日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

花見の旅in四国 2020 - かもん亭

2020-03-20 23:08:10 | 居酒屋
宿に一旦退却し、一風呂浴びてから出直しました。この時間からもう一軒ということになると選択肢は絞られます。その中から選んだのは、先ほど振られた「かもん亭」です。
どれほどの人気店であっても、時間が経てば落ち着くものです。その一方で品の多くが切れてしまうこともあります。その予感は残念ながら的中し、店主からは切れた品が多い、それでもよければとの第一声が。お勧めしないと明言までされた前回より、多少なりとも色よい返事がきたとはいえ、鮮魚はどれも切れており、結果としては大差がありませんでした。それでもそこそこ楽しめるのは、地産の食材を活かし、自製できるものを極力自製しているからでもあります。店主の腕がとりわけ光る名店です。

かもん亭
高知市はりまや町2-3-13
088-885-0855
1730PM-100AM
火曜定休

安芸虎・豊之梅・文佳人
突き出し(鮎の山椒煮)
自家製葉わさび漬け
白芽芋から揚げ
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花見の旅in四国 2020 - タマテ

2020-03-20 20:54:56 | 居酒屋
一連の騒動が表面化してからというもの、人出は大きく減っており、遅い時間になればなるほどその傾向は顕著に表れるような気がします。しかし高知は別世界です。そろそろ空いてくるかと見て「どんこ」を訪ねたところ、先客で鈴なりになったカウンターを見て即座に退散。これで通算1勝4敗という苦戦ぶりです。しかし、これだけ負けが込んでいても、次の候補がすぐ出てくるのは天晴れというほかありません。これをよい機会と捉え、長らく食わず嫌いをしていた店の暖簾をくぐりました。続いて訪ねるのは「タマテ」です。
敬遠していた理由の一つに即席割烹という風変わりな屋号があります。教祖の著作から察するに、決して安くはない店のようでした。しかるに即席なる触れ込みを耳にして、教祖の推奨店にしばしばある、無駄に値段の高い店を勝手に想像していたのでした。呑み屋の選択肢には事欠かない土地柄、あえて訪ねる積極的な理由までは見出しがたく、今の今まで素通りを続けてきたというのが真相です。それが思わぬ苦戦を強いられたことにより、図らずも機会が巡ってきたわけなのですが、結果としてはさすがと感服させられる名店でした。

一言でいうなら、古くからの推奨店特有の老練さが光る店です。まず思ったのは、長浜の「能登」、福井の「魚志楼」との共通性でした。そのように思わせるのは、座敷を中心としながらも、玄関をくぐったところにささやかなカウンターがあって、一人酒にもお誂え向きなところが似ているからに他なりません。割烹着の女将が仕切るところも同じです。写真では安普請のようにも見えたものの、細部まで凝った造りの客席は割烹そのものであり、居酒屋との格の違いが感じられます。
その実態を知ることは、自身の無知を知ることでもありました。そもそも「即席」とは、目の前で作って出すという割烹本来の姿を表すものであって、言い換えるならさしずめ正式、あるいは本格です。しかるに安い加工食品と混同し、略式、簡易という真逆の意味に捉えていたとは恥ずかしい限りです。
そのようなわけで、居酒屋どころか大衆割烹ですらなく、正真正銘の割烹でした。これは料理が主役ということでもあり、酒については二合弱の小瓶を中心にした取り揃えです。その小瓶は氷水を満たした桶とともに供され、一杯目にはお酌もつきます。居酒屋使いをするのであれば、酒を一本いただいて、それに見合った肴を二、三品見繕ってもらうのが最善でしょうか。いずれ再訪するときの目安にしておきましょう。

タマテ
高知市追手筋1-8-17
088-872-1370
1600PM-2130PM(LO)
日曜定休

美丈夫
平目煮こごり
めしいか天ぷら
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花見の旅in四国 2020 - おおい

2020-03-20 18:43:12 | 居酒屋
連休としてはあり得ないこともない、しかしこのご時世を考えると予想外の滑り出しです。いきなり三連敗を喫しました。
人々が自粛と称して引きこもり、飲食店が大打撃を受けている今日この頃、入れるかどうかよりもなじみの店の動静が気になっていました。しかしそれは全くの老婆心に過ぎませんでした。最初に訪ねた「くもん屋」には予約満席で振られ、次いで「一釣」と「かもん亭」に一報入れるも同じく敗退。高知の酒呑みにとっては、お上のお触れも馬耳東風なのでしょうか。真相のほどはさておき、人気店が取り付く島もないことだけは分かりました。こうなると穴場を狙うしかありません。そう思い至って「おおい」の暖簾をくぐったところ、四軒目にしてようやく滑り込むという顛末です。
こちらについても余裕綽々だったわけではありません。暖簾の奥のカウンターには一組とはいえ先客がいました。元々四席分しかないカウンターだけに、空いた場所が予約席ならまたもや敗退しかねないところでした。それは杞憂に終わったものの、自分の後にも一人客が入り、カウンターはあと一席となりました。小上がりとテーブルも半分以上は埋まっており、全ての調理を一人でこなす店主は休む間もなさそうです。少なくとも、閑古鳥が鳴いているという状況ではありません。酒呑み天国高知の真骨頂を見せつけられる出来事です。

