日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

晩秋の大地を行く 2018完結編 - やまびこ60号

2018-10-21 22:14:18 | 東北
仙台で「はやぶさ」を下り、後続の「やまびこ」に乗り継ぎました。それ自体は先週末と同様ながら、異なる点が一つあります。指定席の7号車に乗ったことです。
仙台で出場せずに「はやぶさ」から乗り継ぐため、「やまびこ」の指定席を押さえても押さえなくても料金は変わりません。その結果必然的に席の指定を受けるわけなのですが、前回は指定を反故にして自由席の2号車に乗りました。「はやぶさ」で1号車が割り当てられた結果、自由席に乗り換えた方が早かったのに加え、自由席でも余裕で着席できることが経験上分かっていたからです。実際のところ、仙台で「はやぶさ」から下りたとき、後続の「やまびこ」を待つ先客は皆無でした。
ところが、今日は人出が多かったのか、「はやぶさ」の乗客数が目に見えて増えました。仙台で下車したときも、「やまびこ」の自由席を待つ先客が早くも数名並んでいました。発車の20分近くも前からこの調子では、最終的に相当混み合う可能性も考えられます。その結果、今回は指定の車両にそのまま乗った次第です。
幸い同じ乗車口に先客はなく、仙台を出た時点で前後と隣は空いており、福島でもその状況は変わりませんでした。これなら郡山と宇都宮で大量の乗車があるとも思われません。あとは悠々帰れそうです。

★仙台2147/やまびこ60(60B)/2344東京
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晩秋の大地を行く 2018完結編 - はやぶさ42号

2018-10-21 20:20:41 | 東北
東北を南下して帰るつもりが、終わってみれば振り出しに戻ってきただけでした。出発から2890km走ったところで津軽編は終了、今回も「はやぶさ」と「やまびこ」を乗り継いで帰ります。
再び七戸十和田を起点にしたのは、今後の展開も踏まえた結果に他なりません。具体的に申しますと、来週は戻らずにその翌週から再開するという奇策を検討しています。二週にわたって車を置く可能性が出てきたことにより、無料で駐車できる七戸十和田の優位性が高くなった次第です。
週末をあえて一回見送る直接の理由は、元々沖縄への遠征を予定していたからです。ただし、この予定を順延したからといって、高額な違約金を請求されることはありません。つまり、沖縄を順延して直ちに復帰しても、沖縄へ予定通りに行って翌週復帰してもよいということになります。あくまで「検討」と申しているのもそのためです。

順延する場合、宿、レンタカーと復路の交通手段を手配し直す必要があり、三千円ほどの出費が追加されます。一方、順延せずに東北へ戻るのを延ばす場合、往復乗車券の有効期間を超えてしまうため、片道だけ乗った時点で払い戻す必要があり、これにより実質二千円ほど割高になってきます。つまり、金銭面ではそれほどの差がありません。
それでは何が違うのかといえば、約半月の間が空くことにより、さらに季節が進むことです。十和田湖と八幡平の見頃こそ逃すものの、徐々に色づき始めていた弘前公園の紅葉が、戻った頃には盛りを迎えているでしょう。津軽の秋を満喫した今回の活動を花道に、北国への旅に一旦区切りをつけ、新たな気分で再開する上では、幕間に南国の旅を挟むのも一興だろうと考えました。

そのようなわけで、あえて一週見送る方向に傾いているのが現状です。実現すれば、早春の高岡以来二度目の珍事ということになります。しかし、管理人常駐の屋内駐車場を使えたあのときと違い、今回は雨ざらしの屋外駐車場です。十日以上も置いておくにはいささかの躊躇があり、次回で帰京したいという考えも捨てきれません。もうしばらく熟考してから決断するつもりです。

★七戸十和田1959/はやぶさ42(3042B)/2129仙台
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晩秋の大地を行く 2018完結編 - 東八甲田温泉

