本日の晩酌 - 田酒

二月に弘前を訪ねたとき、豊盃との二者択一で選んだのが田酒のうすにごりです。豊盃はその少し前にもいただいていただけに、本来なら二者択一にはなり得ない状況でした。しかるに迷ったのは、うすにごり、澱絡みの類を日頃から積極的には選ばない自身の嗜好に加え、水色の瓶が俗に言う夏酒を連想させたからです。飲み応えと引き換えに涼感と軽快さを偏重するその手の酒と、同類ではないかと懐疑的だったわけなのですが、それは幸い杞憂に終わってくれました。
一口味わってみて思い出したのは干支ラベルです。あの発泡感をごくわずかにとどめ、その代わりに澱絡みの甘酸っぱさを付け加えたとでもいえばよいでしょうか。あえて新酒の頃には出さず、飲み頃を迎えてから出荷されたことが窺われます。鮮烈さよりも繊細さが印象に残る一本でした。

★田酒 純米吟醸生 うすにごり
西田酒造店(青森県青森市)
精米歩合 55%｣
アルコール分 16度
青森県弘前市 酒の柳田にて購入