MT MANIAX

苦難の時にこそ、われわれは隣人に対して寛大であらねばならない。そうしていれば世界はわれわれにとって寛大なものになるはず。

奥さまは魔女 (BEWITCHED)

2005年09月17日 | 映画
監督:ノーラ・エフロン、出演:ニコール・キッドマン、ウィル・フェレル、アメリカ、2005

 ニコール・キッドマンがきれいです。めちゃくちゃ、ぶりっ子していたので、ちょっと笑ってしまいましたが、男の私にとっては嫌味には感じませんでした。女性目線の映画なので、女性の方々の目には、どのように映るのでしょうか。
 脚本が、ちょっと面白いと思いました。劇中劇のような感じです。映画の中で『奥様は魔女』がリメイクされているのです。このリメイク版の魔女サマンサに抜擢されるのが、ニコーツ・キッドマンが演じる主人公のイザベル(本物の魔女)です。オリジナル版の『奥様は魔女』を観たことがないのですが、今回の映画の脚本は、ちょっと面白いと思いました。
 映画の中の一番好きなセリフは、イザベルが号泣しながら話すこのセリフでした。

 「涙を止める魔法はないの?」

 これは、ちょっといいセリフです。泣けるかも。

ヤンタンの時代。

2005年09月17日 | 
渡邉一雄、角川書店、東京、2005

 私のような関西人にとって、「ヤンタン」は忘れられない青春の1ページであります。「ヤンタン」とは、大阪の毎日放送(MBS)から放送されていたラジオ番組『MBSヤングタウン』の略称です。かなり大雑把に説明すると、関東の「オールナイトニッポン」のような位置づけにあたる番組が、関西のヤンタンでした。中学・高校の頃に、本当によく聴いていました。私をラジオの虜にした重要な番組でありました。
 著者の渡邉一雄さんは、ヤンタン創世記のころから制作に携わってこられた、ヤンタンの父であります。そのような方が、番組本を執筆されることは、ラジオファンにとっては本当に重要な仕事であると思います。
 残念ながら本の中身は、創世記に関わる内容がほとんどであり、私が聴いていた頃、つまりダウンタウンや今田・東野の話がなかったのが残念ではありますが、昔、ヤンタンを聞いていた方にとっては必読の書であると思います。

点と点が線になる日本史集中講義

2005年09月17日 | 
井沢元彦、祥伝社、東京、2004

 学校で習った歴史の教科書や、歴史学者の説明では、本当の日本史を理解できない、ということが著者の井沢さんのスタンスです。大人気シリーズ『逆説の日本史』で井沢さんが述べられている説を、ギューッと凝縮したような内容です。とにかく分かりやすく、面白いです。
 最も面白いトピックは、織田信長が作った「楽市・楽座」の狙いについてです。確かに、学校の教科書を読んでみても、信長が「楽市・楽座」を作った狙いが、まったく分かりません。私の手元にある5冊の歴史の教科書を読んでみますと、次のようなことが書かれていました。「楽市・楽座」の目的について触れられていたのは、昭和37年の歴史教科書だけでした(私の父親が使用していた教科書です)。下の引用文を読み直して、さっぱり分からなければ、『点と点が線になる日本史集中講義』もしくは『逆説の日本史』をご一読ください。日本の歴史の面白さが分かると思います。

 関所を廃止して交通の便をはかり、楽市・楽座令を出して中世の座を廃止し、市場での税を免除して商業を活発にしました。(『社会科 中学生の歴史<初訂版>』pp.108、帝国書院、東京、1999)

 信長は、関所を廃止して交通を自由にし、楽市・楽座令を出して座をなくし、商工業を活発にしました。(『社会科 中学生の歴史<最新版>』pp.101、帝国書院、東京、2001)

 安土の城下町に楽市・楽座令をだし、この町にきて住む商工業者に自由な営業活動を認めるなど、あたらしい都市政策をうちだした。(『詳説 日本史 改訂版』、pp.154、山川出版社、東京、1999)

 信長は京都を臨む地である琵琶湖畔の安土に壮大な城(安土城)を築いた。城下に楽市・楽座令を出して、市・座の特権を廃止し、商工業者に自由な営業を認め、流通のさまたげとなっていた各地の関所を撤廃した。このように、信長は旧来の政治勢力や社会制度を徹底的に破壊し、新しい時代への道を切り開いた。(『[市販本]新しい歴史教科書』pp.117、扶桑社、東京、2001)

 中世の末期、市場の存在が戦国大名たちの財政上重要なものになってくると、その保護も商業税の免除や市場における独占的な売場の撤廃となり、外国の商人も自由に商売ができるようになった。このような法令を一般に楽市・楽座の令といっている。こうして特定市場は否定され、さらに特権的な団体である座は廃止され、新興商業都市全体にわたる諸役・諸座・諸問屋の撤廃が進められた。・・・こうして商工業の面でも、いままで荘園領主がもっていた特権がすべて打破され、新しい封建秩序のもとにその統制が進められていった。(『七訂 日本史』pp.128、山川出版社、東京、1962)