物流王の物流徒然

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輸入(輸出)の検査について

2007-09-22 15:07:21 | Weblog
税関が行う検査は大きく、「検査場検査」「現場検査」の2つに分けられます。

「検査場検査」とは、輸出入貨物を税関の検査場に持って行き、開梱して中身を見せ、税番の所属の確認や他法令該当の有無などを検討します。大体アイテムを指定され、1箱から2箱持っていくことが多いです。
検査場には小型のX線装置もあり、アイテム数が多いものを調べる場合や申告した貨物以外のものが含まれていないかを検査する時に使います。

「現場検査」とは税関職員が貨物の置いている現場(倉庫)に来所して実際に貨物を見て申告書と照らし合わせる検査です。主に1箱のサイズが大きく重く、乗用車で検査場に持っていくのが不適当な貨物の場合、現場検査となります。
また、1箱ランダムに選ぶのではなく、全量を見たい場合なども、現場検査となります。
税関にはX線装置を積んだ乗用車もあり、乗用車に乗せたX線装置に全量を通して検査する場合もあります。

ところで、コンテナに入っている貨物をコンテナに入っているままで輸入申告をして(俗にCY通関という)検査になった場合は、上記2つのほかに「大型X線検査」というものがあります。
これは、コンテナをトラクターに載せてコンテナヤードから搬出した後、専用の税関X線検査場に行き、車両全体にX線を通して中身の外見を確認します。
この段階で疑義を持つ物品があったり、X線で十分に外見の確認を行えなかった場合は、その場でコンテナの扉をあけ、中身を全部おろして詳しく調べられます。検査に合格したら再びコンテナへ詰めなおして輸入許可・搬出となります。

ここで、CY通関の検査で、「検査場検査(持ち込み)」・「現場検査」になった場合、搬出用に多段に積んだコンテナを、人が検査できる専用の場所に平積みにする必要があります。
コンテナシフトと呼ばれ、通常前日(もしくは午後のシフトなら当日の朝だがコンテナターミナルによっては受け付けない)までにコンテナターミナルの管理者へ連絡しなければなりまん。更に料金も発生します。
また、輸出のCY通関で大型X線検査になった場合も、「船に積み込む場所」から「トラックのシャーシに積む場所」に移動させる必要があるため、シフトの作業が発生します。

税関の検査と混同されやすいのが食品の分析検査ですが、こちらは管轄が厚生労働省機関の地方検疫所となります。次回はこの食品検査について記述します。
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