MT MANIAX

苦難の時にこそ、われわれは隣人に対して寛大であらねばならない。そうしていれば世界はわれわれにとって寛大なものになるはず。

第三の時効

2006年03月27日 | 
横山秀夫、集英社(集英社文庫)、東京、2006

 2003年に集英社から発刊された単行本の文庫版です。F県警を舞台にした連作短編集です。めちゃくちゃ面白かったです。
 「理詰型」の朽木一班班長、「謀略型」の楠見二班班長、「閃き型・天才型」の村瀬三班班長は、それぞれ凄腕の刑事です。彼らの活躍が、上司目線、部下目線などで描かれています。3人の班長たちの強烈な個性が、この作品の魅力であると思います。
 一番かっこいいのは、楠見でした。2番目の話の表題作「第三の時効」は凄いと思いました。こんな刑事には捕まりたくないなあ、と思いました。現実にいたらめっちゃイヤな刑事ですが、犯人逮捕を最優先時効としてとらえ、犯人だけではなく仲間まで騙してしまう冷血な姿がいいと思いました。
 横山秀夫は短編の天才かもしれません。はずれがありません。この『第三の時効』もオススメです。


最新の画像もっと見る