活動仲間が絶賛していたこの店を、初めて訪ねたのは昨秋のことでした。ただし、日頃から全幅の信頼を置いている教祖の情報とは違い、仲間内の情報には割り引いて捉えなければならない部分もあります。自身が最高と思っても、仲間にとって懐疑的に映る場合はあり、逆についても然りだからです。たとえば、自身こよなく愛用してきた福井の「紋や」は、当人によると客層がよろしくないとの評でした。逆に、当人が一押しする博多の「ほてい屋」は、内容的には申し分なかったものの、四六時中流される音楽が耳に障りました。これらの店に共通するのは、本質と関係のない細かな点についての嗜好が、店に対する評価の違いに表れるということです。だからこそ、細かな粗さえ見当たらない教祖の推奨店に心底感服させられるのですが。
このように、教祖の眼力はおよそ余人をもって代えがたく、いくら仲間が絶賛しても同等には信頼しがたいことが多いものです。しかし、当店に関する限りは素直に納得できました。いささかの留保もなく共感できたという点では徳島の「瀬戸際」以来でしょうか。しかも「瀬戸際」の場合、こちらにとってはご愛敬でも、客観的には細かな粗があるのに対して、当店にはそのような隙が今のところ見当たりません。過不足のない品数、良心的な値段、店主の包丁捌き、女将の老練な客あしらい、店内の雰囲気を含めてです。口コミサイトの影響か、高知の有名店が次第に入りづらくなってきたように感じられる昨今、この店に出会えたのは収穫です。

おおい
高知市はりまや町2-3-7
088-882-1894
1730PM-2300PM
水曜定休

久礼・どくれ
突き出し(どろめ)
さばたたき
おでん二品
ごちそう春巻き
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花見の旅in四国 2020 - 夕日

2020-03-20 18:10:08 | 四国
高知城の他には行く当てもありません。さりとてそのまま切り上げるのも惜しまれました。暮れていく夕日が見事だったからです。五時前に着いた時点で西日は大分傾いており、すぐにでも陰りそうな勢いでした。しかし待てど暮らせどなかなか暮れず、先ほどようやく山の向こうに沈んだところです。いかに日が長くなったかを実感させる光景でした。
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花見の旅in四国 2020 - 高知城

2020-03-20 17:19:03 | 四国
高知城を訪ねたものの早すぎました。全く咲いていないのです。ただし、おおむね予想通りの結果でもあります。山間部では所々に山桜が咲いていたものの、平野に下りてからは全く見かけなかったからです。城址をくまなく歩いても、咲いているのは早咲きの山桜一本だけで、ソメイヨシノは固い蕾のままでした。一斉に咲きだすにはまだ一週間近くかかりそうです。
しかしこれが本来の姿でもあります。一本とはいえ見頃の桜に出会えただけでも十分です。雲一つない快晴も申し分なく、斜めに射す西日を浴びた天守が様になっています。訪ねた甲斐は十分あったと言い切りましょう。
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花見の旅in四国 2020 - 渇き

2020-03-20 16:12:44 | 四国
三時間弱の移動を終えて高知に着きました。投宿して身軽になったところです。
高知平野に下りるやいなや、南国ならではの光景が広がりました。早くも田圃に水が張られていたのです。東北でこうなるのは大型連休が明ける頃、つまり一月以上も先のことです。季節感の違いをありありと実感する一幕でした。
違いを感じたことがもう一つあります。やたらに喉が渇くことです。軽く汗ばむ程度の陽気ではあっても、それ以上に渇きを感じるのが花見の旅の常でもあります。今年もこの季節が来たかと、しみじみ実感させられました。日頃は一杯目から酒を呑む自分でも、こうなると生ビールを一気に干したい気分です。しかし空は引き続き雲一つない快晴、明るいうちから酒など食らっている場合ではありません。まずはお約束の高知城へ行ってきます。
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花見の旅in四国 2020 - 南風11号

2020-03-20 13:09:39 | 中国
岡山駅に戻り、ロッカーに預けた荷物を引き取ってからホームに降りると、一時過ぎに出る「南風」が既に発車を待っていました。狙い通りの席を確保し、投宿地となる高知へと向かいます。

★岡山1305/南風11(41D)/1539高知
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花見の旅in四国 2020 - らーめん宝福

