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MT MANIAX

苦難の時にこそ、われわれは隣人に対して寛大であらねばならない。そうしていれば世界はわれわれにとって寛大なものになるはず。

踊る大捜査線3を観ました

2011年02月16日 | 映画館以外で観た映画
 ようやく『踊る大捜査線 THE MOVIE 3』を観ました。映画版は律儀に毎回観ているのですが、やっぱりテレビドラマの方が面白いなあ、と思います。1、2、3と進むに連れて、各登場人物たちの絡ませ方が難しくなってきているように思えます。ストーリーへの室井さんの入れ込ませ方は微妙ですし。
 しかし、演出上、おもしろいなあ、と思ったのは、物語の中で青島のコートが失くなったり、出てきたりしている演出でした。

劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル

2011年01月09日 | 映画館以外で観た映画
 TRICKの最新作。相変わらず、バカバカしい作品でした。
 松平健さんに関するギャグは、くすっと笑ってしまいました。松平健さん演ずる鈴木玲一郎が唱える呪文「バンサンケツマ」はマツケンサンバの逆読みですし、白馬に乗るシーンは暴れん坊将軍のパロディでしょうし。
 今回の作品では、テレビドラマ第一作目が持っていた「ひょっとしたら霊能力は存在するのかもしれない」と思わせる要素が、少し強めに出ていたと思いました。この要素を担うキャラクターは、ドラマ第2作目以降は野際陽子さんが演じる山田里見が担っていました。この要素ってドラマTRICKの魅力だったと思います。その要素が強めに復活していましたので、個人的には嬉しい変化でした。

鉄男 THE BULLET MAN

2011年01月08日 | 映画館以外で観た映画
 とうとう観ました。塚本晋也監督最新作『鉄男 THE BULLET MAN』。伝説の映画『鉄男』の、待望の新作です。もう、本当に“待望”でした。世界中の塚本ファンが待ちわびたと思います。
 全編、爆発的な映像と音が疾走します。映像は荒々しさに加え、緻密さがプラスされているように感じました。映像はモノクロではなく、いわゆる塚本ブルー的な映像と、セピア調の映像、そして白と黒と銀のコントラストが美しい映像の色調でした。映像の緻密さを表現するには白黒映像だけでは難しいのだと思います。第一作目にあった破壊衝動的な愛だけではなく、もっと色々な愛が描かれていましたので、そういうものを表現するには白黒だけでは難しいのだと思いました。
 『鉄男 THE BULLET MAN』は塚本作品の集大成のように思えました。『悪夢探偵』のオドロオドロしさ、『悪夢探偵2』の親子の愛情、『ヒルコ』や『双生児』であった異形のものが飛び交いながら襲ってくる表現等々。これまでの作品すべてが『鉄男 THE BULLET MAN』につながっていたのかなあ、と思いました。
 第一作目『鉄男』の自己オマージュのような映像も多数ありました。文章で表現するのが難しいのですが、「ヒャーッヒャッヒャッヒャッヒャ」と笑う顔の映像、ギュルギュルギュルギュルとこんがらがっている針金の中からバーンと光がフラッシュする映像、人が車にひかれる映像、自分の体の鉄化への変化が顔のほっぺたから現れる映像、街の中を高速で疾走する映像。21世紀につくり直すとこういう感じになるんだ、と見せつけられたような印象です。
 物語は、荒々しさだけではなく、優しさも感じられる物語でした。
 DVDを見終えたあと、やっぱり映画館の大スクリーンで、大音響で楽しみたかったなあ、と思いました。あと、何回か見てみたいと思いました。

