。平板な曇り空が暮れて行き、元々の目的だった花見自体は全く振るわなかったものの、思わぬ収穫となったのは、広い園内の一角にある造形物です。肉眼では平板な曇り空にしか見えなかったにもかかわらず、巨大な金属管を組み合わせた三角錐の造形物を撮ったところ、空に微妙な陰影ができており、その空の下で無機質な金属管がえもいわれぬ存在感を放っていたのです。あたかも空まで一つの芸術作品になっているかのようでした。曇ったとはいえ空に陰影がある条件なら、なおさら絵になるはずだと考え、車を走らせてきた次第です。
その狙いは的中してくれました。夕日が直接射すことはついになかったものの、西の空に陰影ができ、それを背にした三角錐が影絵になっていたのです。上陸後、八日にわたって様々な夕景を眺めてきましたが、絵になる眺めという点では今日が一番と言い切れます。
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晩秋の大地を行く 2020 - 再登場

2020-10-25 14:43:36 | B級グルメ
元々の予報を思えば今日も大健闘でしたが、二時頃から再び曇ってしまいました。局所的には晴れていたそれまでと違い、空全体が鱗雲に覆われていて、すぐには晴れそうにもありません。残り時間の使い道が思案のしどころです。お昼にスープカリーをいただくのも一案ではありますが、ただでさえ短い日中の残り時間を考えると、今は手早く済ませるに限ります。選択肢はセイコーマートに絞られました。かねてから再登場を示唆していたザンギとピリ辛明太子パスタを組み合わせ、公園のベンチを拝借していただきます。
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晩秋の大地を行く 2020 - 宮丘公園

2020-10-25 13:01:04 | 北海道
執念の勝利です。晴れている場所を探り当てました。続いて立ち寄るのは宮丘公園です。
中山峠が既に積雪していることを、中継映像によって知りました。その結果、函館へ向かうとすれば小樽経由が最も現実的な選択肢となりました。そこでひとまず西へ走ったわけなのですが、それによって気付いたのは、手稲山の方角が比較的晴れているということでした。あちらへ向かえばもしやと思いそのまま走っていったところ、果たして再び日が射しました。手近なところにあったのがこの公園だった次第です。
札幌駅前から続いてきた西行きの通りが山に突き当たり、短いトンネルを抜ける直上にある公園です。鬱蒼とした木立が茂る小高い丘に遊歩道が巡らされている状況は、仙台の青葉の森にもどことなく通ずるものが感じられます。他に何があるというわけではないものの、木々がこれだけ色づけばそれだけで絵になってくれます。駐車場から30分ほどをかけ、園内の先端にある広場で小休止をとったところです。
雲が動かないということは、晴れている場所では晴天がそのまま続くということを意味します。実際のところ、着いてから日が陰ったことはありません。しかも、上空に居座っていた雲までが晴れてきたということか、現在地から見る限り、札幌駅の周辺までは晴れているようにも見えます。この好天が続くなら、函館を切って終日こちらに滞在するのも悪くありません。ひとまず市街の方へ戻ってみるつもりです。
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晩秋の大地を行く 2020 - 農試公園

2020-10-25 11:02:33 | 北海道
幸いにも、大通の周辺にいた間はおおむね晴れてくれました。10時前には曇ったものの、上空には依然として青空が広がった領域も見られます。場所を変えれば晴れるかもしれないという淡い期待を捨てきれず、札幌市街を右往左往しているところです。続いては農試公園を訪ねます。
こちらでも木々の彩りは鮮やかです。それだけに、晴れそうでなかなか晴れない空模様がもどかしく感じられます。一向に日が射さなくなったのは、雲の動きが鈍くなってきたからでしょう。よくよく観察してみると、低い空の雲は流れているものの、その上空の雲がほとんど動きません。この状態から晴れるのを待っていてもきりがなく、晴れている場所へ向かってとにかく走るしかありません。それでもここへ立ち寄ったのは、他に目当てがあったからです。園内に保存されたD51がそれで、11号機の若番は現存するD51の中で六番目、道内では神居古潭の6号機に次ぐ存在にあたります。
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晩秋の大地を行く 2020 - 大通公園

2020-10-25 08:58:34 | 北海道
最初にやってきたのは大通公園です。曇り空が所々晴れており、なおかつ雲が次から次へと流れていく上空は、昨日を再現したかのようです。そのおかげで常時とは行かないまでも時折日が射してきます。一時間有効のパーキングチケットを買い、その範囲内で粘れるだけ粘ってみるつもりです。
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晩秋の大地を行く 2020 - 法華クラブ札幌

2020-10-25 08:32:47 | 北海道
宿泊事情の逼迫しがちな大都市において、定宿を持つのは至難の業です。しかし、札幌ではこのところ法華クラブを続けて手配できています。土曜とはいえ非常時ということもあり、予約サイトで検索すると100軒以上もの候補がありました。その中に法華クラブもあったため即決という結果です。
閑古鳥が鳴いていたわけでもなく、検索の候補で出たのは喫煙のシングル一室だけでした。しかし、ダブル、ツインが空いたとき、同じ料金で融通してくれるのは法華クラブのありがたいところです。昨晩も温情措置が講じられ、広々したダブルルームに泊まることができました。
関心事の一つだったのは朝食の現状でしたが、マスクとビニール手袋着用という制約が加えられながらも、バイキングは維持されていました。席数の他、人手が若干減らされた可能性はあるものの、だからといって整理整頓が疎かになるなどということもありません。非常時においても平時の質を維持し続けていることに、宿泊客に変わらぬ満足を提供しようというもてなしの精神が感じられました。そのおかげで快適に過ごせたことに感謝します。
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晩秋の大地を行く 2020 - 十一日目

2020-10-25 06:52:23 | 北海道
おはようございます。その後は歩いて宿に戻りました。意中の店に揃いも揃って振られ、一時は立ち尽くしたものの、それなりに立て直せたことについては満足です。
予報の上では全く期待できなかったにもかかわらず、旭川ではそこそこ晴れてくれました。あの僥倖が再現されるかもしれません。部屋からの眺望がないため、この目で確かめたわけではないものの、雲の切れ目に青空が広がっていて、そこから朝日が射してきているようなのです。中継映像を見る限り、先程は札幌市街に、今は小樽市街に日が射しています。昨日の経験から、短い間だけでも晴れればそれなりに楽しめるものだと改めて思いました。この空模様が続いてくれることを願います。
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