MT MANIAX

苦難の時にこそ、われわれは隣人に対して寛大であらねばならない。そうしていれば世界はわれわれにとって寛大なものになるはず。

エンターテイメントとして「メッセージ」を訴える

2005年07月31日 | 日記
 『亡国のイージス』の原作小説を読み、今回の映画を観たあとにも思ったことですが・・・。
 エンターテイメント化することは非常に重要であると思いました。より多くの人にメッセージを、伝えるため、そして訴えるためです。
 学生時代に『永遠の仔(上)(下)』(天童荒太、幻冬舎、東京、1999)を読んだときにも同じことを思いました。『永遠の仔』は端的にいうと幼児虐待問題をテーマにした小説です。上下巻の、重いテーマを扱った、非常にボリュームのある小説でした。しかし、ミステリーとして極めて高いレベルで仕上がっており、3人の主人公たちの、あまりにも悲しい境遇のために、ラストシーンでは泣かされてしまいました。
 世の中の問題をノンフィクションやドキュメンタリーで伝える手法もありますが、その問題に対して関心の薄い人は見向きもされないのが現実であると思います。日本国民である以上、日本の問題について関心を持たない人は国民失格であると思います(私なんかが、そんな偉そうなことを書いてもいいのか?)が、現実です。ですから、エンターテイメント化していく必要があると思います。敷居をできるだけ低くすることによって、その問題に目を向けてもらうことから始まると思うのです。

亡国のイージス

2005年07月31日 | 映画
監督:阪本順治、出演:真田広之、寺尾聰、佐藤浩市、中井貴一、日本、2005

 今年の世界の映画界は「スターウォーズ祭り」ですが、日本では「福井晴敏祭り」と言えます。『ローレライ』『戦国自衛隊1549』と続いた福井晴敏原作作品の最後発が『亡国のイージス』です。
 「イージス」とはギリシャ神話に登場する最高神ゼウスが娘アテナに与えた、あらゆる邪悪を払う「無敵の楯」のこと。同時に、最新鋭の防空システムを搭載し、専守防衛の象徴ともいえる海上自衛隊の護衛艦をも指し示します。
 「~イージス(楯)」という題名ですが、槍のようにグサリと心に突きつけられるような映画です。戦後60年の節目を迎える2005年夏に、「専守防衛」「国家」「自衛隊」「誇り」そして「人間」といった、現代日本が避けては通れない国家的テーマに対して挑み、しかもエンターテイメントとして仕上がっており、優れた作品であると思いました。
 アクション映画ではなく、重厚な人間ドラマにウェイトを置いてある点も非常に良かったと思います。アクションや爆破シーンが好きな人にとっては物足りない内容になっているかもしれませんが、劇中の「よく見よ、日本人。これが戦争だ」というセリフを強調できていると私は思いました。
 一番好きなシーンは、物語のクライマックスで、真田広之が中井貴一を撃つシーンです。詳しく書くとネタバレになるため避けようと思いますが、このシーンのときに涙が出てしまいました。
 重厚な物語も素晴らしいのですが、役者陣も素晴らしいです。現在の日本映画界の中で、最強の布陣といえるのではないでしょうか。上記の4名の他にも、岸部一徳、原田芳雄といった素晴らしい役者が登場します。吉田栄作もいい演技をしていました。
 「映画化不可能」といわれた原作の長編小説を、2時間強の時間に見事に収めており、脚本も成功していると思いました。唯一、映画化にあたって不要と思われたシーンは水中のキスシーンでした。

ケーキが落下! すてきー!!

