MT MANIAX

苦難の時にこそ、われわれは隣人に対して寛大であらねばならない。そうしていれば世界はわれわれにとって寛大なものになるはず。

産経の「万パク」は、ちょっと表現が行き過ぎているのじゃないか

2010年04月30日 | 日記
 上海万博の開会式をテレビで見ようと思っていたのですが、仕事が終わるのが遅くなり、間に合わず。ちょっと残念です。多分、どこかの放送局で再放送をするでしょうから、そのときに見てみたいと思います。
 上海万博について、日本からの関心は非常に高いそうです。少し面白い現象だなあ、と思います。各新聞社のサイトでは、毎日のように上海万博に関する記事がアップされています。
 その中でも気になったのは、MSN内の産経新聞のサイト。このサイトでは「万パク」という言葉がしきりに使われています。「パク」は盗作の「パクる」と掛かっているようです。なんだか産経新聞社の黒い悪意がこの言葉から感じられるので、不愉快になります。PRソングの件は仕方がないとしても、マスコットキャラクターや中国館については言いがかりのように思えるのは、私だけでしょうか。
 特にひどいのは4月29日付けの「【上海万博開幕前夜】(上)「万パク」狂想曲」という記事でした。≪上海万博をめぐっては相次ぐ盗作、模倣、偽造などの疑惑が噴出。「万事がパクりの上海万パクじゃないのか」との厳しい見方が内外で広がっている。≫という文章はひどいです。仮にも全国紙であるにも関わらず、「万事がパクりの上海万パク」と書いてしまうとは……。産経新聞が「万パク」という言葉を広めているクセに。「厳しい見方を我々が広めている」という文章であれば理解できます。しかし、自分たちが仕出かしていることを「内外で広がっている」と分析するのは、はっきり言って頭がおかしいと思います。
 残念ながら新聞社はネッtの掲示板やブログなどとは違いますし、この違いが新聞社の存在意義だと思います。日本的感覚でいうところの著作権違反が、中国で横行しているには事実です。しかし、著作権違反と上海万博の関連を示唆する確かな事例をもっともっと大量に集め、取材結果をまとめて根拠を示さなければ、「万パク」と書いていいわけがありません。上海万博の閉幕までまだまだ時間がありますので、産経新聞には頑張って欲しいと思います。

中国すき家のメニューの表紙から、すき家の決意を感じ取る

2010年04月29日 | 日記


 デジカメの中の残っていた画像を整理していると、上の写真が出てきました。中国のすき家(食其家)のメニューの表紙を撮影したものです。
 メニューの表紙に「日本NO.1」とアピールされているのが面白いなあ、と思い、思わず撮影しました。日本での店舗数が吉野家を追い抜き、勢いづいたすき家が中国でもアピールしているんやなあ、と思いました(蛇足ですが、私は吉野家の牛丼の味の方が好きです)。
 もう一点、面白いのは、メニューの一番上に大きく書かれた「牛丼」という名前です。牛丼の漢字の上に「niu dong」と書かれています。牛は中国語の発音記号(ピンイン)で「niu」と書きます。カタカナで表記すると「ニゥ」や「ニュゥ」が近いと思います。そのため、「niu dong」は「ギュウドン」ではなく「ニゥドン」や「ニュゥドン」となります。何だか面白い発音ですね。
 また、「牛丼」の「丼」という文字も気になります。中国では「丼」という漢字は普通使われません。文字としては存在するようでして、パソコンの中国語IME「Googleピンイン入力」で試してみると、「jing」と入力して変換すると「丼」が出てきます。ちなみに、「丼」と似ている「井」のピンインも「jing」でして、中国では「井」と「丼」は同音同義の文字として扱われているようです。
 話がややそれました。すき家のメニューでは、あまり使われない「丼」という文字をあえて使い、しかも「jing」ではなく「dong」という発音記号を用いて「牛丼」と書いています。ここから、すき家の中国戦略の決意が現れていると感じました。決して大袈裟ではなく、おそらく本当に会社的に決意して「牛丼niu dong」という言葉を使っているのだと推測されます。その会社的決意とは「日本発の美味しい牛丼の味を中国大陸にも広めてやる」という決意です。
 ココイチなどと違い、中国のすき家の牛丼の価格は、中国の富裕層だけではなく一般市民でも食べられる値段に設定されています。中国に進出している日系企業は中国の富裕層をターゲットにして商売をしている会社が少なくありませんが、すき家はそういう商売とは一線を画しているように思えます。
 「牛丼niu dong」という言葉が中国に定着するのか。興味深いです。

