日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

晩秋の大地を行く 2020 - 晩酌

2020-10-22 21:33:03 | 晩酌
さろまにあんの世話になると決めたのは阿寒湖に着いた後でした。当然ながら夕食の手配は間に合わず、去年と同様食料を調達してから向かうことになりました。経路上で買い出しするなら美幌だろうと思っていたところ、果たしてコープさっぽろがあったため即決という結果です。
萱野に投宿したときは鍋物を主役に据えましたが、ここでは火が使えません。鍋の代わりに選んだのはセイコーマートの100円惣菜です。コープの見切り品だけでも用は足りたところ、あえて見送り掛け持ちしたのは、セイコーマートの惣菜も北海道の旅を飾るに欠かせないものの一つだからに他なりません。今回の道中を通じ最初で最後となるかもしれない機会なら、とりわけ愛用してきたものにしたくなるのが人情というものでしょう。かような観点から選んだのは、北のポテトサラダと北海道芽室産切干大根です。

サッポロクラシック
北海道産にしん刺身
長崎産真あじ刺身
秋あじ漬
北のポテトサラダ
北海道芽室産切干大根
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晩秋の大地を行く 2020 - 最果て

2020-10-22 21:15:33 | 北海道
美幌から卯原内を経て国道238号線に入るも先行車は皆無。釧路から約230km走って浜佐呂間に着きました。出発からの走行距離は3080kmを超えたところです。
津別からはおおむね平地を走ってきました。しかし、序盤で走った石狩平野、上川盆地と決定的に違うことがあります。明かりが非常にまばらなのです。最果てを旅していると、暗い中でも実感できる車窓でした。空はいつの間にやら晴れ、上空には満天の星空が広がっています。オホーツクだけ晴れるという予報は的中したようです。明るいうちに来てみたかったという思いは残るものの、決して無駄足ではなかったと言い切れます。
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晩秋の大地を行く 2020 - 北見相生駅

2020-10-22 18:32:10 | 北海道
交通量皆無の釧北峠を越え、さらに走ると現れるのが北見相生駅です。気温は阿寒湖畔とほぼ同じ12度、しかし風が止んだためか体感が変わり、あちらで羽織った上着を再び脱ぎました。
去年は臍を噛みました。最善を尽くしたもののあと一歩及ばず、かつての駅の構内が日陰になってしまったのです。保存された車両達が塗り直され、面目を一新していただけになおさら惜しまれました。あれ以来、日中に再訪するのが課題の一つだったわけなのですが、残念ながら返り討ちです。しかし、一応寄るだけ寄ったところ、これがあながち悪くありません。照明が焚かれるなどという虫のよい話こそなかったものの、道の駅の敷地に一番近い気動車だけは、街灯の明かりを鈍く反射しています。駅前には眩しすぎるほどの街灯がついており、駅舎が浮かび上がっていました。さらには、来し方に浮かんだ月が雲間から時折現れ、駅舎に重なるという幸運も。国道を時折車が通る以外は、物音一つ聞こえてこない静かな駅前の情景が印象的です。
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晩秋の大地を行く 2020 - 阿寒湖バスセンター

2020-10-22 17:28:19 | 温泉
朝から悩み続けた問題に結論が出ました。本日はさろまにあんの世話になります。然らば一風呂浴びてから向かいたいところではありますが、手近なところを探すまでもありませんでした。バスセンターが温泉併設だったのです。
阿寒湖畔に温泉旅館が建ち並ぶ中、バスセンターの入口に素泊まり四千円の文字がありました。しかも、温泉があって日帰り入浴もできるようです。ところが、その温泉とやらの入口がどこにも見当たりませんでした。窓口を訪ねて案内されたのは、待合室を出て発着場を横切った先にある、宿泊者専用と掲げられた勝手口です。靴を脱いで上がり、商人宿、あるいは寮を彷彿させる飾り気のない廊下を歩いて、突き当たったところにある浴場には、やはりその手の施設にありがちな雰囲気が漂います。
こうなると謎なのは、用務客がそれほどいるとは思われない観光地で、誰を相手に商売しているのかということですが、廊下の張り紙によって全てが飲み込めました。到着が遅い乗務員もいるので、鍵を閉めないようにというのがその文面です。乗務員の宿泊所を本来の目的としつつ、一般客も受け入れているのが実態なのでしょう。お湯、雰囲気で二度楽しめる温泉でした。

★阿寒湖バスセンター
釧路市阿寒町阿寒湖温泉3-4-5
0154-67-2655
1100AM-2000PM
入浴料500円
泉質 単純温泉(中性低張性高温泉)
泉温 58.5度
pH 6.8
湧出量 毎分200リットル(動力揚湯)
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晩秋の大地を行く 2020 - 阿寒湖

