はなしのひろば

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夜が心地よいとは

2019年04月06日 11時52分36秒 | Weblog
一日の活動を終え誰もが家路につく。暖かい食事、一日の疲れを癒して、ねむりにつく。それだけで心地よいはずだが、夜の闇が人の記憶と同じように世界を覆い尽くし退屈な細部を消してしまうから心地よいのだという(ホルヘ・ルイス・ボルヘス「異端審問」)。実は記憶というものは夜の闇と同じように事実を装い覆い隠し贋造し自分に都合よく編集するようなしろものなのだからという。
これは雪が銀世界で覆い、細部を隠すのは一種脚色されたような爽快感を与えるのと似ている。丸山薫の詩に夜、橇(そり)が過去の悔いを打ち消しながら朝に向けて疾走するシーンがある。しんどい印象もあるが、夜にはこうしたリセットの性質があるのだろうか。
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