スタートレック:ディープ・スペース・ナインを見終えました

2011年01月06日 | 映画館以外で観た映画
 ようやく『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン(DS9)』のDVDボックスをすべて見終えました。DVDボックスは50枚近いDVDで構成されています。かなりの分量でした。全部見るまで他のDVDを見たくないので、他のDVDが積ん読状態になりました。
 DS9は期待していた以上に面白かったです。特にシリーズが終盤になるにつれて、どんどん面白くなってきました。始めの頃は、主人公のベンジャミン・シスコが好きになれませんでした。言葉が悪いのですがちょっとヘタレ気味で、カリスマ性が感じられませんでした。ときどき見られる「ヒョホッ」「ヒャハッ」というような甲高い声を発する独特な演技も、ちょっと微妙やなあ、と思っていました。しかし、シリーズが進むに連れてヒゲをはやし、頭をまるこめにそったところぐらいから、シスコの魅力がぐいぐい出てきました。ちょっと腹が出てきて恰幅が良くなり、「司令官」「大佐」「艦長」のオーラが出てきたように思えました。
 他のキャラクターも魅力が一杯でした。個人的に一番好きなのはフェレンギ人のクワークでした。金にがめついフェレンギですが、時々垣間見える友情を大切にするところや、平和主義的なところや、周りに流される根っからのフェレンギ魂を貫こうとするところや、実は気が弱いところが見受けられまして、すごくいいキャラクターやなあ、と思いました。
 カーデシア人のガラックも好きです。DS9の仕立屋ですが、実はカーデシアの情報員であるという立場が面白いです。普段は穏やかで礼儀正しいのですが、実は瞳は笑ってはおらず、心の奥が見えなず、しかし義を重んじるところがあり、一癖ある魅力的なキャラクターでした。
 厳密に考えると登場人物ではないのですが、ホロスイートのホログラムである歌手ヴィック・フォンテーンも良かったです。彼が歌っているのは、おそらく50年代か60年代のアメリカの歌だと思うのですが、その歌がとてもいいです。懐かしのメロディです。私はこの時代には生まれていませんので「懐かしのメロディ」という表現はおかしいのですが、なんか聞いていたくなる歌です。昔のラスベガスのエンターテイナーですね。
 キャラクターのことばかり書きましたが、物語も面白かったです。「預言者」「選ばれし者」「オーブ」など、ファンタジーっぽい要素を盛り込んでいることは個人的には好きではないのですが、それを抜きにしても面白かったです。宇宙全体が戦争になっていく終盤は特に面白かったです。こういう物語は、テレビドラマでかなりの長期間、じっくりやらなければ作れないと思いました。

 これで、ネクストジェネレーション、ヴォイジャー、そしてDS9を見終えました。あとはエンタープライズと、本家のスタートレックが残っています。すべてのスタートレックを見終えるまで、もう少し時間がかかりそうです。

秒速5センチメートル

2010年06月14日 | 映画館以外で観た映画
 アニメ映画『秒速5センチメートル』のDVDを観ました。

 ≪知ってる? 桜の花のおちるスピード≫

 ≪どれほどの速さで生きれば、君にまた会えるのか。≫

 少し変わったタイトルと、予告編で流れるこのセリフ。これはもう、観ずにはいられない作品でした。
 映像がめちゃくちゃ綺麗です。ピンク(桜色?)がめちゃくちゃ好きです。劇中に登場する桜の花の色もそうなのですが、色々な背景に効果的に使われているピンクが美しかったです。雲とか、草や雪や髪の動きで伝わる風もきれいです。
 声優さんもいいです。特に少女時代の篠原明里の声は、すごく作品の世界観と合っていました。よくよく聞き入ると不思議な抑揚がありました。
 物語は波風はなく、わざとらしい事件などが起きるわけではなく、日常の風景という言葉がぴったり合っていると思いました。美しくて、純粋で、切なくて。
 好き嫌いが別れるような作品ではないのですが、めちゃくちゃ強烈なファンが生まれるような作品でもないと思います。どのような子供の頃を生きていたのかが、作品から受けるジンワリ感の強さが変わると思います。感傷的になりますね。

サマーウォーズ

2010年04月26日 | 映画館以外で観た映画
 昨年の夏にヒットしたアニメ映画『サマーウォーズ』のDVDを入手したので、早速観ました。allcinema ONLINEの紹介文を。

