日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

本日の晩酌 - 山形正宗

2018-10-16 22:48:20 | 晩酌
先月京都の「いなせや 真」を訪ねたとき、「秋あがり」と「ひやおろし」の違いについて教えられました。製造後に一回だけ火を入れ、一夏越してから出荷するのは同様ながら、外気温が蔵の温度と釣り合うまで待つ「ひやおろし」と、それ以前にも蔵出しされる「秋あがり」は違うという説明でした。毎年八月末に発売されるこの酒が、「秋あがり」を名乗るのには理由があったということです。
秋の酒の味わい深さに目覚めた、自分にとって原点といえる酒の一つで、それ以来毎年買い求めて十数年が経ちました。今年も発売と同時に押さえたのはもちろんです。しかるに二月近く温存したのは、一昨年いち早く封切ったにもかかわらず、呑み頃にはいささか早いという経験をしたためです。
早いと感じたのは、特徴の一つである柑橘系の吟醸香が控えめだったからですが、香りについていえば今年の酒も控えめです。しかし、満を持して封切った効果か、味は例年よりも濃く感じられました。「呑んだ」と実感できる一本です。

★山形正宗 純米吟醸秋あがり
水戸部酒造(山形県天童市)
原料米 山田錦
精米歩合 55%
アルコール分 16%
東京都港区 鈴木三河屋にて購入
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