物流王の物流徒然

物流に関するブログです

共同運航について

2008-03-21 06:53:27 | Weblog
主に貨物船で行われている、1つの船に複数の船会社の荷物を載せるやり方です。

貨物船はその性質上、一度出航したら港に戻ってくるまでに数日~数十日程度かかります。従って、例えば、1週間で戻ってくる航路で、ある船会社が自社の船だけで営業をしようとしたら、
①週に1度しか発着しない船に貨物を載せるため、客に相当の不便を強いる、もしくはその日が客の都合と合わないと断られてしまう。
②それを避けるために同じ航路で週7回以上船を出すと、設備投資が7倍になる上に、今度は船7隻分の貨物を集めることができず、空席が多い状態で運行しなければならない。。
ということになってしまいます。

複数の船会社で共同して互いの船に互いの貨物を載せるようにすると、毎日入出港のニーズに合わせることができ、自分の集めた貨物を分散させることができます。

したがって、A社の運行している船にB社のB/Lが発行されるというケースがありますが、それはこの共同運航によるものです。同盟を組む相手は大体決まっています。


飛行機(旅客機)でもときどきコードシェア便をみかけますが、基本は同じ考え方です。

このやり方が応用できるのは、
・一度出発したらしばらくは戻ってこない
・定期的に出発する
・その時期を逃した場合、次に戻ってくるまで待たなければならない。
・スペースに空きがでたらもったいない
・設備投資が大きく、空スペースのリスクが大きい
という業態です。

フェリー、路線便、路線バスなどにも応用できます。
逆に、「同一の時間帯・日程でバッティングする」ような業態では応用できなそうですね。
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物流とマーケティング:カスタマーリレーションシップマネジメント

2008-03-19 07:37:17 | Weblog
最近はやりのCRMについてです。

CRM(Customer Relationship Management)とは「既存顧客の情報を有効利用して顧客離れを防ぎ生涯顧客になってもらう」というマーケティング手法です。

重要なのは、「以前担当した人間だけではなく、他の人間が担当した場合でも顧客の情報を引き出すことができる」という点です。

その時担当した人間が顧客の情報を持っているのは当然のことですが、他の人間になるとそれが優良顧客か新規顧客かもわからなくなる、ということがよくあります。それを防ぐ目的で導入するものです。このため、「顧客にかかわるすべての人間が情報を共有する」ことができなくてはいけません。

「情報をデータベースに登録してマーケティングに活かす」という性質上、ITは欠かせないものとなり、そのためCRM用のITソフトなどがありますが、あくまでITは補助的なもので、導入の目的を忘れないことが不可欠です。

また、ITに限らず、ポイントカード、会員カードなどもCRMの道具といえます。
この様なカードは、単に割引の対象だったり、単にダイレクトメールを出したり社内管理上無理やり作っているだけだったりする場合が殆どですが、それでは有効利用できていないといえるでしょう。

「殆ど常連に近いくらいに利用しているのに、売り場担当者に、新規顧客と同様に扱われて困った」という経験はあると思います。
それを防ぐのもCRMなのです。
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3軸シャーシ問題について

2008-03-15 03:43:58 | Weblog
物流業界の最近の大きい話題のひとつとして、3軸シャーシ問題があります。

海上コンテナでの輸送は、目いっぱい積み込むと従来の道路運送法で定められた積載可能量などをオーバーしてしまうため、平成10年の改正により積載可能量が増え、コンテナいっぱいに積み込んだものを運送することができるようになりました。
その際、3軸のシャーシが義務付けられましたが、10年間の移行期間として、平成20年度までは旧来使用していた2軸シャーシでも必要な改造を施せば使用できるように猶予期間が与えられました。

その猶予期間がこの3月で終了し、延長はされないことが決定しました。

そのため、運送業界では3軸シャーシへの切り替え・確保のための負担が生じることから、運送料金の値上げに踏み切らざるを得ない状況になっているようです。


ここで問題にしたいのは、「猶予期間が与えられながらなぜ瀬戸際になって問題となるのか」ということです。

自分なりに考えてみたところ、
・過当競争があり、設備投資へまわす余裕がなかった
・東京都の排ガス規制や安全対策などがあり、予定していなかった車両への設備投資が生じた
ということが考えられそうです。特に2番目の行政による規制については不可抗力ともいえるでしょう。

行政側の言い分としては、「10年あったから何とかできただろう」ということかもしれませんが、「(軽油の)暫定税率は延長するけど規制緩和は延長しない」というのは少々問題を感じます。

また、暫定税率の問題は大々的に報道されているのに比べ、3軸シャーシ問題はそれほど大きく報道されていないことにも疑問を感じます。
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記事100回記念、ブログを書くようになったきっかけ

2008-03-12 06:02:59 | Weblog
気づいたら記事が100回目なので、このブログを書くきっかけとなったできごとについて書いてみようと思います。

きっかけは昔の知り合いと飲んだときの話でした。

就職して学生時代の知り合いと酒を飲むと、必ず出てくるのが仕事についての話です。必ずといっていいほど「今どういう仕事やっているか」を聞かれますが、物流業、倉庫業、通関といっても貿易やっている人でない限り話してもどういうことをやっているのかを理解してくれない場合が多いです。
その時もやはり仕事の話が出たので話をしましたが、やはり断片的にしかわかってもらえませんでした。

仕事の話をした時に出た質問が、「仕事の中で面白かった話や困った話はない?」という質問だったので、「コンテナ通関する際に食品検査になった時の問題」について話をしました。
そうしたら、「輸入の審査は殆どが書類審査である」ということや、「貨物はコンテナに入って、倉庫までコンテナのまま運ばれる」という、業界では常識なことも、話してみると「なるほど」と興味を持ってもらえました。
その反応をみて、「これは話のネタに使える」と思いました。

その思い出が、gooのホームページが終了してブログになる、というタイミングの時に浮かんできて書くことになりました。

なお、上記に書いたテーマの話は「実務紹介」のはじめの方に載せています。過去ログを参照してください。
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ビジネス界における「証明」について

2008-03-11 06:06:04 | Weblog
最近改めて感じましたが、業界に入って違和感を持ったもののひとつが、「証明」という言葉の使われ方です。

学生時代、特に理科系では、「証明」といえば、「理論・計算・実験により得られた事実により客観的に証明する」ことですが、ビジネス界ではむしろ「客観的立場にある人間が正しいといったことを信じる」ことの意味で使われています。

何が違うかというと、ビジネス界では、「言われたことをそのまま信じるしかない」ということです。これは、理科系の意味での証明をビジネス界で求めることが困難なこと及び実務的には有効でないこと、また、ビジネス界で求められるのが「事実の正確さそのもの」よりも、「責任の分担」であることによるものと考えます。従って、ビジネス界の「証明」は、「誰が」証明するのか、が重要になってきます。

この違いを理解していないと、「騙された」ということになりかねません。特に貿易などでは書類のやり取りが主になるので、「何を根拠に品質・安全が保証されているか」を自分で考えることが重要になってきます。
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