日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

汽車旅in東北 2015 -明かりさざめく松風町

2015-01-10 21:35:51 | 北海道
青森発車時の遅れをほぼそのまま保って函館に着きました。只今投宿して一息ついたところです。
この時間に着いたとしても、呑み屋で軽く一杯引っかけるのがせいぜいです。明日は二時過ぎの列車で青森へ戻るため、一風呂浴びてラッキーピエロにでも寄れれば御の字といったところでしょう。時間を余すことなく使い切るという点では、青森か弘前に一泊して、翌日レンタカーで活動した方が得策ではありました。それにもかかわらず函館にやってきたのは、一年後には新幹線が北海道に渡るという現実に迫られてのことです。
新幹線が開業すれば、函館山を始点に長い弧を描く海岸線の車窓は過去のものとなり、新青森から「新函館北斗」なる無粋な名を冠した駅まで、トンネルばかりの味気ない移動が続くことになります。到着後も、重い荷物を担いで列車を乗り継ぎ、函館駅までの移動を強いられるわけです。これでは旅情が削がれるのも必至でしょう。青森の駅前で一杯やってから列車に乗り込み、函館の駅前で呑み直すというはしご酒ができるのも、実質的にはあと一年少々のことなのです。今しかできない旅は何かと考えたとき、今回は津軽よりも函館だろうという結論に至りました。今夜は海峡を股にかけたはしご酒となります。
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汽車旅in東北 2015 -新戦力

2015-01-10 20:40:15 | 北海道
列車は青函トンネルを抜けて北海道に上陸。函館まではあと30分弱です。
前回の活動では、旅先で携帯電話用の外付けキーボードを急遽調達するという事態に見舞われたわけなのですが、その際にもう一つ新戦力を導入しました。同じく携帯電話用の外付けバッテリーです。好き放題に充電できる車での活動はさておき、汽車旅では電池の残量が切迫する場面が少なからずあったため、その対策として導入した次第です。今日も「こまち」の車内を最後に充電できる場所がなく、先ほど電池の残量の警告が出てきたため、ここで初の実戦投入と相成りました。あくまで補助的な手段に過ぎないとはいえ、電池の残量に気を揉む場面がなくなるのは助かります。
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汽車旅in東北 2015 -スーパー白鳥25号

2015-01-10 19:22:47 | 東北
「ふく郎」の居心地がよくつい長居してしまい、気付けば列車の時刻が迫ってきました。積雪した裏通りを精一杯の速さで歩き、青森駅の改札をくぐって長い跨線橋を歩くと、彼方のホームでは函館行の列車が発車時刻を過ぎてもまだ止まっていました。こちらの期待通り、ダイヤが少し乱れて足止めを食らっていたのでしょう。列車が二本着いたところで出発信号機が変わり、只今13分遅れで発車したところです。
このまま行けば函館には九時過ぎに着き、投宿して一息入れても10時頃には再出発できます。駅前の呑み屋で軽く一杯やり、余力があればラッキーピエロで締めくくるといった流れになりそうです。

★青森1905/スーパー白鳥25(4025M)/2056函館
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汽車旅in東北 2015 -ふく郎

2015-01-10 17:22:42 | 居酒屋
青森市内の積雪は相変わらず尋常ではなく、道端にはかき集められた雪が背丈よりも高く積もっています。そのような街路を歩いて「ふく郎」にやってきました。
ビールと同じ恵比寿様を描いた看板の明かりはないものの、暖簾が出ていることからして店は開いているようです。暖簾をくぐって引戸を開けると、教祖の番組でも見た胡麻塩頭の店主が迎えてくれ、一枚板のカウンターのやや右寄りに案内されました。
玄関脇のねぶたのお面がこちらを睨み、正面と頭上には大きめの経木がざっと三十枚ほど並んで、目の前には店の名にちなんだであろう梟の置物がいくつか、それに教祖の御尊顔と手製の「百名盃」が飾られています。さらに右斜め前のTVでは、教祖による「日本百名居酒屋」の録画を放映中。信者と思しき一見客には、この位置を優先的に割り当てているのでしょうか。

