日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

本日の晩酌 - 貴

2018-10-18 23:41:27 | 晩酌
山形正宗には及ばないものの、このblogにおける風物詩の一つとなって久しいのが「貴」のひやおろしです。「ふかまり」と改称される前から数えると、これが七年連続の登場となります。
柑橘系の含み香という明確な個性を持つ山形正宗に対し、こちらの味わいを一言で形容するのは難しく、このblogでは爽やかな香り、乗り切った旨味、切れ味の鋭さといった複数の言葉を重ねてきました。酒販店による寸評でも「クリーム様の膨らみ」「丸みを帯びた酸」「柔らかな質感」という、即座に思い描けない表現が用いられており、直截に言い表すのがいかに難しいかが窺われます。
そのような中、目を引いたのが「余韻の長さ」なる文句です。上記の通り、私見では「切れ味の鋭さ」が特徴の一つであり、余韻が長いというのは相反する評価のように思われます。余韻を意識しつつ味わってみても、たしかに山形正宗よりは長いものの、いつまでも後味が残るという感覚はなく、依然として切れのよい酒という印象を受けました。ただし、「長い」かどうかはさておき、適度に尾を引いて切れるという点で、「美しい」余韻ということはできるかもしれません。参考にしたい表現です。

★貴 特別純米「ふかまり」
永山本家酒造場(山口県宇部市)
原料米 山田錦
精米歩合 60%
アルコール分 15度
杜氏 永山貴博
東京都港区 朧酒店にて購入
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