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 2006年の「時をかける少女」が評判を呼んだ細田守監督が、再び奥寺佐渡子(脚本)、貞本義行(キャラクターデザイン)とタッグを組み、気弱な理系少年の思いも寄らぬひと夏の大冒険を描くSF青春アドベンチャー。ひょんなことから片田舎の大家族と夏休みを過ごすハメになった17歳の少年が、仮想空間に端を発した世界崩壊の危機に立ち向かう姿を家族の絆を軸に迫力のアクション満載で描き出す。声の出演は神木隆之介、桜庭ななみ、富司純子。
 仮想都市OZ(オズ)が人々の日常生活に深く浸透している近未来。小磯健二は天才的な数学の能力を持ちながらも内気で人付き合いが苦手な高校2年生。彼は憧れの先輩、夏希から夏休みのアルバイトを頼まれ、彼女の田舎、長野県の上田市を訪れる。そこに待っていたのは、夏希の親戚家族“陣内(じんのうち)家”の個性溢れる面々。この日は、夏希の曾祖母で一族を束ねる肝っ玉おばあちゃん、栄の90歳の誕生日を祝う集会が盛大に行われていた。その席で健二は夏希のフィアンセのフリをする、というバイトの中身を知ることに。そんな大役に困惑し振り回される傍ら、その夜健二は謎の数字が書かれたケータイ・メールを受信する。理系魂を刺激され、その解読に夢中になる健二だったが…。
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 面白かったです。期待以上でした。映画の冒頭10分間を見て、これは面白いと思いました。アニメーションの映像表現も面白いですし、ネット上の仮想空間OZの説明の仕方も分かりやすいですし、編集のテンポもいいです。全編を通じてこの良さは続きます。
 日本のアニメの大作ではCGに否定的で、CGを多用していないことが賞賛につながる傾向が強いですが、この『サマーウォーズ』はCGと見事に融合していました。
 物語は仮想空間と現実世界を行ったり来たりします。インターネットの掲示板やチャットなどに馴染んでいる人の方が、仮想空間OZの表現方法を楽しめると思います。花札のシーンも画面に動きがあって面白かったです。
 しかし、このようなネット関係の知識がなくても充分に楽しめる内容だと思いました。物語の根底に流れているものは家族、社会、勇気、諦めないこと等、非常にオーソドックスで、共感が得られやすいものでした。栄ばあちゃんの手紙は、ぐっときました。

カイジ 人生逆転ゲーム

2010年04月17日 | 映画館以外で観た映画
 DVD屋さんに行ったところ、発見しました!『カイジ 人生逆転ゲーム』を。迷わず購入しました。観たかったんです、この作品!
 カイジのファンは熱烈な人が多いでしょうから、大多数のファンの方から評価を得るのは難しいと思います。登場するギャンブルは限定ジャンケン、鉄骨渡り、Eカードの3種目です。私は限定ジャンケンの熱烈なファンですので、限定ジャンケンだけで一本の映画を作って欲しいと思いました。そういう分けで、ファンの人はそれぞれにコダワリがあると思います。ですから、3種目のギャンブルを、ファンの心を満足するように一本の映画へ詰め込むのは物凄く難しいと思います(ギャンブルの説明はWikipediaの記事を参考にしてください)。
 見所は香川照之さんと藤原竜也さんのハイテンションな演技だと思います。利根川役の香川照之さんは顔中に凄いシワを作っていました。どうやったらあんなに凄いシワを演技で作れるんだろうか。カイジ役の藤原竜也さんも意外とハマっていました。物語の最後の方(Eカード戦)で、ゲームのカードだけではなく、藤原さん自身が奴隷みたいに見えてきました。
 残念なのは遠藤役の天海祐希さん。どうして遠藤を女性に置き換えちゃったんだろうか。男のままでよかったのに、とカイジファンほど強く考えると思います。映画の興行上、女性を混ぜなければならなかったのだと思いますが……。
 原作漫画と切り離して見てみると楽しめると思います。原作のカイジで出てきたギャンブルのエッセンスが凝縮してふんだんに詰め込まれています。
 E-カード戦は手に汗握る戦いでした。限定ジャンケンよりも、E-カード戦の方が盛り上がり、カイジらしい戦いが繰り広げられました。おそらくカイジを知らない人は、最後の利根川の推理、そしてそれを上回るカイジの仕掛けたどんでん返しが、非常に気持ちよく感じると思います。
 限定ジャンケンもE-カードも、基本的には人物に大きな動きはありません。ですから役者さんの演技、演出、映像、BGMで盛り上げる必要があります。この盛り上げ方も良かったと思います。
 映画のラストに待っているほどほどのハッピーエンドも、ちょうどよいバランスだったと思います。