2018-10-21 19:37:54 | 温泉
黒石から月を横目にひた走り、七戸十和田に着きました。荷物をまとめて帰りの列車の手配を済ませ、わずかな時間が残りました。食料を調達するか、一風呂浴びるかの二者択一で選んだのは後者です。駅前の東八甲田温泉に立ち寄ります。
結局今日はうどんしかいただいていません。しかしかなりの食べ応えがあり、この時間になってもそれほど空腹感がありません。仮に腹ごしらえをしようにも、スーパーの弁当が事実上唯一の選択肢であり、しかも前回その弁当で災難に遭いました。日が暮れて再び冷えてはきたものの、日中はそこそこ汗をかいたため、飲み食いよりも風呂を選びたかった次第です。

東八甲田温泉
上北郡七戸町字荒熊内67-81
0176-62-6756
900AM-2200PM
入浴料300円
アルカリ単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)
泉温 47.5度
pH 8.8
湧出量 520l/min
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晩秋の大地を行く 2018完結編 - 十三夜

2018-10-21 17:18:05 | 東北
北国の日の入りは早く、五時を待たずに夕日が沈みました。直後に来る上り列車が、撮影可能な列車としては事実上の最後でした。一本後の列車まで残照はあるものの、写し止められるだけの光量はないことが昨日の結果から分かっています。雲が適度に出てくれれば、列車を流して撮る余地はあったものの、今日は日が暮れても雲一つありません。結局カメラを構えず最後の列車を見送るという顛末です。
尾上高校前駅の踏切を渡ると、農道がまっすぐ延びて広い田圃に突き当たり、正面には影絵になった岩木山が鎮座して、振り返れば東の空に十三夜の月が昇っています。以前はここで満月を眺めたこともありました。禅林広場、平賀の広域農道などと同様、津軽を何度も旅した末に見つけた穴場です。昨日は日没の直後に雲が広がって、月もその向こうに隠れがちでした。しかし今夜は月明かりで影ができています。稲穂と電車もさることながら、これを見たかったのも帰りを延ばした理由の一つです。この月を眺めつつ、しばし余韻に浸ってから移動します。
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晩秋の大地を行く 2018完結編 - 撮影再開

2018-10-21 15:33:45 | 東北
三時が迫り、本数が元に戻ったところで撮影再開です。残り時間は尾上高校前で電車を撮ります。
今朝方訪ねて、まだ刈られていない田圃が残っていると分かったのが、終日注ぎ込むことにした理由の一つでもあります。ところが、こちらが戻ってくる前に、眺めが一変していました。そこそこ残っていたはずの稲穂が、きれいに刈られてしまったのです。その結果、昨日見つけたはさ掛けと電車を重ねて撮るのがせいぜいとなりました。しかし、もう少し日が傾けば、朝方撮った高架橋が影絵になるため、日没まで使い切るには十分でしょう。
高架橋の手前にあった田圃も、先ほど戻ったところ半分ほどが刈られていました。刈り取られる直前に滑り込み、黄金色の絨毯を眺めることができたのは幸運だったともいえます。最後に秋らしさを満喫できたことに感謝します。
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晩秋の大地を行く 2018完結編 - 神製麺所

2018-10-21 14:11:18 | B級グルメ
弘前まで戻った以上、菊人形とやらを見ていきたいのはやまやまながら、そこまでの時間は残念ながらありません。それどころか飲み食いする時間も惜しまれ、朝から湧水以外口にしていません。手早く済ませるのであれば、今回も道の駅の軽食です。そのつもりで車を走らせると、製麺所直営店の看板を掲げた店が沿道に出現。一旦通り過ぎながらも引き返して飛び込みました。立ち寄るのは神製麺所です。
いかにも工場然とした建物に平屋の店舗が増築され、そこに暖簾が架かっています。その正体はセルフ式のうどん屋でした。うどんを主に、中華そばと山形名物の鶏中華もある中、手堅く選んだのはかけうどん330円也。これに天ぷら二品を組み合わせました。
税込で700円台後半という出費は、讃岐うどんに比べるとやや割高にも思われます。しかし、うどんには讃岐も顔負けのコシが、出汁には力強さがあり、胸肉を一枚使った鶏天も、大ぶりな舞茸天も食べ応え十分。そして何より、時間に追われる状況では、手早く済むことに絶大なる価値があります。まさしく渡りに船の一軒でした。

神製麺所
弘前市新里東里見112-3
0172-55-0081
1100AM-1500PM
木曜定休
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晩秋の大地を行く 2018完結編 - 弘前東高前駅