内田樹さんの労働観

2010年04月28日 | 日記
 いつも拝読している内田樹さんのブログ「内田樹の研究室」で「労働について」という記事がアップされました。いいことが書かれていました。≪「働く」ことの本質は「贈与すること」にあり、それは「親族を形成する」とか「言語を用いる」と同レベルの類的宿命であり、人間の人間性を形成する根源的な営みである。≫ということが内田樹さんの持論ですが、深く考えれば考えるほどその通りだと思います。
 「付加価値」という言葉は、私のように第二次産業に携わるものにとっては本当に毎日のように耳にする言葉です。「価値」を「付加」する根幹に必要な精神は「贈与すること」に結びつくと思います。
 贈与するには、恩恵の受益者がいなければなりません。このことの説明が次の文章です。
 ≪地球最後の日に、生き残った最後の一人がいたとする。彼が画期的な癌特効薬を発明しようとも、宇宙の全事象を説明できる理論を完成させようとも、それはもう労働ではない。その成果を享受しうる他者がもうどこにもいないからである。労働の価値は労働そのものに内在するわけではない。その成果を享受する他者たちによって事後的に賦与されるのである。≫
 「労働とは何ぞや」と問われても、私は自分自身で上手く説明する自信が未だにありません。しかし、内田樹さんの労働観には共感できます。

 自分は価値を創造できているのか。
 今していることが、他社に贈与できるものなのか。
 この労働観を同僚の中国人にも共感してもらえるのか。

 今日はこの辺で。喉と鼻の調子が悪いです。完全に風邪を引いたようです(泣)。

アメリカの議会図書館がツイッターのツイートを収蔵するそうです

2010年04月27日 | 日記
 少し前のニュースなのですが、興味深いものを目にしました。4月15日付けのCNN.co.jpの記事より。

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ツイッターの「つぶやき」を収蔵 米議会図書館

(CNN) ミニブログサービスを提供する米ツイッターと米議会図書館は14日、これまでに投稿された公開ツイート(つぶやき)をすべて同図書館で収蔵すると発表した。

収蔵の対象となるのは、ツイッターがサービスを開始した2006年以来、公開で投稿されたつぶやき。プライベートな投稿は対象とならない。議会図書館は特筆すべきつぶやきとして、ツイッター共同創業者のジャック・ドーシー氏がサイトに初投稿したものや、オバマ米大統領が大統領選挙に勝利した時の発言を記録したつぶやきなどを挙げている。
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 非常に面白い試みだなあ、と思います。大統領や著名人のつぶやきも価値があると思うのですが、面白いのは著名でない人々のつぶやきも収蔵される点であると思います。現代の人たちが考えていたことを、未来の人々が探る資料になっていくのだと思います。
 ツイッターは民間の会社が手がけているサービスですので、永遠には続かないと思います。ですから、ネット上にアップされたつぶやきは永遠には残りません。資料価値のある情報が消えるのは非常にもったいないと思います。
 このような試みが本当に価値を発揮するのは、半世紀ぐらいの時間が過ぎてからだと思います。日本での場合を考えてみますと、60年前の戦中戦後の人々の思考がどのようなものだったのか、現代の右翼左翼では見解が異なります。たった60年前の自分の国のことですら、すでに分からなくなっている状態です。情けない気分になりますが、歴史評価というものが、それほど難しいということだと思います。
 そのようなことを考えますと、今回のアメリカの議会図書館のツイッター収蔵計画は非常に価値があることだと思います。政治家などの著名人だけではなく、すべての人々のつぶやきが収蔵されることによって、社会の変化に伴ない、人々の思考がどのように変遷したのか、ある出来事に対して人々はどのように反応したのか、政治家の発言に対してどのように人々は思ったのか。現代の人々のほぼ生に近い声=つぶやきが残されていくということは、エキサイティングです。未来の人が21世紀の研究を行なう上で、これ以上の資料はないのではないか、と思います。私は歴史研究の素人ですが、一級資料とは別の意味で価値があると思います。
 そして肝心なことは、現在、ツイッターを利用されている方のつぶやきも、アメリカの議会図書館に収蔵されるという点が見逃せません。あなたのつぶやきが歴史研究の資料となる……。面白いなあ。
 日本も国策として、各ブログサービスのブログの収蔵を始めたらいいのに、と思います。

