日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

薫風の土佐を行く 2018 - どんこ

2018-06-02 21:17:51 | 居酒屋
「一釣」を出たところで九時前になりました。そろそろ「どんこ」も空いてくる頃でしょう。正月に行き損なったこともあり、今回是非寄っておきたいと思うのは人情です。しばしの間を置いてから乗り込みます。
九時前ではまだ厳しいことが経験上分かっており、一呼吸置いたのもそのために他なりません。さりとてあまりに遅ければ、看板までの持ち時間が限られてしまいます。その結果、看板まで小一時間となったところで飛び込むと、カウンターは手前から隙間なく埋まっており、一番奥が辛うじて一つだけ空いていました。独酌の先客がいたことにより、たまたま空いた残りの一つに滑り込むという、「一釣」と全く同じ結果です。さらに待てば他のお客が立て続けに帰り、結果として大分余裕は出たものの、そこまで引き延ばすと今度は時間が足りません。間一髪で入れたのは幸運だったといってよいでしょう。
独酌の先客は、以前も二度ほど同席した「先生」と呼ばれている御仁でした。お客が引けた頃を見計らって訪ね、軽く一杯やってから帰るのがこの御方の日常なのでしょうか。先生御用達の名酒場というと、思い出すのは旭川の「独酌三四郎」に高山の「あんらく亭」ですが、上等な雰囲気はいずれも共通しています。名酒場たる所以は様々ながら、教祖の推奨店特有の老練さに関していえば、高知の中でも筆頭格と思う一軒です。

酒亭どんこ
高知市はりまや町2-1-21
088-875-2424
1730PM-2200PM(LO)

志ら菊・亀泉・赤野
突き出し(どろめ)
鰹たたき
水なす
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薫風の土佐を行く 2018 - 一釣

2018-06-02 19:13:36 | 居酒屋
「葉牡丹」には難なく入れたものの、七時を回ると呑み屋も活況を呈してきます。以前立て続けに振られた経験からしても、念のため電話を一本入れてから向かった方が無難でしょう。そこでまず「くもん屋」に電話を入れるもあえなく敗退。次いで「一釣」にかけたところあっさり入れるとの返答があり、これにより本日の二軒目は決まりました。
こうして現地に乗り込むと、カウンター席一つを除き全て埋まった盛況でした。隣の先客が独酌だったことにより、たまたま一つ残っていただけであり、紙一重の滑り込みだったということになります。後から来たお客は当然ながら皆断られていました。週末の七時台という事情を割り引いてもかなりの繁盛ぶりです。聞けば地元の情報番組でも紹介されたらしく、「魚のうまい店」なるものでの第一位に選ばれたことを示す記念の楯が鎮座していました。古くから知る店が、今や誰もが認める人気店かと思うと感慨深いものがあります。
なまじ人気が出た結果、客層が一変して雰囲気が損なわれるという先例を何度も見てきただけに、この店もそうなってしまわないかが懸念されるところではありますが、独酌の先客がいたことからも分かる通り、今のところそのような兆候は感じられません。左隣で妙齢のお姉さん二人組が盃を交わすなど、いかにも高知らしい一幕もあり、地元客で賑わう健全な酒場と形容するのが合っています。これからもかくあってほしいと願っている次第です。

居魚屋一釣
高知市帯屋町1-10-7
088-823-8845
1800PM- (売切御免)

文佳人・安芸虎・司牡丹
突き出し(マカロニサラダ)
刺盛五点
スリミの天ぷら
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薫風の土佐を行く 2018 - 松栄第二別館

2018-06-02 18:37:36 | 四国
投宿し、風呂から上がって一息つきました。本日は「松栄第二別館」の世話になります。
安い宿が多い代わりに、それなりの割り切りが必要なのが高知の特徴で、去年泊まったこの宿も同じ部類に属します。しかし、何から何まで古いまま保たれた館内と、和室から一望する鏡川の眺めがよく、自分にとっては決定版といってもよい宿でした。正月に泊まったときは、当日の晩まで宿の手配を延ばした結果、予約サイトの操作中に締め切られるという誤算により他の宿に流れたものの、今回ここの世話になることについては迷いがありませんでした。
開け放った窓の外から、気の早い虫の声が聞こえてきます。日中こそ汗をかいたものの、時折吹き込む風が心地よく感じられるようになってきました。ひとしきり涼んだところで出直します。
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薫風の土佐を行く 2018 - 葉牡丹