「つがる」の車中が暑かったからか、今日は無性に喉が渇いています。一杯目に柄にもなくヱビスを注文すると、お通しに豚汁が出てきました。寒い夜にはありがたい心遣いです。この豚汁を肴に一杯目をやりつつ、経木を眺めて組み立てを考えます。おおよその構想が固まったところで、店主から絶妙な頃合いで注文を聞かれたため、まずは刺身のちょっと盛を注文。ちょっととはいいながら、鮪、イカ、帆立、ツブに鯨と、品書きにある刺身が一通り盛り込まれて、一人客には必要にして十分です。
酒は「田酒」「豊盃」の双璧が合わせて数種あり、どれも正一合以上になみなみ注がれるなど、気前のよさがここの身上ということのようです。次いで頼んだ「僕はやっぱりニシン好き」なる一捻りした品は、鰊漬けと鰊の切り込み、それに身欠き鰊を味噌で和えて叩いたものの三点盛りで、酒の肴としてはまさに最高。二本目の徳利があらかた空いたところで、最後はそいの煮付けで締めくくります。

唯一の先客だった二人組に、しばらくしてからもう一人が合流しました。片言しか聞き取れない津軽弁が旅情を誘います。酒、肴、居心地のどれをとっても非の打ち所がなく、さすが教祖の推奨店と納得させられる名店です。

ふく郎
青森市安方1-10-12
017-777-3988
1700PM-2300PM
日祝日定休
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汽車旅in東北 2015 -地酒庵さとう

2015-01-10 17:12:11 | 酒屋
「ふく郎」への道すがら酒屋に立ち寄ります。過去にも何度か登場した「地酒庵さとう」です。日祝日定休のため、毎回必ず立ち寄るわけには行かないとしても、開いているなら寄らない手はありません。津軽の冬の風物詩「豊盃」のしぼりたてを、今年もここで押さえました。

★地酒庵さとう
青森市安方1-4-4
017-722-3087
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汽車旅in東北 2015 -青森到着

2015-01-10 16:15:39 | 東北
青森に着きました。屋根上の雪が消えかかっており、今年はこんなものかと拍子抜けした秋田に対し、こちらの積雪は一枚も二枚も上手で、ホームの上屋が雪で潰れんばかりとなっています。防御の薄い下半身からたちまち冷えてくるのが酷寒地ならではです。
予告通り、本日は函館に泊まりますが、その前に青森の駅前で一献傾ける予定です。これまで寿司屋には何度も世話になってきましたが、夜の部に関する限り弘前ばかり贔屓にしてしまい、青森で居酒屋に入った経験が数えるほどしかありません。教祖が「東のふく郎、西のさきと」と絶賛する「ふく郎」を訪ねるには今回がよい機会と思い至りました。これから記念撮影を済ませれば五時の開店と同時に入れ、函館とも無理なく両立できるという寸法です。予約満席というまさかの事態で振られたときは、いつもの寿司屋の世話になればよいでしょう。
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汽車旅in東北 2015 -不転換

2015-01-10 14:38:47 | 東北
大館駅に進入しようとしたところで、転轍器の不転換により立往生。まあここまで何事もなく走ってきただけでも上出来でしょう。適度に遅れてくれれば、青森へ着くと同時に呑み屋が開いて一石二鳥です。気長に発車を待つことにします。
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汽車旅in東北 2015 -つがる5号

2015-01-10 13:09:57 | 東北
列車を乗り継ぎ青森へ向かいます。到着後は駅前で一献傾け、しかる後に投宿地の函館へ向かう予定です。
乗ること自体が目的となりうる新潟地区の485系などと違い、このE751系は可もなく不可もない現代的な特急電車です。しかし、他の列車がことごとく701系というお粗末さでは、普通列車でのんびり行くという選択肢はありません。趣味者の視点から極論すれば、この列車には701系を避ける目的で乗っているに等しいものがあります。東北の汽車旅とは、多かれ少なかれ割り切りを強いられるものなのです。

★秋田1310/つがる5(2045M)/1551青森
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汽車旅in東北 2015 -市場いちばん寿司

