ふらり旅 新・居酒屋百選

日頃から「教祖」と崇めている居酒屋探訪家、太田和彦氏による新番組「ふらり旅 新・居酒屋百選」が始まり、先日第1回が放映されました。
前作の「ふらり旅 いい酒いい肴」が突如として終了したのは三月のことです。放映開始から五年という、切りのよいところでの幕引きではありましたが、最終回となった第120回の放送でも特段の告知はなく、次回が予告されないことで間接的に知るという、何とも呆気ない最後でした。とはいえ、めぼしいところへ行き尽くし、持ち駒が尽きてきた様子はありありと窺われたため、潮時だったのだろうと受け止めていました。それだけに、わずか半年後の再開は意外です。立て続けに新刊が発表された今になって考えると、話題が尽きたというよりは、しばらく執筆に専念したいとの申し入れが教祖側からあったのかもしれません。
第1回で取り上げられたのはまさかの五島、それも福江島ではなく中通島でした。しかし、月末の放送では長岡の「魚仙」が取り上げられるとのことであり、あの店が残っていたかと気付きました。「全国居酒屋紀行シリーズ」の頃と比べ、TV番組特有の演出が多用されるところは興ざめながらも、長年推されてきた聖地と新規の店を交えつつ、適宜趣向を変えてくるのがこの番組の特徴です。「百選」と銘打つからには、「日本百名居酒屋」と同様、百軒に達した時点で完結となる可能性は高いものの、前作同様毎回二軒ほどを取り上げ、再放送を交えながら回を重ねていくならば、今後二年は続くでしょう。新たな財産がもたらされることについては、素直に歓迎したいものだと思います。