2005年07月30日 | 日記
 会社が終わったあと、私のアパートで同僚らと鍋を食べました。真夏なのに、キムチ鍋と豆乳鍋を作り、「熱い暑い」と言いながら食べました。
 私のアパートで飲み会や食事会を開いたときは、映画鑑賞会が定番です。今日は『パンダ・コパンダ』(演出:高畑勲、脚本:宮崎駿、日本、1972)と、『パンダ・コパンダ 雨ふりサーカスの巻』(演出:高畑勲、脚本:宮崎駿、日本、1973)いうアニメを観ました。竹林の一軒家に住む少女ミミ子が主人公です。ひょんなことから、動物園から逃げ出してきたパンダの親子を同居生活を始める、という話です。パンダが人間の言葉をしゃべったり、大雨が降って町が水没したり・・・支離滅裂な物語の連続のため、頭がおかしくなりそうでした。
 DVDを見終えたあと、近所のケーキ屋さんで買ったケーキを食べることになったのですが・・・せっかくきれいに切ったケーキを、同僚が台所からテーブルへ運ぶ際に床に落としてしまい、ぐちゃぐちゃに崩れてしまいました。大笑いしてしまいました。漫画などでは、ケーキを床に落とす場面があります。しかし、現実の世界で床に落ちたケーキを見たのは、生まれて初めてです。嬉しかったので「すてきー!」と叫びながら、写真を撮ってしまいました。

アスベスト問題って、古くないか?

2005年07月29日 | 日記
 アスベストの危険性を、私が初めて耳にしたのは10年前でした。1995年の阪神淡路大震災のときです。地震のため、兵庫県内のあちこちでは、ビルや高速道路などの建造物が倒壊しておりました。「倒壊した建物の近くを通る際は、できるだけ呼吸を止めて通るようにしなさい」と親に注意されたことを記憶しております。正直なところ、10年経った今頃になって、アスベストについてニュースなどで取り上げられている現状に対して、古い話題であると感じてしまいます。
 阪神淡路大震災のときには、地震の被害の大きかった兵庫県の南東部では防塵マスクが飛ぶように売れました。しかし、ニュースや新聞などでは、それほど大きく取り上げられなかったと思います。また、アスベストによる死者が発生したという話も聞いた覚えがありません。ひょっとしたら、アスベストによる死者は発生していたかもしれません。しかし、地震による死者が6000人にも達しており、そちらの数字のほうがはるかに大きかったことが、それほど大きな問題として扱われなかった原因かもしれません。
 アスベストに関する健康被害は、リスクの大きさの問題です。今、日本国中が、アスベストのリスクが高い状態なのでしょうか。私にとって、アスベストのリスクが最も高い時期は10年前でした。現在はリスクが極めて低い状態に感じます。そのため、めちゃくちゃに新聞やニュースで取り上げられている現状に、ちょっとした違和感を感じています。古いなあ、って思います。

九州のJRの特急はカッコイイ~大分出張~

2005年07月29日 | 日記
 今日は、大分の加工場へ訪問しました。昼前に仕事を終えて、愛媛へ帰りました。特急ソニックに乗りました。ソニックはデザインがかっこいいですねえ。JR四国は、アンパンマン特急のような子供だましの特急なんか走らせないで、ソニックのようなカッコイイデザインの特急を走らせて欲しいです。

土用の丑の日にモスバーガー~宮崎出張~

2005年07月28日 | 日記
 宮崎へ出張してまいりました。3年ぶりの宮崎です。暑かったです。暑さと湿度のため、空気の密度が高いように感じられました。私が最も苦手とする気候です。
 朝の5時30分に愛媛を出発し、宮崎に到着したのは昼の12時30分でした。畜肉関係の食品工場に訪問し、17時30分に仕事を終えました。
 宿泊は、宮崎県の延岡市のホテルです。ホテルに到着したのが21時30分でした。チェックインした後、暑さのためにフラフラしながら外出しました。ホテルは、五ヶ瀬川という川の近くでした。川に架かっている五ヶ瀬橋の上は、少しだけ涼しい風が吹いていました。川の上のため、気温が低かったのだと思います。
 夕食をとるためにフラフラ歩いたのですが、居酒屋やスナックのような店しか開いていませんでした。私は酒を飲めないので、そのような店には入れません。近くにコンビニも見当たりませんでした。
 仕方がないので、モスバーガーに入りました。今日は、土用の丑の日です。フレッシュバーガーを買い、ホテルへ持って帰って食べました。なんか、ざんないですなあ。