2015-01-10 11:26:15 | 居酒屋
昼酒が呑める場所を探すと申しましたが、実は一つだけ心当たりがありました。市民市場の寿司屋です。居酒屋使いもできる青森駅前の寿司屋に対し、こちらはあくまで回転寿司だけに、見劣りする可能性を懸念しながらも、「虎穴に入らずんば虎児を得ず」の格言に従い敢然と乗り込みます。
雰囲気は二の次と割り切って入ったところが、石で造った長いカウンターが店内を一周し、四人の板前が小気味よく立ち回る雰囲気は悪くありません。市場の直営店だけに価格も総じて良心的で、産地を明記するところにも矜恃が感じられます。酒は両関、高清水の双璧が一合わずか220円、飲み切りの小瓶でも500円とこれまた手頃で、この安値に釣られて飛良泉の小瓶を注文。肴は仁賀保産の鰰寿司を選びました。
酒を呑む場所として考えた場合、こちらの品書きは少々物足りなく、その点では酒も肴もよりどりみどりの青森に軍配を上げたくなるところではあります。しかし、そう感じ始めたのを察したかのように、目の前に厚焼き玉子の皿が流れてきたため、こちらを二品目としました。さらに酒が進むと、見計らったかのようにあら炊きの皿が流れてくるのは心憎い演出です。これで二合弱の小瓶が空き、最後は相当数のお客が注文している950円の「いちおしランチ」で締めくくります。
あくまで回転寿司であり、高尚なものを期待するのは筋違いです。とはいえ、安く手軽に酔えるという点では、大阪天満の大衆寿司に通ずる居心地よさがこの店にはありました。夜の部には多くを期待できない秋田ですが、昼酒ならここを選んでおけば間違いはなさそうです。

市場いちばん寿司
秋田市中通4-7-35
018-884-1844
1100AM-2100PM
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汽車旅in東北 2015 -秋田到着

2015-01-10 10:55:54 | 東北
秋田に着きました。しばしば雪害に見舞われる秋田新幹線ですが、今日は終始定時運行の健脚ぶりでした。東北各線も平常運行となっており、投宿地である函館にも無事たどり着けそうです。
かつては「あけぼの」に乗るための前泊地となっていた秋田ですが、そのような目的も失われた今となっては、居酒屋不毛地帯にわざわざ泊まる理由はありません。去年に続き、青森行の列車に乗り継ぐまでの、実質二時間ほどの滞在です。これしきの時間ではできることも自ずと限られます。記念撮影を済ませて土産を買い、あとは昼酒が呑める場所でも探そうかと思っています。
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汽車旅in東北 2015 -白河の関

2015-01-10 07:33:23 | 東北
列車は白河の関を越えて東北に入りました。それと同時に空は雪雲で覆われ、左手に連なっていた山並も判然としなくなってきました。冬晴れから豪雪へと一変する上越新幹線ほどの変化ではないにしても、違う土地へ来たことを否応なく感じる瞬間です。
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汽車旅in東北 2015 -百名山

2015-01-10 07:03:37 | 関東
列車は関東平野を北上中です。大宮でも隣客の乗車はなく、これで仙台までは実質二席分を占有しての大名旅行となります。
下りの上越新幹線では、赤城山が見える進行方向右手の座席を選ぶと先日申しました。右側の車窓の方が楽しいという経験則は、東北新幹線にも当てはまります。大宮、宇都宮、郡山、福島、仙台と、主要駅の在来線がことごとく右側にあり、途中で並走する埼京線も右側、仙台駅の急曲線の様子が分かるのも右側だからです。
しかし、今回はあえて左側の席ををとりました。雪をかぶった山並みが、この時期に関する限りは右側の車窓以上に秀逸だからです。東京を出て最初に現れるのは富士山、次いで日光の男体山、さらに進めば那須岳、磐梯山、安達太良山、吾妻山に蔵王連峰と、百名山に数えられる名峰が次から次へと流れ去る車窓には、赤城山が迫ってくる上越新幹線の車窓とは一味も二味も違った趣があります。
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汽車旅in東北 2015 -出発

2015-01-10 06:41:49 | 関東
始発の秋田新幹線で出発します。終着駅まで四時間弱の移動です。
去年と全く同じ葛藤を抱えながら、今回もグリーン車を奢りました。三連休初日の混雑を嫌ったのと、乗車時間を考えると東北新幹線より割安なのが決め手になってのことです。しかし、在来線規格の車両に詰め込まれた四列座席に、実質四千円近い料金を支払う価値があるかという疑問が念頭を去りません。今回は普通車にも相当数の空席が出ている状況だけになおさらです。6時発の臨時列車が運転されれば、迷うことなくそちらの普通車を選んだのですが。
このようなことを考える時点で、自分はそもそもグリーン車の乗客たり得る器ではないということでしょう。小さい人間です(苦笑)

★東京632/こまち1(3001B→3001M)/1025秋田
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