サマーウォーズ

2010年04月26日 | 映画館以外で観た映画
 昨年の夏にヒットしたアニメ映画『サマーウォーズ』のDVDを入手したので、早速観ました。allcinema ONLINEの紹介文を。

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 2006年の「時をかける少女」が評判を呼んだ細田守監督が、再び奥寺佐渡子(脚本)、貞本義行(キャラクターデザイン)とタッグを組み、気弱な理系少年の思いも寄らぬひと夏の大冒険を描くSF青春アドベンチャー。ひょんなことから片田舎の大家族と夏休みを過ごすハメになった17歳の少年が、仮想空間に端を発した世界崩壊の危機に立ち向かう姿を家族の絆を軸に迫力のアクション満載で描き出す。声の出演は神木隆之介、桜庭ななみ、富司純子。
 仮想都市OZ(オズ)が人々の日常生活に深く浸透している近未来。小磯健二は天才的な数学の能力を持ちながらも内気で人付き合いが苦手な高校2年生。彼は憧れの先輩、夏希から夏休みのアルバイトを頼まれ、彼女の田舎、長野県の上田市を訪れる。そこに待っていたのは、夏希の親戚家族“陣内(じんのうち)家”の個性溢れる面々。この日は、夏希の曾祖母で一族を束ねる肝っ玉おばあちゃん、栄の90歳の誕生日を祝う集会が盛大に行われていた。その席で健二は夏希のフィアンセのフリをする、というバイトの中身を知ることに。そんな大役に困惑し振り回される傍ら、その夜健二は謎の数字が書かれたケータイ・メールを受信する。理系魂を刺激され、その解読に夢中になる健二だったが…。
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 面白かったです。期待以上でした。映画の冒頭10分間を見て、これは面白いと思いました。アニメーションの映像表現も面白いですし、ネット上の仮想空間OZの説明の仕方も分かりやすいですし、編集のテンポもいいです。全編を通じてこの良さは続きます。
 日本のアニメの大作ではCGに否定的で、CGを多用していないことが賞賛につながる傾向が強いですが、この『サマーウォーズ』はCGと見事に融合していました。
 物語は仮想空間と現実世界を行ったり来たりします。インターネットの掲示板やチャットなどに馴染んでいる人の方が、仮想空間OZの表現方法を楽しめると思います。花札のシーンも画面に動きがあって面白かったです。
 しかし、このようなネット関係の知識がなくても充分に楽しめる内容だと思いました。物語の根底に流れているものは家族、社会、勇気、諦めないこと等、非常にオーソドックスで、共感が得られやすいものでした。栄ばあちゃんの手紙は、ぐっときました。

蘇州碑刻博物館

2010年04月25日 | 日記
 蘇州の人民路と十全街の交差点から、人民路を南を進むと「蘇州碑刻博物館」という場所があります。蘇州市民の文化教育向上のため、無料開放されているところです。十全街へ行く用事があったため、ついでに立ち寄ることにりました。