明日から九州出張

2005年07月27日 | 日記
 28日に宮崎、29日に大分へ出張へまいります。今日は、そのための準備に追われていました。今回は、畜肉加工品の工場と、海藻加工品工場へまいります。事前に入手した書類によると、どちらの工場も品質管理のレベルが高いように推測されました。楽しみです。

MOTTAINAIカーニヴァル

2005年07月26日 | 日記
「もったいない」ブランド 伊藤忠が環境保護で展開

 伊藤忠商事が展開する「MOTTAINAI」(もったいない)のロゴを付けたTシャツなどの商品
 合言葉は「もったいない」-。伊藤忠商事は26日、ノーベル平和賞受賞者でケニア副環境相、ワンガリ・マータイさんが提唱する「もったいない」をブランドにして商品販売する事業を始める、と発表した。収益の一部はマータイさんが創設した植林運動に寄付される仕組みで、消費者や企業が買い物を通じて環境保護に参加できる。
 マータイさんは、限られた資源を大切に使うという意味を表す言葉として「もったいない」の持つ精神を提唱している。
 植林を表す緑の葉っぱに「MOTTAINAI」とローマ字で書いたロゴマークをTシャツや布バッグ、食器などに印刷して販売。例えば1700円のTシャツを買うと、うち300円がマータイさんが立ち上げた環境保護活動を行う非政府組織(NGO)「グリーンベルト運動」に寄付される。風呂敷や扇子など日本の伝統工芸品も商品にする予定だ。
(共同通信) - 7月26日20時1分更新

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 「外人の偉い人に、日本の精神をほめてもらった」ということで、全国の日本人は喜んでおるようです(笑)。全国各地に、MOTTAINAIキャンペーンが広がっているようです。
 私が小学生の頃(20年前ぐらい?)、公共広告機構のCMが流れていました。「嫌いなおかずを食べずに残すと、もったいないオバケというオバケが出るぞ~」というものでした。しかし、「もったいないオバケ」のときは、「MOTTAINAI」のようなキャンペーンは起きなかったと思います。世の中の構造が変わってる、と思います。カーニヴァル化ですねえ。
 「MOTTAINAI」のTシャツや、カバンなどのグッズを買う人がいるのでしょうか。こんなん、「もったいない」に完全に反していると思います。

未成年の飲酒、日本はこんなにも厳しかったのか

2005年07月25日 | 日記
 フジテレビ社員が18歳のジャニーズアイドルの飲酒を容認していたニュースについてです。飲酒が発覚後、10日間以上も新聞記事などで取り扱われている状態に、違和感を感じます。
 未成年者飲酒禁止法の第1条には「満20年ニ至ラサル者ハ酒類ヲ飲用スルコトヲ得ス」と記されており、未成年の飲酒を禁じております。
 日本の文化・風土は、未成年の飲酒に対して、もっと寛容であると思います。私は、晩酌している父からビールの泡をもらったり、正月には親戚からビールを一口だけ飲まされ、真っ赤になって笑いものになったりした経験があります。日本中、どこにでもある光景だと思います。
 法律を犯しているため「100%問題ない」とは言い切れません。しかし、10日以上も新聞を賑わす話題のようには、私には思えません。国家公安委員長が19日に「(アナウンサーの)1週間の謹慎処分は甘い」というコメントを発表しておりました。重要な職に就いていらっしゃる方でしたら、もっとコメントするべき重大な問題が日本にはあるんじゃないか、と思います。毎年、お正月になったら、お屠蘇を飲んだ子供を容認した大人に対して、「子供にお酒を飲ませた親戚のおじさんたちは、1週間の謹慎だけでは甘い」コメントを出すつもりなのでしょうか。

 あるラジオ番組で、次のような発言を耳にしました。「アナウンサーが男で、アイドルが女でしたら、もっと大事になっていたでしょうな」これが、今回の騒ぎの本質をあらわしているように思えました。