2020-03-20 12:00:35 | B級グルメ
手短に回れば一時間で済ませることも可能でした。しかしそれでは中途半端にならざるを得ません。出がけの一悶着により一時間を空費してしまった今日、さらに二時間引き延ばすのがためらわれるものの、毒を食らわば皿までです。ついでにお昼もいただきます。「宝福」の暖簾をくぐりました。
日中に岡山市街を歩くのは一昨年以来です。そのときだったかさらに一年前だったか、表町の繁華街の外れにあるこの店の存在を知りました。いかにも老舗然とした店構えに閃くものを感じ、いずれは訪ねてみようと密かに思っていたのです。その宿願が実現したわけなのですが、暖簾をくぐった瞬間に意表を突かれました。勝手に思い描いていた雰囲気との間に隔たりがあったからです。一言でいうと、思った以上に現代的、有り体にいえば安普請ということになるでしょうか。煉瓦の模様を印刷した壁紙が特にいただけません。しかし、席について見回すと、あながち悪くないことに気付いてきました。
長いコの字カウンターを女将が仕切り、奥にある厨房で店主と跡取りらしき二人組が調理するという家族経営の雰囲気がよく、老若男女を問わない客層からも人気のほどが窺えます。その秘訣と思われるのが品数の豊富さです。中華そばの専門店と勝手に思っていたところ、ラーメンだけでも九種あり、その他にも定食とご飯物各種が揃います。いわゆる町中華でもなければ、麺類を中心にした大衆食堂とも路線が違う独特の品書きです。
一つには絞りきれずに注文したのはカレーセット800円也。読んで字のごとくラーメンとカレーを組み合わせたものです。雷文と龍を描いた丼に、やや赤っぽい色合いのスープを満たし、チャーシュー、メンマ、青葱を散らしたラーメンは、縮れのない細麺とスープの甘辛さを含め、駅前の「山富士」との共通性を感じさせます。おそらくこれが岡山の中華そばの典型なのでしょう。てらいのないラーメンに対して、カレーは砂糖でも入れたのかと思うほど甘く、個人的には理解しかねる味わいではありましたが、味云々を抜きにして、雰囲気だけでも満足できる一軒です。
もう一つ特筆すべきは九時から開いていることです。岡山駅から一目散に駆けつけて、朝食をいただくこともできたということになります。隣のお客が注文していた唐揚定食もうまそうでした。次の機会が来たときは、あの唐揚を試してみるのも一興でしょう。

らーめん宝福
岡山市北区表町2-3-6 村上ビル1F
086-232-2477
平日 900AM-1730PM
土曜 900AM-1430PM
日祝日900AM-1530PM
不定休
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花見の旅in四国 2020 - 岡山城

2020-03-20 11:45:46 | 中国
名古屋の前後で曇ったものの、京都が近付く頃から再び晴れだして、現在地では雲一つない快晴です。好天に誘われて岡山城を訪ねました。
政令指定都市とはいえども影が薄く、旅の主題とはなりにくいのが岡山です。去年は四国への行き来と山陰から帰るついでに短時間だけ寄ったに過ぎず、明るいうちに市街を訪ねる機会は一度もありませんでした。今回も主題はあくまで高知です。帰りに寄る手もあるだけに、往路については先を急ぐことも考えました。しかし、最終日の予報が芳しくない現状を考えると、好天下で寄れる機会は実質的に今日だけです。日頃から蔑ろにしている岡山への罪滅ぼしも兼ね、城だけは寄っておこうと思い立ったのでした。
去年の暮れに訪ねたとき、天守閣の向こうから昇ってくる朧月に思わず刮目させられましたが、日中に訪ねるのは久々です。晴天下の姿ということになると初めてかもしれません。桜はまだ全く咲いていないものの、日差しの強さに西へと下ってきたことを実感させられます。南国土佐もさぞやと思わせる陽気です。
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花見の旅in四国 2020 - のぞみ137号

2020-03-20 07:32:47 | 関東
いきなり一悶着がありました。その影響で遅めの出発となります。第一走者を務めるのは七時過ぎの臨時列車です。
今春の改正により中央緩行線の運行形態が変わり、最寄駅から東京駅へ直通できなくなったことについては既に述べました。その弊害が思わぬ形で露呈したとでもいえばよいでしょうか。御茶ノ水で乗り換えるとき、あろうことかトートバッグを棚に置いたまま降りてしまったのです。すぐさま気付いて捜索を依頼し、無事取り戻せはしたものの、新小岩まで引き取りに行く羽目になり、一時間を空費するという顛末です。
乗り換えが要るようになったことと、忘れ物をすることとの間に直接の関連はありません。東京駅まで行けた当時も、下車後に荷物を忘れてきたことに気付いて、慌てて取りに戻ったことが一度だけありました。しかし、東京駅へ向かうまでの手順がわずかに変わったことで勝手も違い、それが思わぬ失敗の遠因になったということはできるかもしれません。
もっとも、考えようによってはこれでよかったともいえます。いきなり失敗したことで、今後は十分注意するようになるからです。本来なら、連休初日に一時間も出遅れれば、混雑に巻き込まれてますます厄介なことになっていたでしょう。どのみち一度は失敗するなら、今回であってくれてむしろ幸運だったと考えることにします。

★東京721/のぞみ137(7137A)/1035岡山
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