 話が前後しますが、このDVDを買いに行ったときのことです。売場でカイジのDVDを取ってDVD屋さんの店員さん(中国人女性)に渡したところ、「このDVDは私も見たのですが、これはものすごく面白いです! おすすめです!」と興奮した中国語で話してくれました。なるほど。カイジのエッセンスは国境を超えるのですね。これは面白い発見でした。会社の同僚にも観てもらおうかなあ。

「しんぼる」を観ました

2010年03月07日 | 映画館以外で観た映画
 ようやく映画『しんぼる』のDVDを手に入れ、観ることができました。好きですね、こんな映画は。しかし全国的に不評な理由も何となく分かります。映画の中盤までは、白い部屋に仕掛けられたスイッチを使った脱出劇です。単調になりがちと思いきや、けっこう楽しめました。途中、漫画っぽい映像も出てきて、こんな映像も作るんだ、と思いました。白い部屋での修行編、エスカルゴマンのエピソードなど、笑いを交えながら充分な振りを行ない、実践編から一気に回収していく感じでした。エスカルゴマンの話のラストは大笑しました。こんだけ時間をかけといて、こんなオチを持ってくるとは……(笑)。修行編の白い部屋と違い、実践編では悪魔っぽい黒い部屋で主人公がスイッチを押すと、現実世界に何かの出来事が発生します。天使の部屋ではなく、悪魔っぽい部屋から、という点がいいです。表面的な点を観ていくと支離滅裂で、主人公がなんで白い部屋に閉じこめられたのかという謎が解明されていませんので、不評になると思います。何が言いたいのか、という点を考えながら観ていくと、なかなか味わい深いと思います。けど難しいです、この映画は(笑)。

ハゲタカ

2010年01月30日 | 映画館以外で観た映画
 今日は朝から中国電信へ行きました。ADSLのパスワードを確認するためです。窓口まで行ったのですが、大家さん本人じゃないと教えられません、とのこと。う~ん、こういうところは、ものすごく中国的な気がします。交通ルールがあんなにめちゃくちゃで、行列を作れない国民なのに、窓口業務がものすごく杓子定規なところが特徴的な国だなあ、と思います(中国の人をけなしている分けではなく、冷静にそのように思えます)。
 昼間は味噌煮込みうどんを作りました。鶏肉と卵を入れ、味噌味で楽しみました。味噌はうまいなあ。昼食後、少し読書をして、どっと眠気に襲われ、18時ぐらいまで眠りました。起きると体がなまっている感じでしたので散歩しながらDVD屋へ。うっかり忘れていたのですが、映画『ハゲタカ』のDVDが並んでいたので、即購入!

 私のブログでも何回か取り上げたNHKのテレビドラマ『ハゲタカ』。本当に素晴らしいドラマでした。その映画版が2009年に公開されるということで、スクリーンへ行けないことを中国から悔しく思っていました。その映画をようやくDVDで見れます。