最近はMessengersのTha's The Way A Woman Isがお気に入り

2005年07月24日 | 日記
 最近、Messengersの『Tha's The Way A Woman Is』という歌を、よく聞いています。大塚製薬のアミノバリューのCMソングです。普段、歌番組や雑誌などから情報を仕入れていないので、音楽に関して疎いのですが、この歌はいいと思いました。CMソングに、いわゆるオールディーズが使われていることがよくあります。結構、いい曲が使われていることがあるので、要チェックです。

幸せな土曜日

2005年07月23日 | 日記
 朝、起きると時計は7時48分を指していました。「うわぁ~!! 遅刻してしまう!」と思い、慌てて布団から飛び起きました。歯も磨かず、寝癖も直さず、ネクタイを締めてアパートを飛び出しました。アパートから会社まで、車で約5分。急げばギリギリ遅刻しないはず。頭の中でぐちゃぐちゃ考えながら運転しました。会社に着くと、正門の扉が半分閉まっていました。「始業時間がきてしまったか!?」と思いながらゲートを通り、駐車場に着くと、車が1台も止まっていませんでした。
 今日は土曜日なので、会社はお休みでした。
 曜日を間違えて、遅刻と思い込み、慌てるなんて・・・。生まれて初めてです。ちょっと自己嫌悪・自己不信に陥りながら、安全運転でアパートへ帰りました。今週は月曜日が海の日のため休みでした。しかも、私は水曜日に公休をとったため、出勤した日数が3日だけでした。そのため、1週間働いた実感が身体にも脳にもなく、曜日の感覚が麻痺したのだと思います。アパートへの帰り道、車の中で、昨日は『探偵!ナイトスクープ』を観て、目覚まし時計をセットせずに寝たことを思い出しました。
 アパートへ帰ってから、仕切りなおし。パンとソーセージをトースターの中に一緒に放り込んで焼きました。フライパンには卵を入れ、目玉焼きを作りました。私は、目玉焼きには塩コショウをかけるのが好きです。世間では、目玉焼きにかける調味料が、「醤油」か「ソース」かという議論がありますが、私はパン食のときには塩コショウで食べたいですね。コーヒーを入れて、さっと人並みに朝食をとりました。
 昼の11時に、近くのジョイフルに行き、通信教育の勉強を行ないました。今、ISO 9000関係の通信教育を受講しています。今まで受講した通信教育の中で、最も骨太な講座です。テキストとテスト問題がよくできており、集中して勉強できました。途中に昼食を食べて、ドリンクバーのアイスコーヒーを飲みながら勉強し、気が付けば15時になっていました。ファミリーレストランの中は、適当にざわついており、クーラーが効いており、ドリンクバーもあるので、私にとっては最適な勉強環境です。
 そして、夜中に『ホテル・ビーナス』のDVDを観ました。好きなセリフがいくつかありますので、書かせていただきます。

<ソーダがサンに話しかけるセリフ>

 あの花はね、
 あんたが割っちゃった花、
 アネモネっていうの。
 風って意味なの。
 風に吹かれて、
 すぐ散るからって説もある。
 けど本当は違うの。
 わかる?
 アネモネの種は風に乗って、
 どこまでも飛んでくの。
 遠いどこかで、
 必ず生き返ろうとする花なの。
 必ず。
 何があってもまた咲こうとする、
 頑張り屋なの。
 アネモネみたいになれたらいいね。

<ビーナスがチョナンに話しかけるセリフ>

 みんなひとりぼっちだ。
 それでいい。
 だからこそ誰かといられる事を、
 嬉しく思える。
 相手がいるから、
 意地も張れるんだ。

 この映画、淡々としているんですが、最後、ハッピーエンドで終わるので、とても好きなんです。私のような人生の若輩者にとって、この映画は心に染み入ります。
 今、ブログを書きながら、ちょっと薄めのコーヒーを飲んでいます。勘違いから始まった土曜日でしたが、いい一日でした。