2018-06-02 17:03:58 | 居酒屋
岡山を早めに出てはきたものの、そもそも急ぐ必要があったのかと懐疑的になってきました。雲一つない青空が広がり、西日もまだ十分高い位置にあるものの、五時からではどこへ行くにも帯に短し襷に長しです。常々申している通り、明るいうちから呑むのを必ずしも好みません。しかし、うどんから飲まず食わずで通したため、早く一杯やりたいという心情が勝りました。宿へと向かう道すがら、早々と呑み屋の暖簾をくぐります。一軒目を飾るのは「葉牡丹」です。
いの一番に訪ねるにあたっては若干の迷いがありました。正月に行っているのに加えて、明日に温存する手もあったからです。10分少々やり過ごせば、「仙樹」が開くのと同時に入れたわけであり、久々に訪ねてみるのは一案でした。それにもかかわらず結局ここに落ち着いたのは、何度か足を運んでみて、高知の大衆酒場としてここの右に出るものはないと気付いていたからです。大衆的という点では「仙樹」も甲乙つけがたいものの、予約の一見客がやや多いのが以前訪ねて気になりました。日参の常連が代わる代わる出入りするこの店のカウンターこそ、自分にとっては理想なのです。
正月に訪ねたときには市場が休みで、品数の少なさに拍子抜けしました。しかし、本日の黒板には鰹、ヒラメ、ドロメにイセギの文字が。前回「冷凍」と括弧書きがついていた鰹には、「皮付き」の括弧書きがついています。ツマの茗荷も夏らしく、この時期に来てよかったとしみじみ実感するひとときです。

葉牡丹
高知市堺町2-21
088-872-1330
1100AM-2300PM
大晦日及び元日休業

司牡丹・純平
かつお刺
串フライ盛合せ
豆腐
どろめ
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薫風の土佐を行く 2018 - 南風13号

2018-06-02 14:17:43 | 中国
3005号車に東山まで乗った後、3007号車に一往復半乗車して切り上げました。東山までもう一度乗れる機会が残ってはいたものの、両雄にそれぞれ一往復半乗車でき、心残りはありませんでした。二時過ぎの列車にほどよい間合いで乗り継げる状況だったこともあり、切りのよいところで打ち止めにした次第です。
こうして乗車したのは宿毛行の南風13号、319kmを五時間近くもかけて走る、今や貴重な長距離列車です。高知まで乗っても全行程の半分強という事実もさることながら、函館から札幌までとほぼ同じ距離であることに驚かされます。四国は意外に広いと実感させられる数字です。

★岡山1405/南風13(43D)/1639高知
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薫風の土佐を行く 2018 - 表町ターミナル

2018-06-02 12:03:08 | 中国
東山まで乗り通し、そのまま駅まで往復するかというとさにあらず。県庁通りで一旦電車を降りました。目当ては宇野バスの表町ターミナルです。
今はなき盛岡のバスセンターに怪しさでは譲るものの、味わいにかけてはこの物件もなかなかです。見るからに曰くありげな石造りの三階建ての柱には、「う」の字をあしらった社紋の銘板が埋め込まれ、その建物を中心に大きな上屋を巡らせた機能的な構内が秀逸です。向かい側にはさらに立派な旧日銀の建物もあり、どちらも一見の価値ありの名建築でした。
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薫風の土佐を行く 2018 - 岡山電軌

2018-06-02 11:24:45 | 中国
今回の行程は多かれ少なかれ去年の焼き直しです。ロッカーに不要な荷物を預けて岡山電軌に乗ります。
前回は日光から来た古い電車が二両とも運用についていたため、それらで何度も往復してしまいました。その後分かったのは、毎月第一土曜日にだけ両雄の揃い踏みが実現するということです。非冷房車につき、六月は運転を見合わせる場合もあるというのが公式発表ですが、幸い耐え難い暑さというほどでもありません。去年の実績からしても、おそらく走ってくれるだろうと期待しました。果たせるかな、まず清輝橋まで行って戻ると、西川で「くろ」こと3007号車と離合。岡山駅でしばらく待つと、今度は往年の塗装を復元した3005号車がやって来るという経過です。
この電車は東山まで一往復半走って入庫となりますが、「くろ」はその後も二時近くまで走ります。今回もこの二両にひたすら乗車することになりそうです。
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薫風の土佐を行く 2018 - めん処吉備

2018-06-02 09:47:29 | B級グルメ
朝食をいただく間もなく飛び出したため、岡山に着いたところで腹ごしらえを済ませます。昼はともかく、今は手早く済むのが第一です。在来線のコンコースのうどん屋に飛び込みました。コシの強いうどんは讃岐を彷彿させますが、ままかりの押し寿司に岡山の土地柄が感じられます。

めん処吉備
岡山駅在来線コンコース
700AM-2030PM
きつねうどん410円
ままかり押し寿司260円
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薫風の土佐を行く 2018 - のぞみ151号

2018-06-02 06:56:53 | 東海
まずは新幹線で岡山へ下ります。始発列車の混雑を避け、一本後の臨時列車で下るのはこれまでと同様です。昨春の改正後、新大阪止まりだった列車がかなりの頻度で博多まで延長され、岡山にも直行できるようになったのは助かります。
都内の空は厚い雲に覆われていたものの、その後次第に青空が広がり、わずかに雪が残った富士山の頂も見分けることができました。この好天が続いてくれると期待しましょう。

★東京606/のぞみ151(7151A)/923岡山
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