訪ね訪ねて麻布まで - こま

一時ほどではないものの、先月の末あたりから再び業務が逼迫してきました。旅から旅の暮らしが一段落するこの時期、帰り道に一杯やって行きたいとは思いながらも、そのような時間は残らないのが実情です。しかし、こうも自粛と叫ばれては、飲食業にとっては死活問題です。今日もそこそこ遅くなり、早く帰って休みたいのはやまやまのところ、ささやかな支援にかこつけ「こま」の暖簾をくぐりました。
界隈では屈指の人気店です。飛び込みでは振られることも少なくありません。この店に関してだけは、事前に一報入れてから訪ねるのが常でした。今夜も一応そうしたものの、日曜の晩のごとく静まり返った赤坂の繁華街の現状からして、この店の動静が気にかかるところではありました。しかし幸い老婆心に過ぎませんでした。三卓ある小上がりは全て埋まり、カウンターも残り一席という大盛況だったからです。ひとまず玄関の前のテーブルに通され、先客が席を立ったところで左端の指定席に収まりました。
決して広くはない店です。面積もさることながら天井が低く、隣の席との間隔も狭目に感じられます。大勢のお客が密室にたむろしている状況は、お上によって槍玉に挙げられた状況そのものです。それでいながらこれだけ人が集まるのは、取りも直さず店の人気を物語ります。飲食店が青息吐息の世知辛いご時世、健在ぶりを確かめられたのはせめてもの救いです。

★こま
東京都港区麻布十番1-5-10 第二石原ビル1F
03-3405-4849
1800PM-130AM(LO)
日曜及び月曜日の祝日定休

手取川・遊穂・浅間山
お通し三品(海老・蒸し鶏・麻婆茄子)
天然平目の薄造り
海老芋含ませ煮
湯豆腐