2020-10-22 16:15:50 | 北海道
明るいうちにオホーツクまで走ることは残念ながら叶いませんでした。わずかな残り時間で阿寒湖畔を歩いてきました。日は暮れかけているものの、西の空が部分的に晴れており、陰影のある空が意外と絵になります。ここまで走って来る途中の木々の彩りも見事でした。観光地に頓着のない自分にはこれで十分です。
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晩秋の大地を行く 2020 - 四日ぶり

2020-10-22 15:51:18 | B級グルメ
阿寒の道の駅を出ると、直後に雨が降り出して、やがて土砂降りになりました。しかし幸い短時間で止み、その後は阿寒湖まで順調に走行。バスセンター併設のセイコーマートが現れたため、こちらで遅いお昼をいただきます。
萱野を出た日以来三日ぶりの登場ですが、あのときは前日に買ったものをいただいたため、店に寄るのは四日ぶりということになります。半端な時間ということもありホットシェフの丼物はなし。しかし、夜の部に響かないよう軽めにとどめるつもりでいたため問題ありません。フライドチキンとピリ辛ザンギ焼きそばを組み合わせました。
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晩秋の大地を行く 2020 - 炭鉱と鉄道記念館

2020-10-22 14:33:32 | 北海道
鶴居から西へ向かう道道を経由して国道240号線に合流。少し走ると雄別鉄道の遺構があります。続いて立ち寄るのは炭鉱と鉄道記念館です。
かつての線路は、山を隔てた西側を並行する道道沿いを通っていました。つまり、かつての駅の跡地というわけではないものの、その名の通り炭鉱と鉄道の記念館が造られて、機関車が保存されていると聞きました。日曜のみ開放されるという記念館の見学は叶わないものの、機関車だけでも見ていこうと思い立った次第です。
事前に掴んだ情報から、道の駅の一角にあるのかと思いきや、そこから五分弱歩いたキャンプ場の一角に、駅舎風の記念館がありました。裏手にはホームも造られ、そこにC11と車掌車が鎮座します。鶴居の車両と同様に屋根の下でよい状態を保っており、運転席も艶やかに磨かれて、日頃の手入れの入念さが一目瞭然です。
ちなみに現在の気温は15度、数字の上では朝方からほとんど上がっていないにもかかわらず、体感が次第に生暖かくなってきました。天候は着実に坂を下っているようです。
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晩秋の大地を行く 2020 - 三度目の給油

2020-10-22 12:56:20 | 北海道
北海道では早めの給油が鉄則です。深川で補給した燃料を七割方消費したため、鶴居市街を出る前に道内三度目の給油を済ませます。
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晩秋の大地を行く 2020 - ふるさと情報館

2020-10-22 12:29:40 | 北海道
道道は時折釧路湿原を横目にしながら北上します。ビジターセンターなる施設を訪ねれば、村営軌道を転用した遊歩道を歩けるとのことではありますが、そこまでするなら天気のよい日を選びたいものです。素通りして鶴居の市街まで走りました。目当ては保存車両です。ふるさと情報館と名付けられた施設の一角に、L型のディーゼル機関車と、俗にいう湘南顔の自走客車が鎮座しています。二両とも屋根の下でよい状態を保っているのは喜ばしいことです。
館内ではかなり充実した展示が行われており、映像の視聴を省いても一時間近くを費やしてしまいました。村の基幹産業である酪農に関する展示が半分以上を占めており、簡易軌道に関する展示は林業ともどもおまけ扱いされているかのようではありますが、四枚のパネルを使った解説は、自身が知る限り小樽市博物館に次ぐものです。時間が押してしまったものの、一見の価値ありと思える施設でした。
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晩秋の大地を行く 2020 - 鶴居村営軌道

2020-10-22 10:27:00 | 北海道
富喜和荘の館主から教えられたのは、網走の方へ行くなら国道よりも道道を走った方が断然よいということです。大型車が少ないというのがその理由でした。しかし、理由にかかわらず道道経由で行くつもりではありました。目当ては鶴居村営軌道の遺構です。
昭和40年代まで、道東と道北には簡易軌道という交通機関がありました。道路が未整備だった頃、国鉄の駅から離れた村との間を結ぶために造られた、自治体の運営による軽便鉄道の一種です。その名の通り簡易な造りだったため、廃止後は跡形もなく消え失せたところが多く、現存する車両も数えるほどに過ぎません。貴重な遺構が沿道にあるため、それらを訪ねてみようと思い立った次第です。
最初の遺構は湿原の中に忽然と現れます。雄別鉄道と立体交差するために造られた橋台で、簡易な方がそうでない方を跨いでいたという点でも特筆される物件です。東側の橋台だけが現存しており、反対側の橋台は前後の築堤ともども跡形もなく姿を消しました。一方、橋をくぐっていた雄別鉄道は自転車道に転用され、延々辿ることができます。実をいうと、折り畳み式の自転車を買って車に載せ、ここぞという場面で走ってみようと密かに構想しているところです。実現した暁には、ここがもちろん候補の一つになるでしょう。
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晩秋の大地を行く 2020 - 北へ