 おもしろい映画でした。しかし、テレビほどじゃない、という感じです。期待値を高めすぎたのかもしれません。
 鷲津政彦(大森南朋)、芝野健夫(柴田恭兵)、三島由香(栗山千明)、西野治(松田龍平)の4名がテレビドラマ版からの主要登場人物で、配役はそのままで映画でも登場します。しかし、正直なところ、西野治は映画の中で必要な登場人物とは思えませんでした。西野治に取ってつけたように活躍の場を与えたような感じですが、旅館のシーンだけでよかったと思えました。マネーゲームの世界から完全に足を引かせることが、テレビドラマの中で西野治の人生の結論じゃなかったのか、と思います。
 映像はきれいでした。異常な斜めカットなどの独特のカメラ割りがなく、おとなしい感じでした。しかし、独特の色使いは健在で、きれいでした。鷲津は青、芝野は黄色などのテーマカラーは健在でした。今回は新しい登場人物で鷲津と敵対する“赤いハゲタカ”こと劉一華(玉山鉄二)の場面では赤色が使われていました。チャイナレッドですね。
 テレビ版を意識したセリフが鼻を突きました。「俺はアンタだ」「何をたくらんでるんですか」「腐ったアメリカを買い叩く」これらはテレビドラマの中で出てきたセリフの焼き直しですが、こういう印象的な言葉を使うのはどうなのかなあ、と思います。また、派遣工員に劉が缶コーヒーを渡すシーンも、テレビドラマの中で鷲津が西野治に旅館の裏で缶コーヒーを渡すシーンの焼き直しです。ファンサービスなのかもしれませんが……。「金が悲劇を生む」これは、劇中で使うのは「あり」だと思います。
 キャスティングでは、先に述べた派遣工員の守山役の高良健吾が良かったです。顔つきがリアルでした。アカマ自動車社長の古谷隆史役の遠藤憲一も物凄く良かったです。テレビドラマの大杉蓮と全く同じ立ち位置のキャラクターですが、ものすごくはまっていました。 玉山鉄二も良かったです。公園の駐車場で自分の素性について鷲津に問い詰められたときに見せた覚えた表情の演技はうまいなあ、と思いました。
 各論的なことを先に書いてしまいました。物語全般についてですが、テレビドラマのものとは違い、労働者層からの視点に重きを置いていました。派遣工員(持たざる者)によるストライキさえも金を持つものに利用されるという悲劇が描かれていました。ホテルの一室で、劉が派遣工員の守山翔(高良健吾)に拾わせるシーンがものすごく印象的で、今回の映画『ハゲタカ』の中で最も好きなシーンです。このシーンには、現代日本のいろいろな歪みや理不尽さが凝縮されているように思えました。テレビドラマの第3話から第6話の大空電気編では、工場の技術者からの視点や、下請け会社からの視点は用意されていましたが、持たざる者の視点は強くなかったと思います。そういう意味では、映画『ハゲタカ』は現代のテーマを取り入れていると感じました。
 いまいち、今回の映画版が突き抜けていないなあ、と思うところは、物語のハラハラ感、感動、悲しさ、熱さについて、テレビドラマ版に負けているという点でした、これらは主観的な判断ですので私の個人的な感想ですが、ドラマ第1話の旅館「西乃屋」経営者が金を工面できずに死んでしまうシーン(悲しさ)、第2話・第3話の「サンデートイズ」でのサドンデス(ハラハラ感)、第4話から第6話で見た会社とは誰のものなのか(熱さと感動)、という見所がありましたが、それらを超えていないように思えました。決して面白くないわけではないのですが……期待が高すぎたのかもしれません。

ゴジラ

2009年12月24日 | 映画館以外で観た映画
 先週から続いているバタバタは、まだ続いています。帰宅してから、この記事を書いています。パソコンのディスプレイの横には、DVDで『ゴジラ』を再生しています。
 『ゴジラ』は50年以上前の怪獣映画です。日本の怪獣映画は、『ゴジラ』の登場で既に完成されていたのだと思います。『ゴジラ』以降の怪獣映画をすべて観たわけではないのですが、『ゴジラ』ほど、よく出来た作品はありません。
 『ゴジラ』には怪獣映画のエッセンスがすべて詰まっています。怪獣の脅威。なすすべもなく逃げ惑う人々。少しゆがんだ科学者の心理。科学技術の光と影。怪獣とオキシジェン・デストロイヤーという架空の存在を扱いながらも、基本部分にはリアリティが感じられます。
 特撮や役者の演技は古臭く感じられますが、その古臭さも含めて、『ゴジラ』は愛すべき怪獣映画であり、「本作を超えるゴジラは無い」という言葉も頷けます。