2018-10-21 13:24:39 | 東北
少しずつ引き返して弘前市街に戻ってきました。続いて立ち寄るのは弘前東高前駅です。緩やかに弧を描く、かつては専用線もあったと思しき広々した構内と、大きな窓を持つ総二階の駅舎がここの特徴です。何度か訪ねてはいるものの、快晴かつ順光となったのは初めてのような気がします。
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晩秋の大地を行く 2018完結編 - 新里駅

2018-10-21 13:01:32 | 東北
続いては一つ隣の新里駅を訪ねます。改築されてしまったものの、先代と瓜二つに再現された木造駅舎の待合室には、新旧両駅舎を同じ角度で撮った写真が飾られており、細部まで忠実に再現されていることが一目瞭然です。反対側の壁には、構内に保存された蒸気機関車が現役だった頃の写真も。人々の駅に対する愛着が感じられるという点では、ここが線内随一かもしれません。
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晩秋の大地を行く 2018完結編 - 館田駅

2018-10-21 12:28:11 | 東北
いつまでも迷っている暇はありません。腹をくくって活動を再開します。列車の合間に館田駅を訪ねました。
木造駅舎を目当てにしての再訪でした。しかし何やら様子が違うような気がしました。背の高い大きな駅舎と記憶していたはずが、目の前にある駅舎はいたって普通の大きさです。しばしの間を置いてから気付いたのは、駅舎が縮小されているということでした。
かつての姿と比べてみると、駅舎に向かって右側の部分が、土台すら跡形もなく取り壊されています。二階分の高さがあり、駅舎をひときわ大きく見せていたのもこの部分です。しかるに一瞬で見分けられなかったのは、増築された部分だけが撤去された結果、遠目にはそれほどの違和感がないからでしょう。独特の佇まいが保たれたのはせめてもの救いです。
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晩秋の大地を行く 2018完結編 - 弘南電車

2018-10-21 11:50:31 | 東北
寄り道がたたって時間は押してしまったものの、ようやく弘南電車の撮影に移りました。尾上高校前と柏農高校前を行き来した後、館田から平賀にかけての直線区間に移動し、正午前の下り列車を撮ったところです。この後は本数が半減し、一時間後まで列車はありません。朝から慌ただしく動いてきましたが、これでようやく一息つくことができます。

ここで切り上げ移動すれば、今日中、正確には今夜中に自走で帰ることも可能です。しかし、一昨年は同様の条件で切り上げられずに帰り損ないました。その経験から予測し得た展開ではありますが、今回も同じく去りがたさが募っています。
今朝方尾上高校前の状況を再度確認したところ、昨日見つけた藁ぼっちに加えて、同じ側に稲穂も残っていることが分かりました。いずれも午後が順光になるため、その気になれば終日でも滞在できることになり、それが去りがたさを感じる理由の一つでもあります。ただし、あくまで理由の一つです。
三年前四年前にも、ほぼ同じ時期に何日か注ぎ込んではいます。そのときと決定的に違うものを撮れるわけではありません。焼き直しに過ぎないなら潔く切り上げ、このまま帰路についた方が無難ともいえます。しかるに去りがたいのは、天候が一貫して振るわなかった今秋、秋らしさをしみじみ感じる光景にようやく出会えたからに他なりません。岩木山の向こうに沈む夕日を見届け、代わりに昇ってくる十三夜の月を眺めることができれば、晩秋を締めくくる活動としてこれ以上の形はないでしょう。
そこから自走で帰るのは当然無理で、車を置いて一旦帰り、翌週再開するのが前提です。その翌週が晴れる保証はなく、雨にでも降られれば蛇足になりかねないところではあるのです。とはいえ、たとえ来週空振りしても、今回をよい形で締めくくれれば十分ともいえます。

そのようなわけで、あと半日電車を撮りたいというよりは、秋らしさを最後まで実感したいという心情が第一です。果たしてこれが最善の選択なのか、いまだに確信は持てません。しかし、そのようなときは「迷ったら買え」の経験則が得てして解決してくれるものです。後になって振り返れば、これよかったと納得できそうな気がしています。
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晩秋の大地を行く 2018完結編 - 富田の清水