2020-10-22 10:15:12 | 北海道
昨秋泊まったときと同様に、館主はこちらが見えなくなるまで見送ってくれました。名残惜しさが募る一幕でした。ひとまず北へ向かって走ります。
迷いながらもこのような選択に至ったのは、オホーツクが晴れる可能性に賭けたのに加えて、決断を延ばせるからでもあります。十勝へ向かって走り出した時点で、オホーツクは事実上放棄するしかないのに対し、オホーツクへ向かうことが旭川を切ることを直ちに意味するものではありません。遠軽から自動車専用道を飛ばせば、日没後に出発しても旭川には着くからです。去年世話になったさろまにあんを、見舞いがてら再訪するのも一興ではありますが、旭川で再び呑むという選択を今の時点で捨て去ることもできません。さろまにあんに泊まるとしても夕食はいただかないという前提で進め、日が暮れたときの気分に任せます。
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晩秋の大地を行く 2020 - 旅館の特権

2020-10-22 09:28:05 | 北海道
今朝もお櫃のご飯を残さずいただきました。二泊にわたって世話になった富喜和荘を出発します。
がら空きだったはずの宿が、またしても土壇場でことごとく埋まるという不可解な事態に直面し、図らずも連泊という形になりました。しかし、結果としてはこれでよかったと納得しています。金沢のきくのやと木津屋旅館、清水の福住にしてもそうですが、昔ながらの旅館に何度か世話になると、館主、女将とも気心が知れるようになり、それがますます居心地をよくするという事実があります。フジグランドホテルに何回泊まろうとも、このようなことはありません。旅館の特権といってよいでしょう。
三階まである宿を、館主と女将の二人だけで維持することの難しさは察して余りあります。二人いる子息はいずれも役所勤めをしていると聞いており、いずれ家業を継ぐのかどうかは分かりません。それだけに、いつまで世話になれるのかとつい考えてしまいます。しかし、駅裏で明かりが灯され続ける限り、自分にとってここ以上の宿はありません。今後釧路に泊まるときは、予約サイトを見るまでもなく、ここに一報入れようと思っている次第です。
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晩秋の大地を行く 2020 - 八日目

2020-10-22 06:39:01 | 北海道
おはようございます。窓の外には予報通りに冴えない曇り空が広がっています。今日は曇、明日は終日雨というのが最新の予報です。ただし気温も上がるため、ひとまず雪の心配は要りません。明日降られるだけで済むならば、一日降られただけだった去年と互角の結果となります。一両日をやり過ごしつつ、終盤に多少なりとも回復してくれることを期待したいものです。
旭川を出た時点で考えていたのは、釧路に連泊することだけで、その先についてはあくまで流動的でした。最も早い段階から念頭にあったのは、帯広を通って旭川にもう一泊し、翌日札幌に移動するという行程です。天候の崩れる二日間で距離を稼ぎ、道央まで戻ろうという算段でした。しかし昨日あたりから、オホーツクにも行くという拡大策が浮上しました。というのも、全道の予報がよろしくない中で、管内の一部は晴れると予想されているのです。道央で足踏みするまでは、オホーツクにも足を延ばすつもりだったため、一度は切った地域に行けるという点でも好都合と考えました。萱野を出る時点では、北へ行くか東へ行くかの二者択一で迷いましたが、今度は北か西かの問題ということです。
昨日の予報が維持されれば、オホーツクまで行く価値はあると見ていました。網走で午後から晴れると予想されていたからです。しかし、最新の予報では終日曇に修正され、晴れるのは紋別だけとされています。網走にはなじみが薄い一方で、紋別を訪ねたことは何度もあり、なおかつ去年も快晴下で訪ねました。それだけに、紋別だけが晴れたとしても、延々走って行く理由は乏しいのです。その一方で、旭川へ戻る案も決め手には欠けています。「独酌三四郎」にもう一度行くこと自体はやぶさかでないものの、往路に訪ねたときが上々の結果だったため、さらに重ねて行きたいと思うほどの強い願望まではないのが実情です。
このように、どちらも捨てがたいということではなく、どちらも決め手に欠けるために選べないという、望ましくない局面に陥りました。好天かどうかによって左右される北海道の旅らしい一幕ともいえます。この天候で先を急ぐ理由もないため、熟考してから宿を出るつもりです。
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