 無料開放ということもあり、蘇州にある世界遺産級の庭園などに比べると人は少なく、うら寂しい感じでした。



 孔子の石像です。孔子については昔、学校で歴史の時間に勉強したのですが、当時はまったく内容が頭に入らず、どのような偉人であったのかよく分かりませんでした。孔子は古代中国の思想家で儒教の開祖です。Wikipediaには儒教の教義の五常について次のことが書かれていました。

仁 人を思いやること。孔子は仁を最高の徳目としていた。
義 利欲に囚われず、すべきことをすること。
礼 仁を具体的な行動として、表したもの。
智 学問に励む
信 言明をたがえないこと、真実を告げること、約束を守ること、誠実であること。

 これらを読むと分かりますが、儒教は日本の文化にも深い影響を及ぼしているようです。ちゃんと孔子についても勉強しないといけないなあ。



 色々な展示物が収められている建物です。なかなか大きな建物でした。赤茶けた色彩が中国っぽくて素敵です。



 建物に入るとすぐに目に飛び込んできた巨大な絵画。孔子の絵のようです。絵の前では膝をついてお祈りをしている人が何人もいました。孔子は儒教を体系化した思想家ですが、同時に信仰の対象でもあるのでしょうか。このあたりの感覚が“肌感覚”として理解出来ないません。立派な絵画でした。



 建物の中では、このような石にかかれた絵や文章も展示されていました。黒い石にかかれた独特のものでした。絵は漫画っぽい描き方ですね。
 他の展示物には、国の重要文化財に指定されている4つの石碑がありました。宋代の「平江図」(南宋時代の蘇州の都市図)、「天文図」(星象図、世界最古の天文観測絵図)、「地理図」(宋代の中国の地形図)、「帝王紹運図」(黄帝から南宋までの歴代王朝帝の変遷記録)の4枚です。これらは見ごたえがありました。個人的には「平江図」は現在の蘇州の様子を思い浮かべながら、頭の中で比較しながら鑑賞しまして、興味深かったです。これら4つの石碑はカメラで撮影禁止のようでして、石碑が置いてある部屋の監視員みたいな人に怒られてしまいました。重要文化財を写真撮影してはいけない合理的な理由が思いつきませんので、残念でした。

 ぶらぶらっと歩いて30分ほどでしたが、絵画、石碑などの美術品を眺めて、目の保養になりました。近くには骨董品市場がたくさんありました。壺、置物、古い貨幣や紙幣、絵画、石、装飾品などがたくさん売られていました。私は骨董品の価値がまだ分からないのですが、好きな人が見れば面白いと思います。



 おまけ。十全街の近くのバス停で見かけた遊具。目がいっているピカチュウモドキが印象的です。これはこれで、目の保養になります。

柳絮が舞う蘇州の旧市街地

2010年04月24日 | 日記
 暖かい一日でした。朝飯を買いに、バスに乗って蘇州の旧市街の鳳凰街へ行きました。街中では空から白いものが降ってました。柳絮(りゅうじょ)と呼ばれる、綿毛に包まれた柳の種子です。春の訪れを感じさせる、素敵な柳の樹からのプレゼントです。



 暖かい日がさした蘇州の水路の近くで、焼餅を頬張りながら、街の様子や柳絮を眺めるのは、なかなか風情があります(上の写真に写っている白い綿毛が分かりますでしょうか。こんな風景を見れるのであれば、携帯電話のカメラではなく、ちゃんとしたデジカメを持っていって撮影すべきでした)。



 鳳凰街はローカル色豊かな道路で、生活色が感じられ、賑やかです。今日は太鼓を担いで売っている人を見かけました。「こんな売り方で太鼓を買う人がいるんかなあ」と思いながら見ていたのですが、太鼓売りの人が私の目の前の20メートルほどを歩いている間に、人に2回呼び止められ、1個ずつ太鼓が売れていました。こんな売り方でもちゃんと買う人がいるんだなあ。



 おまけ。蘇州園区のとある公園でみかけた上海万博のオブジェです。蘇州園区にはいくつか、このようなオブジェがあるので、次の休みにでも写真に撮っておこうと思います。

おせんべい、ありがとうございました

2010年04月23日 | 日記
 火曜日(4月20日)に、日本の本社から社員が来られました。以前、品質保証部の部長をされていたため、当時、お世話になった方です。お土産に、せんべいを頂きました。丸くて醤油味の固い、バリッとした食感のせんべいです。今日、食べ終わりました。

 うまかった~!