雑誌「ステーショナリーマガジン」良かったです

2005年07月22日 | 日記
 出版社の雑誌『ステーショナリーマガジン No. 001』を読みました。文房具専門雑誌です。
 出版社は、様々な趣味に関する雑誌・ムックを刊行している会社です。文房具関係の雑誌としては、私が把握しているだけで『趣味の文房具』Vol. 1Vol. 2Vol. 3、『机上空間』、『デザインステーショナリー』が刊行されており、私はいずれも購入させて頂いています。
 今回、最新の『ステーショナリーマガジン No. 001』は、ドイツの文房具メーカー「STAEDTLER」が巻頭特集でした。鉛筆の工業的生産の話から始まり、どのように発展を遂げてきたか分かりましたので、非常に有意義な特集でした。
 他には、シャーペン、ボールペン、鉛筆、ハサミ、定規、無印良品などが紹介されており、私の購入意欲を刺激しました。神戸の三宮にはナガサワ文具センターという大きな文房具屋さんがあるので、お盆休みで帰省した際に、寄ってみようと考えております。

青山学院高等部入試問題に不備はなかった

2005年07月21日 | 日記
 少し前の新聞記事から。共同通信社の記事を転載。

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共同通信:ひめゆりの証言「退屈」青山学院の入試英語問題

 青山学院高等部(東京)が2月に実施した一般入試の英語の長文問題として、太平洋戦争末期の沖縄戦に動員された元ひめゆり学徒による戦争体験の証言が「退屈で飽きてしまった」とする文章を出題していたことが9日、分かった。
 同高等部は「元ひめゆり学徒の方々に配慮に欠けた表現をし、深く反省している」と話している。近く元ひめゆり学徒の団体などに謝罪するとともに、生徒、保護者にも経緯を説明する方針。
 同高等部によると、この問題は高等部の男性英語教師が自身の体験に基づいて作成。東京の高校生が沖縄を修学旅行で訪れ、防空壕(ごう)や、ひめゆり学徒の記念公園を訪問。元学徒の証言が退屈だったとし、なぜそう感じたのかとの設問もあった。
 大村修文・高等部部長は「戦後60年を迎え、戦争の体験者が次第に減る中、かつての戦場を訪れて雰囲気を体感するだけでも戦争体験を引き継いでいけるのではないかと訴えたかった」と説明している。一般入試は1057人が受験した。(2005年6月9日23:12)

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 他の全国紙3社の見出しは次のようなものでした。

朝日新聞:入試問題で「ひめゆり学徒体験談は退屈」青学高等部(2005年6月9日 23:18)
読売新聞:「元ひめゆり学徒の話は退屈…」青学高の入試で出題(2005年6月10日 3:10)
毎日新聞:青学高等部:沖縄・ひめゆり学徒隊の不適切な入試問題(2005年6月10日 10:58)

 このニュースを知ったとき、かなり違和感を感じました。新聞記事の内容が、あまりにも非常識であったためであります。そこで、原文(実際の入試問題)を読みたくなりました。
インターエデュドットコムというホームページで、青山学院高等部の入試問題を入手できました。英語は苦手なのですが、何とか読んでみました。問題の英文の要旨は次の通りです。

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 終戦から60年が経った。戦争体験者の数が年々少なくなってきている。戦争体験やメッセージを、どのようにして次の世代に伝えることができるのだろうか。
 昨年夏、第2次世界大戦の特集を組んだテレビ番組を見た。兵士の死体などのショッキングな映像が流れ、見続けることができず、チャンネルを変えた。数日後、新聞にお年寄りからの投書が掲載された。「言葉では表現できないものを、映像で見せてくださってありがとうございます」というものであった。
 私は高校時代の沖縄への修学旅行を思い出した。沖縄の防空壕跡の見学では、洞窟の中に入り、光の届かない完全な暗闇を体験した。
 ひめゆり記念講演では、ひめゆり学徒の生き残りの女性が、戦争中の体験を語った。それらの話は衝撃的な内容であった。正直なところ、私は語り部の話に飽きてしまった。その語り部が、話し慣れているように感じられた。もちろん、話に感動した友人もいたし、語り部の話に何の意味もなかっというわけではない。
 真実と体験を次世代に伝えることは重要である。その最も適切な手段は、何だろうか。最も分かりやすい方法は「言葉」であるが、話してと聞き手の間に誤解が生じないようにしなければならない。
 戦争体験者の話を聞けなくなる日がやってきたとき、体験を伝えるための代替手段はいくつか存在する。場合に応じて、言葉によらない最も良い方法で、メッセージを送るべきである。青山学院高等部の生徒になったら、修学旅行で長崎に訪れることになる。原爆体験者の話を聞く機会があるであろう。そのとき、あなたはどのようなメッセージを受け取るであろうか。

