日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

蛇の道は蛇

2018-10-17 22:32:26 | 居酒屋
教祖による新番組が始まったのは信者にとって朗報でしたが、「居酒屋百選」との触れ込みからして、末長く続くかどうかは未知数です。教祖の御年からしても、いつまでも頼り切るわけには行かず、いずれは自ら開拓すべき必要が出てきます。そのようなとき、手がかりとなりうるものを再発見しました。地元の出版社による情報誌です。

地元の情報誌といえば、HOとともに思いつくのが「あまから手帖」とMeetsです。出版元から刊行された「居酒屋100選」「酒場の本」「ひとり旅 ひとり酒」は、西日本を旅する際の必携書でした。大阪の「初霞」と神戸の「丸萬」はそれらで知った店であり、京都の「いなせや 真」と「うすい」についても、元をたどれば同じ情報源に基づいています。福岡の「雲レ日」も、同じく地元の出版社による情報誌で知った店です。ところが、教祖の推奨店を含め持ち駒が蓄積されて行くにつれて、この手の情報誌を当たるのが疎かになっていたという事情があります。
久々にその効用を実感したのは、北海道を旅する途中、釧路の書店に寄ったときのことです。そこで平積みされていた、HOの道東特集が目に留まりました。釧路の店はさておき、中標津を始めとして、余所者には何の手がかりもない町の呑み屋が紹介されているのは新鮮でした。結局それらの町に泊まる機会は訪れず、情報が役立つことはなかったものの、同様の情報をこまめに拾えば、有力な手がかりにはなりそうに思われました。

県庁所在地、あるいはそれらと同格の都市であれば、全国のどこへ行っても不自由しないだけの持ち駒は既にあります。しかし、既存の成果に頼りすぎると、結果として同じ場所を何度も何度も訪ねてしまい、空白地帯ができてきます。最近までは能登半島もその一つでした。それが教祖の番組で取り上げられたことにより、今春以降二度にわたって訪ねる機会を得たわけなのですが、そもそも番組で取り上げらた契機の一つは、地元の情報誌の特集記事だったという裏話があります。
蛇の道は蛇という通り、地元の情報誌には大手出版社の刊行物、あるいはWeb上の情報だけでは知り得ない耳寄りな情報が載っているものです。それにより今まで素通りしていた土地に足が向き、新たな境地が拓かれたという点において、能登の件は教訓となり得るものでした。他にもその手の雑誌があるのか、今一度さらってみる手はありかもしれません。
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