原子力が繰り返す非倫理の軌跡

３．１１の福島原発事故いらい、恐れていた、汚染水の海洋流失。歴史的に見ても、これほど大量の高濃度の汚染水が長期間漏れ続けている事態は過去に例がないという。そもそも、人類が核分裂エネルギ－を手に入れていらい、最初の実験場があろうことが２０万人を超える広島・長崎の大量殺戮だったという歴史的事実。その非人道性ゆえに、戦後喧伝されたのが原子力の平和利用だった。しかし、東北を襲った大津波は、その非人道性をさらに上塗りしたものだった。核に悲観的な日本人に核へのアレルギ－をなくさせるためにという試みは、結局、地球上きわめてまれな核分裂現象を人間が支配コントロ－ルできないことを改めて実証してみせた。こうした危険で非倫理的なものからは、はやく脱出するに越したことはない。しかし、事故処理も事後処理もままならないのが現状である。それも、責任を取りたがらない者ばかり。ここに人類の英知を結集してことに当たることがなぜできないのであろうか。悩みは尽きない。

東京オリンピック２０２０に思うこと

モノクロで東京オリンピックの記録を見ることが多いが（カラ－は映画・市川崑監督で撮ってあって）もう一度２０２０年に感動がやってくる。前回も数多くの感動を残してくれたのがオリンピック。今回は、東北大震災・福島原発後の暗くふさぎがちな日本に夢と希望を与えてくれる、ありがたいことだ。喜びたい。この大きな贈り物をもらって、また明日への励みにしたい。七年後自分はどうしているか、いまより高い高みにいるか、健康でいるか、そのためにいま何ができるか、いろんな思いがめぐってくる。