2018-10-21 08:50:29 | 東北
予定外の寄り道を繰り返してきましたが、これが正真正銘の最後です。富田の清水で締めくくります。
実は、昨晩投宿する前にも立ち寄りました。しかし、暗い中では気付かなかったことがあります。向かいの民家の庭先に朝顔が咲いているのです。北海道を旅したとき、桜が落葉しているにもかかわらず、紫陽花が咲いているという変わった光景に出くわしましたが、津軽でも似たような経験をするとは思いませんでした。
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晩秋の大地を行く 2018完結編 - 最勝院

2018-10-21 08:39:34 | 東北
毒を食らわば皿までも、続いては最勝院にやってきました。弘前公園の状況からして、紅葉にはまだ早かろうとも思ったものの、この時期に再訪する機会がいつ来るだろうかと考えたとき、やはり無碍には素通りできなかった次第です。しかしこの往生際の悪さが結果としては奏功しました。山門から本堂へと続く参道の両脇が紅葉し、赤い五重の塔に重なっていたのです。時間は押してきたものの、その甲斐はあったと納得できる収穫でした。
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晩秋の大地を行く 2018完結編 - 禅林広場

2018-10-21 08:25:48 | 東北
続いては禅林広場に立ち寄ります。三本並んだソメイヨシノと岩木山の取り合わせが様になる、花見の時期には毎年日参する場所です。しかし、秋の津軽を初めて旅した四年前、斜面の下から延びてきた木が生い茂り、岩木山を半分ほど隠しているのに驚きました。つまり、この時期に訪ねたところで、眺めの点では今一つだと分かってはいたのです。とはいえ、冬場には雪に埋もれて立ち入れなくなることについても分かっています。次に来るのは花見のときかと考えたとき、むざむざ素通りしがたかったというのが真相です。
いつもの位置から眺めると、予想通り岩木山は半分以上隠れていました。それとともに気付いたのは、背後にある桜の影が、芝地に長く延びていることです。初夏と秋との違いを感じる一幕でした。
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晩秋の大地を行く 2018完結編 - 弘前公園

2018-10-21 08:11:24 | 東北
撮影地へ直行するかというとさにあらず。まずは弘前公園を訪ねます。
目覚めた段階では、何はさておき電車を撮りに行くつもりでした。しかし、山頂まで一点の曇りもない岩木山を見たとき、雪のない姿を本丸から眺めたことがあっただろうかと、不意に気付いた次第です。お立ち台から改めて眺めると、中腹の山肌が紅葉しています。この時期に再訪したからこその眺めです。
岩木山が紅葉の盛りを迎える中、平地でも木々が次第に色づいてきました。桜に混じって所々に楓もあり、あと半月ほど経てば見頃を迎えそうです。その時期にもいずれ訪ねてみたいものだと思います。
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晩秋の大地を行く 2018完結編 - カプセルイン弘前

2018-10-21 07:17:26 | 東北
今回弘前を訪ねるにあたって面食らったのは、宿がやたらに混んでいたことです。「弦や」と「はすや」で聞いたところによると、菊人形祭りなるものがあるとはいうものの、たとえば雪燈籠まつりの期間も、宿がそれほど混むわけではありません。しかるに何故混んだのかは結局謎のままでした。しかし幸いだったのは、観桜期の定宿でもあるカプセルイン弘前が空いていたことです。最初はわずかに残っていた一般のカプセルを押さえたものの、その後半個室のカプセルに空きが出たため、そちらに鞍替えするという顛末でした。
繁華街の中心という立地に加え、温泉まで備えた便利さと快適さは、かねてから絶賛してきた通りですが、今回改めてその価値を実感させられました。投宿し、手早く一風呂浴びて出直し、戻り次第直ちに休むという流れには、一切無駄がありませんでした。それとともに思ったのは、他に宿泊客がいることを意識させない静かさです。おかげでカプセルとは思えないほどゆっくり休むことができました。朝風呂も済ませたため、あとは出発するだけです。
観桜期を除けば、最低四千円台でビジネスホテルに泊まれるのが弘前の相場です。それが今週末に限って宿が混んだため、代わりに選んだのが真相ではありました。しかし、今回に関していえば、これで必要にして十分だったというのが実感です。
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