 中国人の部下にも分けてあげたのですが、「変なお菓子だ」と言ってました。醤油の味が奇っ怪だそうです(笑)。日本の味でした。

トータス松本『明星』いい歌やねえ

2010年04月22日 | 日記
 トータス松本さんの『明星』という歌を知りました。ここひと月ほど、この歌が自宅でヘビーローテーションしています。2009年6月発売の歌でして、最新曲というわけではないです。これ、めちゃくちゃいい歌ですね。
 中国ではネットで情報をチェックしているのですが、音楽関係の情報キャッチ力が、自分は弱いのだなあ、と思います。放送作家の高須光聖さんのラジオ番組『高須光聖の御影流』の過去の放送を聞いていて、トータス松本さんが出演された回のときに、この歌の存在を知りました。このラジオのおかげで『明星』に出会えました。歌を作ったトータス松本さんにも感謝ですし、高須さんにも感謝です。

トータス松本 『明星』MV オリジナル VERSION



http://www.nicovideo.jp/watch/sm7294949

 最近、自宅のパソコンでは、ネットから落としたこのPVが、ディスプレイの端でいつも流れています。歌自体もすごくいいのですが、PVも好きです。トータス松本ご自身もこの歌をものすごく気に入っていらっしゃるそうです。『明星』が収録されたCD「花鳥風月」にはトータス松本さんの一言があるそうです(中国でこのCDを入手できないため、実物ではなくネットで知りました)。

 ≪ウルフルズを、もうこれ以上は転がせないと気づいて、おれはその時 ちょっとした人生の岐路に立っていた。40男が今言い切りたい事は何か。この歌は、おれのキャリアにおいてこれ以上はないというタイミングで生まれた。歌っている時でさえ、楽しくせつなく、いつも何かがこみあげてくる。好きすぎる歌。≫
 歌も素敵だが、このコメントもカッコ良すぎる。
 メロディもいいし、歌詞もいい。


≪パソコンがなんだ 検索がどうした 答えは見つけたか
 最終電車で拾ったマンガを読んだら 涙が止まらない≫


≪汚れずに生きるのは難しい きれいなままで死にたいぜ
 いや 死にたくないぜ≫


 カッチョいいなあ。この歌のおかげで、元気をもらってます。


トータス松本 『明星』MV WEB限定 歌おうぜ! VERSION


http://www.nicovideo.jp/watch/sm7294737

 上で紹介したPVのオリジナル版に対して、こちらはPV出演者の方々の音声を聞くことができます。すごく楽しそうな感じです。自分もこんな映像を作れたら楽しいだろうなあ、と思います。音楽を作る能力はないけど、映像は作れるかもしれない。

四川の少数民族の民族衣装の写真集

2010年04月21日 | 日記
 4月17日に観前街という蘇州の繁華街に行き、本屋さんへ立ち寄りました。中華料理のレシピ本、中国語の辞書、上海万博の公式ガイドブック(記念買い)などを物色しておりました。本屋を出ようとしたとき、ふと目についた本がありました。



 四川省で生活している中国の少数民族の衣装や祭りの様子を撮影した写真が掲載された写真集です。表紙を見て、写真集を手にとって眺めたところ……



 パラパラとめくってまして、この写真が目に飛び込んできました。ノックアウト。素敵すぎる、この衣装のデザイン。衣装、服、アクセサリなどには全く疎いので何とも表現できないのですが、素晴らしいです。黒い帽子の形が独特なのですが、もっと独特なのは帽子にたくさんくっついている丸いヤツ。首から下げているネックレスの、長方形の部品と、3つつながった小さい玉のバランス。なんじゃこれ。世界にはすごいデザインが存在するんだなあ、と思いました。もちろん、すぐにこの写真集を購入してしまいました。