スター・トレック

2009年12月08日 | 映画館以外で観た映画
 DVDを入手することができ、ようやく観ることができました。あらためて書くまでもないのですが、人気テレビシリーズ『スター・トレック』のエピソードゼロ的な物語です。最近、エピソードゼロみたいな作品が多いなあ。テレビドラマの『ガリレオΦ』、『仮面ライダーW~ビギンズナイト~』などなど。
 『スター・トレック』は、オリジナルストーリー(TOS)はあまり観たことがないのですが、続編にあたる『新スタートレック』(TNG)が結構すきでして、DVDボックスで全部観ました。
 今回の『スター・トレック』は面白かったです。あの古臭いエンタープライズを現代風にアレンジすると、こんなにも格好良くなるんんだ。古臭い制服もアレンジすると見た目の印象が変わるなあ。転送シーンの映像効果も、こうやると格好よくなるんだ。宇宙船のワープシーンはスピード感があって、今までの解釈とはまったく違って格好いいなあ。などなど。
 しかし、スタートレック独特の面白さは、かなり少なかったと思います。物語を2時間の枠に詰め込み過ぎているように思えます。非常にテンポがよく飽きさせないのですが、人間ドラマ的な物語、派手な戦闘シーンに頼らないミステリー的な展開、道徳観念的な物語などが希薄でした。悪く言えば、普通のSF大作映画のような感じでした。
 しかし、上に書いたように、伝説的なSFドラマであるスタートレックの「新解釈」という点では、非常に冒険的で面白いと思いました。もし続編があるのであれば観たいと思います。

イキガミ

2009年11月07日 | 映画館以外で観た映画
 今日はすべらない話の放送日だったのですが、ネット回線が混雑しているようで、映像や音声がブツブツと途切れ、調子が悪く、見れるような状態ではありませんでした。残念。代わりと言っては何なのですが、買っていた映画『イキガミ』のDVDを見ました。あらすじは次の通り(allcinema ONLINEから引用)。

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 国家繁栄のために1000人に1人の若者が政府により強制的に殺される“国家繁栄維持法”が施行されている架空の世界を舞台にした間瀬元朗の同名コミックを、「花より男子」の松田翔太主演で映画化した異色のヒューマン・ドラマ。24時間後の死亡を通告する政府発行の証明書、通称“逝紙(イキガミ)”を受け取った3人の若者と、それを取り巻く人々が繰り広げる最期の24時間のドラマを描く。監督は「樹の海」「犯人に告ぐ」の瀧本智行。
 “国家繁栄維持法”とは、“死”の恐怖を実感した国民がより充実した“生”を全うすることで国家繁栄に繋げることを企図した法律。全国民は子供の頃に体内に特殊なカプセルを埋め込まれ、それによって1000人に1人の割合で18歳から24歳の若者があらかじめ設定された日時に自動的に死を迎える仕組みになっていた。藤本賢吾は政府発行の死亡予告証=イキガミをその本人に配達する厚生保健省の職員。そんな彼が今回出会ったのは、メジャーデビューを夢見るストリートミュージシャンの田辺翼、息子に届いたイキガミを選挙に利用しようとする保守系女性議員を母に持つ滝沢直樹、そして事故で失明した最愛の妹のために角膜移植を決断する青年、飯塚さとし。そんな彼らの最期の24時間を目の当たりにしたことで、やがて藤本の心にも様々な迷いや葛藤が渦巻いていく…。
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 「余命24時間」と宣告された人がとる行動と、それを見守る人の話。ネットでいろいろな感想文を観たのですがいい感想が多くありませんでした。期待以上に面白かったです。
 ミュージシャンの話、議員の息子の話、角膜移植を決断する青年の話。3話構成です。角膜移植の話が、ベタなのですが良かったです。最後の10分はボロボロ泣いてしまいました。詳しくは書きませんが、こういう話に弱いです。
 限られた余命の中で自分が本当にしたかったことを行動する、という映画は本当にたくさんあります。そういう意味では、偶然なのですが、昨日のブログで書いた「大きな岩の話」と関係するテーマでもあります。こういうテーマの中で、人の優しさみたいなものが見える映画は、ベタなのですが好きです。
 役者さんですが、山田孝之が良かったです。昨日、見た『鴨川ホルモー』よりも良かったです。山田孝之が得意な演技を目にすることができたと思いました。