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 私の感想は、新聞で取り上げられるような大きな問題は、この英文には含まれない、というものでした。語り部の方々が行なわれている活動を揶揄した文章とは、ほど遠いと感じられました。っていうか、どこが問題なの?
 各新聞社の記事は、入試問題原文の内容と違っているように感じられました。「退屈で飽きてしまった」という表現のみがクローズアップされており、事実が捻じ曲げられています。仮にも新聞社なのだから、共同通信も朝日も読売も毎日も、こんな記事を掲載していたら、ヤバイんじゃないかなあ。
 ちなみに、このブログ記事を書くにあたって、沖縄タイムスや琉球新報なども含めて、各新聞社の記事を検索してみたのですが、読売新聞の記事がどうしても見つかりませんでした。YOMIURI ONLINEだけでなく、Yahoo! JAPANやgooなどのポータルサイトにも残っていませんでした。読売新聞が、ネット上からこっそりと削除したのかもしれない、と邪推してしまいました。
 2000年5月、当時の森喜朗首相の、いわゆる「神の国発言」の際も同様のことを思いました。『日本は「神の国」ではないのですか』(加地伸行、小学館(小学館文庫)、東京、2000)という本にも書かれていますが、マスコミが発言の一部分のみを不当にクローズアップして、首相批判を行なっておりました。発言の全文を読んでみたところ、森首相の発言内容にはまったく問題はなく、すごくまともなことを述べられているように感じられました。
 表現が悪いのですが、事実を捻じ曲げた報道は「正義の味方の仮面をかぶった、どす黒い悪」のように思えます。青山学院高等部が謝罪表明したことは、非常に残念でした。各方面からの圧力が凄かったのだと思うのですが、英文に問題はなかったことを冷静に主張して、どす黒い悪を粉砕して欲しかったです。

追伸 このブログを書き終えたあと、ネットで調べたところ、この問題については、1ヶ月ぐらい前にブログや掲示板などで様々な議論を呼んでいたようです。この発見は私が初めてではないようです。がくっ。gooのブログ検索で140本のブログ記事が見つかりました。140本すべてに目を通しました。その中から代表的な記事を以下に紹介します。

ひめゆりかぁ・・・
夢幻の如、2005年6月10日
http://cio.seesaa.net/article/4263524.html

入試問題で「ひめゆり学徒体験談は退屈」青山高等部
黒猫のつぶやき、2005年6月10日
http://blog.goo.ne.jp/9605-sak/e/bb71b1c92ede6982eb4bf3a4fe7b9b39

退屈な話
幻泉館日録、2005年6月11日
http://blog.so-net.ne.jp/gensenkan/2005-06-11-1

戦争を語り継ぐということについて~「青学高等部入試問題で「ひめゆり学徒体験談は退屈」」報道をめぐって
+だちょう+(駝鳥)、2005年6月11日
http://d.hatena.ne.jp/swan_slab/20050611/p1

ひめゆりの英文を和訳してみる
はむはむの煩悩、2005年6月12日
http://tkameda.jugem.jp/?eid=466

ひめゆりを扱った英語入試問題のばかばかしさ
28歳留学一年生、2005年6月12日
http://maystorm.cocolog-nifty.com/insydney/2005/06/post_caa8.html