 写真には解説文も書かれています。中国語と英語で併記されているようです。赤茶色の地面、濃い緑の山、青色の空、白い雲、そして奇抜な色の衣装。色のコントラストが激しいです。服の模様は、丸の連続や、ギザギザした直線のものなど、古代遺跡で見られる幾何学的模様の名残があります。日本人には土偶の紋様として馴染みのある模様です。薬物による幻覚症状で目に見えると言われる模様です(私は薬物を体験したことがないので、あくまで文献から得た知識です)。このような模様を見ると、人間と麻薬の歴史は古く、かつては切っても切り離せない関係であったことを感じさせます。



 四川省にチベット族、イ族、羌族などの少数民族が多いことは、日本にいた頃は知りませんでした。蘇州へ来てから知りました。この写真集を見ていますと、それぞれの民族ごとに衣装のデザインの特徴や美しさが違うことが分かりまして面白いです。
 普通に暮らしている人なのか、それとも観光施設や観光客向けのショーの人なのかは分からないですが、一度、実際に見てみたいと思いました。もっともっとたくさん、素敵な写真が満載でして、紹介したい気持ちが山々です(外国の人が日本人の着物姿を見たときも、同じ気持ちを抱くのでしょうか)。

UNIQLO 88 COLORSで感動!!

2010年04月20日 | 日記
 「UNIQLO 88 COLORS」というサイトが公開されました。ニューヨーク、ロンドン、パリに次いで4店目となるグローバル旗艦店が上海で5月にオープンされます。そのキャンペーンのためのホームページだそうです(RBB TODAY記事)。
 このキャンペーンサイトを開いた瞬間、画面の中で何が起こっているのか分かりませんでした。そしてその次の瞬間、なぜか目に涙がジワッと出てきました。一瞬、感動してしまったようです。どうやってプログラミングしてるんやろうか。面白いなあ。

Google Cloud Print

2010年04月19日 | 日記
 Googleが「Google Cloud Print」というサービスを発表しました。今までに類似したサービスは全くなかったので(少なくとも私は知りません)かいつまんで概要を説明するのが難しいのですが……

【従来】
  パソコン → プリンター

【Google Cloud Print】
  パソコン、スマートフォン等 → クラウド → プリンター

 従来と比較すると、このような関係になるのでしょうか。多数の端末と多数のプリンターの架け橋になるサービスのようです。利用者にとってのメリットは、面倒な設定なしでどんな端末からも希望のプリンターで印刷できることです。一見、どのようなメリットがあるサービスなのか分かりにくいのですが、考えようによっては面白そうです。

(1) パソコンやプリンターを買い換えても、面倒なドライバーインストールや設定が不要になります。

(2) プリンターにAcrobatのようなPDFライターのソフトを指定すると、一台ずつのパソコンにAcrobatを印刷しなくてもPDF作成が容易にできる可能性があります。

(3) FAXの代わりに利用できる可能性があります。パソコンからの印刷先を、例えば取引先のプリンターに設定すれば、そのまま印刷物がプリントされるはずです。電話料金、電話番号、FAX機などが不要になります。

(4) プリンターの代わりにテレビなどに出力できる可能性があるのでは。

 ただちにどのような便利さが生まれるのか分からないサービスです。サービスは「Google Chrome OS」で実装されて開始されるそうです。得体が知れないので興味があります。