ヤッターマン

2009年10月17日 | 映画館以外で観た映画
 DVDで、やっと実写版映画『ヤッターマン』を観ました。物語はヤッターマンのおなじみの構成(ドロンボー一味の悪徳商売→ヤッターマンがドロンボーの悪だくみを嗅ぎつける→ドクロベーの指令→ドクロストーン争奪戦→ビックリドッキリメカ→ドロンボー敗退→おしおきだべぇ)。
 全体的な感想としては……う~ん、いまいちな感じで残念でした。無理矢理、詰め込んだ感じの小ネタ(「ヤッターヤッター、ヤッターマン」のポーズ、「天才ドロンボー」に合わせた三悪のダンスシーン、おだてブタ、ボヤッキーの「ポチッとな」が気合い入りすぎ等々)が鬱陶しいと思いました。ファンサービスであることは重々承知しているのですが、物語のテンポと流れがやや悪くなっているように思えました。
 衣装やメカのデザインは良かったですね。ヤッターワンとヤッターキングは格好よかったです。体内でのビックリドッキリメカ製造光景も良かったです。ヤッターマン1号2号、ドロンボー一味の衣装デザインも良かったです。ドロンボー一味の衣装は全体的に暗い感じでしたので、もう少しだけ鮮やかな色使いでも良かったと思いました。
 一番の不満点はアクションシーンでした。ヤッターマンやメカたちがスクリーン狭しと飛び回るのですが、質量がないような映像でした。軽すぎるのです。ズッシリ感がないと迫力が感じられないです。



 蛇足ですが、このヤッターマンのマークを見て「パンツみたい。特にグンゼのパンツに見える」と思いました。

ウォッチメン

2009年09月29日 | 映画館以外で観た映画
 『ウォッチメン』をDVDで見ました。複数形ですので、ウォッチマンではなくウェッチメンです。もう、本当にお腹いっぱいという感じの、アメコミの実写版です。お腹いっぱいなのですが、ついつい見てしまいます。大人になっても自分の心から幼稚な部分が抜けきっていないのだなあ、と思います。
 スーパーヒーローが実在する世界が作品の舞台です。限りなく現実の世界に近い設定の中に、ヒーローを取り入れるというやり方が面白いと思いました。
 ハリウッド映画に登場するスーパーヒーローは、アメリカの「正義」を象徴したものです。この『ウォッチメン』においても例外ではないと思います。しかし、『ウォッチメン』のテーマは、「正義」とは何ぞや、という疑問だと思います。
 以下、ややネタバレ的になりますが……

 映画の冒頭はスーパーヒーローが殺されるシーン。
 登場するヒーローたちは一枚岩ではなく、個々に異なった正義感を持っている。
 ヒーローたちの正義感は衝突することがある。
 映画の核心はスーパーヒーローが世界に与えた悪影響。

 このような要素を見ていきますと、『ウォッチメン』が制作されたアメリカ社会は、健全に機能しようとしているのだなあ、と思いました。

クライマーズ・ハイ

2009年09月25日 | 映画館以外で観た映画
 横山秀夫の小説『クライマーズ・ハイ』を映画化したものです。題材は日航機墜落事故。地方新聞社を舞台にした白熱した社会派エンターテイメントです。
 良かった点は、新聞社内の白熱した言い争いの場面です(笑)。「報道とは何ぞや」「新聞とは何ぞや」ということが熱く語られています。この熱さは、漫画『編集王』に通じるものがあると思いました。『編集王』が大好きでしたので、この熱さを嬉しく受け入れてしまいました。この10年ぐらい、新聞が好きではないので、こn熱さを見られて良かったと思いました。
 良くないと思えた点は、サイドストーリーとメインストーリーの絡ませ方に難があることでした。メインの物語には日航機墜落事故を追う新聞社の編集局の話があるのですが、サイドストーリーに主人公の親友の安西のエピソードと、21世紀になり主人公が山登りをする話と、息子と仲直りをしようとする話です。サイドストーリーが全く無駄という分けではないのですが、この程度の絡ませ方であれば、外してもOKであったと思います。好きな小説、好きな役者さんの映画でしたので、少し残念でした。

 社会派映画は、これから、もっともっと流行ると思います。多くの作品を見ている分けではないのですが、『ハゲタカ』や今回の『クライマーズ・ハイ』を見ていますと、そのように感じました。
 今、テレビドラマで『官僚たちの夏』というドラマが放映されているそうです。DVDが発売されたら中国でも観られると思いますので、楽しみに待っています。