『本当はちがうんだ日記』という本を読みました。穂村弘のエッセイ集です。いい本でした。印象的な文章の一部を転載します。忘れたくないので。
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それがどんなジャンルの事項であれ、例えば、六十七勝七十三敗からの一敗は何ということもない出来事だ。そこからさらに三連敗してもなんとか耐えられるだろう。だが、0勝0敗からの一敗は恐ろしい。三連敗などしようものなら、自分はこのまま生涯一勝もできずに終わるのではないか、という恐怖に囚われてしまう。その予感が私を動けなくする。
神様、私にまず一勝をお与え下さい。そうしたら、そのあと負けが三つ続いても耐えられると思うのです。お願いですから、まず最初の一勝を。
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勿論、神様はそんなに軟弱な願いをきくほど暇ではない。餓死する赤ん坊が沢山いるこの世界のなかで、毎日菓子パンを食べている私にラブレターを与える余裕などあるわけがないのだ。
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冬の夜の星君なりき一つをば云ふにはあらずことごとく皆 与謝野晶子
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はげしい風のふく日に、その風のふく方へ、一心に息をつめて歩いてゆくような、お互いに、生きてゆくのが命がけの明け暮れがつずいています。せめて、その日日にちいさな、かすかな灯をともすことが出来たら……この本を作つていて、考えるのはそのことでございました。
「暮しの手帖」創刊号「あとがき」より
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昼間、日本食のレストランで、食後のコーヒーを飲みながら読み終えました。こういう本を、こんなタイミングで読み終えると元気が出てきます。
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それがどんなジャンルの事項であれ、例えば、六十七勝七十三敗からの一敗は何ということもない出来事だ。そこからさらに三連敗してもなんとか耐えられるだろう。だが、0勝0敗からの一敗は恐ろしい。三連敗などしようものなら、自分はこのまま生涯一勝もできずに終わるのではないか、という恐怖に囚われてしまう。その予感が私を動けなくする。
神様、私にまず一勝をお与え下さい。そうしたら、そのあと負けが三つ続いても耐えられると思うのです。お願いですから、まず最初の一勝を。
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勿論、神様はそんなに軟弱な願いをきくほど暇ではない。餓死する赤ん坊が沢山いるこの世界のなかで、毎日菓子パンを食べている私にラブレターを与える余裕などあるわけがないのだ。
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冬の夜の星君なりき一つをば云ふにはあらずことごとく皆 与謝野晶子
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はげしい風のふく日に、その風のふく方へ、一心に息をつめて歩いてゆくような、お互いに、生きてゆくのが命がけの明け暮れがつずいています。せめて、その日日にちいさな、かすかな灯をともすことが出来たら……この本を作つていて、考えるのはそのことでございました。
「暮しの手帖」創刊号「あとがき」より
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昼間、日本食のレストランで、食後のコーヒーを飲みながら読み終えました。こういう本を、こんなタイミングで読み終えると元気が出てきます。