「街場の教育論」は目からウロコの本でした

2010年04月18日 | 
 先週の土曜日に出社したので、16日(金)は代休を頂いておりました。昨日、今日もお休みですので3連休となりました。金曜日と土曜日は非常に天気が良く、洗濯や布団を干すなどの家事を気持ちよくできました。今日は昼過ぎから生憎の雨です。二勝一敗ですね。
 今日は内田樹さんの『街場の教育論』を読み終えました。色々なヒントが散りばめられた本でした。
 冒頭の「教育の根本的改革は不可能である」というところから、もう目からウロコが何枚も落ちました。教育の根本的改革は≪ある日、一片の政令を以て「学校教育を一時停止する」といことだからです。全国の学校を閉鎖し、教員を解雇し、カリキュラムを全廃し、子どもたちに「次の学校」が整備されるまで、家で遊んでいてくれということ≫を意味するためです。毛沢東やポル・ポトは力づくで学校教育を停止させましたが、≪その結果、ほぼ一世代にわたり国民の教育水準に壊滅的な傷を残しました≫。
 政治や報道などで、何かの物事やシステムに対して「抜本的な改革が急務」と叫ばれることはよくあります。私はこれについては懐疑的でして、できるだけ現状を活かして小さな手直しを加えていく方法を選択する方がよいと考えています。教育についてもそのように思っていましたが、上にあるように「教育の根本的改革は不可能である」ということまで考えが及んだことはありませんでした。
 また、「変化を望まない人々」についても驚きがありました。ここでは、学校の卒業生の願いの一つは≪自分の出た学校が、自分が通っていたときのままであってほしい≫と書かれています。つまり、これは昔と少しも変わらない教育が行われていることを、卒業生たちは無意識に望んでいるといことです。
 私も自分自身について考えてみますと、自分の母校の変化について耳にすると、少しショックを受けることがあります。学校の編成、独立行政法人の波、お世話になった先生の退官、校舎棟の改築、学生寮の変化等々。自分の心の奥底を覗いてみますと、私はこれらの変化を少しも望んでいないことに気がつきました。「改革が必要」と叫びながら、実は「変化を望んでいない」という屈折した状況……。
 これらのことについて心のアンテナに引っかかった方は、ぜひともこの本を読んでいただきたいと思います。はっきりいって面白いですし、非常に貴重な論が語られていると思いました。

カイジ 人生逆転ゲーム

2010年04月17日 | 映画館以外で観た映画
 DVD屋さんに行ったところ、発見しました!『カイジ 人生逆転ゲーム』を。迷わず購入しました。観たかったんです、この作品!
 カイジのファンは熱烈な人が多いでしょうから、大多数のファンの方から評価を得るのは難しいと思います。登場するギャンブルは限定ジャンケン、鉄骨渡り、Eカードの3種目です。私は限定ジャンケンの熱烈なファンですので、限定ジャンケンだけで一本の映画を作って欲しいと思いました。そういう分けで、ファンの人はそれぞれにコダワリがあると思います。ですから、3種目のギャンブルを、ファンの心を満足するように一本の映画へ詰め込むのは物凄く難しいと思います(ギャンブルの説明はWikipediaの記事を参考にしてください)。
 見所は香川照之さんと藤原竜也さんのハイテンションな演技だと思います。利根川役の香川照之さんは顔中に凄いシワを作っていました。どうやったらあんなに凄いシワを演技で作れるんだろうか。カイジ役の藤原竜也さんも意外とハマっていました。物語の最後の方(Eカード戦)で、ゲームのカードだけではなく、藤原さん自身が奴隷みたいに見えてきました。
 残念なのは遠藤役の天海祐希さん。どうして遠藤を女性に置き換えちゃったんだろうか。男のままでよかったのに、とカイジファンほど強く考えると思います。映画の興行上、女性を混ぜなければならなかったのだと思いますが……。
 原作漫画と切り離して見てみると楽しめると思います。原作のカイジで出てきたギャンブルのエッセンスが凝縮してふんだんに詰め込まれています。
 E-カード戦は手に汗握る戦いでした。限定ジャンケンよりも、E-カード戦の方が盛り上がり、カイジらしい戦いが繰り広げられました。おそらくカイジを知らない人は、最後の利根川の推理、そしてそれを上回るカイジの仕掛けたどんでん返しが、非常に気持ちよく感じると思います。
 限定ジャンケンもE-カードも、基本的には人物に大きな動きはありません。ですから役者さんの演技、演出、映像、BGMで盛り上げる必要があります。この盛り上げ方も良かったと思います。
 映画のラストに待っているほどほどのハッピーエンドも、ちょうどよいバランスだったと思います。