青山学院高等部の問題のざっとした訳です。
オークランド憂国日記、2005年6月14日
http://blog.goo.ne.jp/bambamtang/e/81d1f6c0f709f00d2eb86861a7b3de6c

ひめゆり学徒の体験談は退屈
チェ・ゲリラの時事評論、2005年6月15日
http://blog.goo.ne.jp/cheguerrilla/e/2d1a1cc57844c7c171a0c8a60bb59bf3

「[報道]青学高等部の入試問題で、ひめゆり部隊については本当は何と書かれていたのか」
愛・蔵太の気ままな日記、2005年6月15日
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20050615#p1

カーニヴァル化する社会

2005年07月20日 | 
鈴木謙介、講談社(講談社現代新書)、東京、2005

 3つの問題(雇用問題、監視社会、携帯電話中毒)を述べた後に、「日常の祝祭化」について論じられております。「日常の祝祭化」とは、次のようなことが例としてあげられています。

・イラク人質バッシング
・拉致被害者バッシング
・サッカーワールドカップにおける客の狂乱
・阪神タイガース優勝の際のお祭り騒ぎ

 古い言葉で言うと「熱しやすく、冷めやすい」状態が、日本中を渦巻いているように思えます。鈴木謙介さんがあげられた例以外でも、私が関係する食品業界でも、事例を挙げだしたらキリがありません。「狂牛病」「鳥インフルエンザ」「にがりダイエット」「黒酢」・・・。私には、このような突如として持ち上がるお祭り騒ぎが、全く理解できず、困惑しておりました。「流行」や「ブーム」とは、若干、異質の現象であるように感じておりました。
 私は日常生活でテレビをほとんど見ないため、マスコミから流れてくる情報の影響を受けていないと考えておりました。しかし、冷静に考えてみると、インターネットを職場以外に自宅でも利用する時間が長く、マスコミ情報の影響を受けていないわけがないと思いなおしました。Yahoo! JAPANやMSN JAPANなどのポータルサイトを頻繁に利用しており、それらのサイトのトップページに掲載されているニュースのトピックを必ずチェックしている(嫌でも目に入る)ためです。ニュースのトピックは、まさにお祭り騒ぎの記事のオンパレードですので、これらの情報に触れていることになります。
 このような、最近5年ぐらいの疑問に対して、この『カーニヴァル化する社会』が1つの答えが得られると期待していたのですが、ちょっと分かりにくかったです。「カーニヴァル」とは、「お祭り騒ぎ」のことです。最終章でカーニヴァル化するメカニズムと、カーニヴァル化する日本の良し悪しについて述べられています。2回読んだのですが、ここが一番分かりにくかったです。本書の中に掲載されている4つの図も、何を表現しているのか、読み取りにくかったです。私が馬鹿なのでしょうか。

橋本真也は偉大であった

2005年07月19日 | 日記
 7月11日に、プロレスラーの破壊王こと橋本真也さんが他界されました。この1週間ほどのスポーツ新聞での報道ぶりは、すごかったと思います。「偉大であった」「愛されていた」「プロレスラーだった」のだと感じさせられました。
 私はプロレスには詳しくないのですが、非常に残念であります。学生時代に(1999年から2000年ごろまで)、テレビでプロレスを見ていた時期がありました。最も印象的な試合は、2000年4月の「巻けたら引退 橋本真也VS小川直也」でした。小川選手のSTOをくらい、橋本さんがマットに沈んだことが、非常に印象的でした。
 「K-1」や「PRIDE」が流行っている昨今ですが、私はプロレスの方が好きです。プロレスには、ファンとレスラーの間に暗黙の了解があります。そして、レスラーはファンを楽しませようとし、ファンは楽しもうとします。そのレスラーとファンの微妙な関係が、私からすれば非常に興味深く、面白いと思えます。詳しくはないので想像になるのですが、この関係は「K-1」や「PRIDE」にはないのじゃないかなあ。うまくまとまった文章になりませんでしたが、プロレス界の再興を期待しています。