 話が前後しますが、このDVDを買いに行ったときのことです。売場でカイジのDVDを取ってDVD屋さんの店員さん(中国人女性)に渡したところ、「このDVDは私も見たのですが、これはものすごく面白いです! おすすめです!」と興奮した中国語で話してくれました。なるほど。カイジのエッセンスは国境を超えるのですね。これは面白い発見でした。会社の同僚にも観てもらおうかなあ。

上海万博のPR曲、使用停止のようです

2010年04月17日 | 日記
 環球網の記事によると、上海万博のPR曲『2010等イ尓来』の使用をしばらく停止すると上海世博会事務協調局が表明したそうです。岡本真夜さんの『そのままの君でいて』の盗作疑惑を受けての対応です。
 何か丸く収まる方法はないかと考えてました。

(1) 盗作疑惑を否定して、何事もなかったように使い続ける。
(2) この歌の使用をやめる。
(3) 岡本真夜さんが、この歌を歌う中国人スターたちの一員になる。

 個人的には(3)を見たかったですが(不謹慎でスイマセン)、事実上(2)になったということだと解釈しています。岡本真夜さんの事務所から訴えられると、ダメージが決定的になりますので、その前に(2)にするしかなかったのだと思います。日本以外のメディアでは、まだあまり報道されていませんので、早めに手を売った方がよいということでしょう。そりゃ、このままこのPR曲を使い続けるのは無理だよなあ。世界の目が注目しているし。

 今回の件で一番トクをしたのは(下衆い話で申し訳ありませんが)岡本真夜さんやそのレコード会社等の関係者になるかもしれません。ものすごいタイミングなのですが、5月10日に15周年記念ベストアルバム「My Favorites」が発売されるからです。話題作りとしては最高だろうなあ。

 ネットを見ていますと、中国を蔑むコメントがいくつもアップされています。その中には気になるものがいくつかありました。上海万博の肩をもつわけではないのですが、気になったので……。
 まず、『2010等イ尓来』を上海万博公式テーマソングと述べている記事が非常に多く見られましたが、これは多分間違いだと思います。『2010等イ尓来』は「30天推広歌曲」という位置づけの歌です。私の拙い中国語能力で読解しますと「カウントダウン30日PRソング」という意味です。この歌はPRソングや序曲のような位置づけになる歌であると思われます。よって、別にテーマソングは存在するはずですので、『2010等イ尓来』を公式テーマソングと紹介する人は思い込みだけで批判記事を書いているのだと思います。慎重さが欠けていると思います。
 また、2008年の北京オリンピックのときに話題になった開会式のときの少女の歌が口パクであった件と、今回のことを結びつけている記事もいくつも目にしました。しかし、これら2つのことは性質がまったく違います。『2010等イ尓来』が盗作であると仮定するとこれは良くないことですが、口パクと一緒に扱うこととは違うと思います(私は、口パクは良いこととは思いませんが、周りから非難されるような行動ではないと思っています)。「偽物天国」というキーワードで2つのことを結びつけ、揶揄して優越感に浸りたい誘惑にかられる気持ちは分からないでもないのですが、
 さらに、著作権の概念がない、著作権侵害、と批判しているブログなどの記事もありました。しかしそんな記事の中には、動画サイトのリンクなどを張り、聴き比べてください、と書かれているものもありました。また、新聞社の記事を丸ごとコピー&ペーストしているものもいくつもありました。動画サイトも新聞記事のコピペも、現在の著作権に違反しているからね。著作権の概念がない、という蔑みをするのであれば、著作権に違反しない方法で論を展開しなければ支離滅裂です(蛇足ですが、現在の著作権周辺の法整備等は、ネットの現状にまったく追いついていません。個人的には、将来的には動画サイトの存在も新聞記事のコピー&ペーストも“あり”だと思っています。しかし、著作権云々の話を“今”持ち出すのであれば“今”の流儀に従った方法で論を展開しなければ説得力を得られません)。